粉体塗装について

 GPzのレストアの課題としては、黒いパーツをいかにリビルドするかという点です。GPzではほとんどの部品が黒塗装や
ブラックメッキ処理が施されています。これを純正らしく仕上げるのが問題です。
今回、黒いパーツのリビルドには粉体塗装(パウダーコーティング)を多用して仕上げました。

T.粉体塗装の歴史

 粉体塗装とは粉体状の樹脂(粉体塗料)を吹き付け、被塗物の表面に塗膜を形成する塗装法で
加熱することで塗膜を生成します。粉体塗装の歴史は意外と古く日本に導入されたのは50年も前になります。
1922年にドイツが塗装法の特許を申請しています。現在の静電粉体塗装が実用化が始まったのが1960年代です。
近年、粉体塗装が注目されている要因として@有機溶剤を含んでいないため環境にやさしいA樹脂による優れた塗膜性能
B1回の塗装で厚塗りが容易C塗装作業性が優れる点が挙げられます。

U.静電粉体塗装の原理

 粉体塗装は写真のとおり静電ガンから吹き付け行います。
一見通常のスプレーガンのようですが、このガンの先端内部を粉体塗料が通過する際に
放電ピン(バイクのスパークプラグの先端みたいな物)のコロナ放電により粉体塗料が帯電され
被塗物の表面に付着し塗膜を形成します。これが粉体塗装の原理です。
この後、焼付乾燥炉で過熱することにより粉体塗料は表面で流動化し硬化して塗装膜になります。

V.バイク塗装での応用

 優れた塗膜の特徴によりバイクの塗装に適した主な個所は下記のとおりです。

@フレーム … バイクのフレームの塗装では粉体塗装に勝るものはないくらいで最も適しています。
          塗膜が丈夫でしなやかで曲げにも強く、ボルトの締付けにも割れたり、剥がれたりしません。
          最近では色も増え、黒以外の色も可能です。
Aホイール … 厚い塗膜により跳石にも剥がれたりしません。タイヤ交換で剥がれを心配いりません。
          またマグホイールの保護にも適しており、塗装下地に粉塗装し、その上にウレタン塗装を
          施す方法もあります。
Bスプリング … 塗膜が丈夫でしなやかなのショックのスプリングのカラーリング変更にも使えます。
Cその他  … 錆びやすいヘッドライトケースやメーターケース、スポークホイールのハブなど
          さまざま個所に応用できます。

 しかし優れた粉体塗装にもデメリットはあります。ウレタン塗装などに比べ色数も少なくタンクやカウル等の
塗り分けの多い外装などの塗装には向きません。
また、厚い塗装により放熱性能はよくないため空冷エンジンのシリンダブロックなどには不向きです。
高熱で解け落ちたりすることはありませんが、塗膜が柔らかくなる場合があるようです。

W.パウダーコーティングカトーでのサービス

 粉体塗装暦30年以上のパウダーコーティングカトーではバイクの塗装のノウハウが豊富で
安心して塗装をお願いできます。粉体塗装の下地作りのサンドブラストはもちろん、傷等の
補修も専用パテで修正できます。(深さ1〜2mm程度まで可能、あまりパテ盛りすると塗料が乗りが悪くなるため)
また、ネジ穴やパッキング面などのマスキング面の保護にも十分配慮しています。

X.色とつやの種類について

 従来、色数が少なく塗装設備的に色替えが難しかった粉体塗装も近年では色数も豊富になりました。
常時20色以上の在庫に加え、その他カラーも相談にのってもらえます。
 つやの種類は4種に分けられます。同じ黒でもつやの種類によってさまざまパーツに応用できます。

つやの種類  GPzにおける塗装例

つや有り

フレームやカウルステー・センタースタンドなど。錆に強いので最適。
エンジンカバー類(パルシング、ゼネレータ、クラッチ等)
今回サイレンサーも塗装してみました。

5分つや消し(半つや)

サイドグリップの場合、荷掛けフックの傷や剥がれの心配がありません。

7分つや消し

ホイールは艶を押さえた7分で仕上げてみました。もちろん艶有りに
するとダイマグ風に仕上がります。

つや消し

セルモーターカバー等つや消しパーツに