エンジンオーバーホール(分解編)

 空冷GPzも初期型のA1が発売されて以来もう20年になります。
現存してる車輌は過去にオーバーホールの1回くらいは行っているでしょう。
(私のGPzも腰上は開けた形跡がありますが…)
エンジンの程度は外観からの判断は難しく、正直言って開けて見なければ分かりません。
メタルの社外ガスケットを使ってある車輌は排気量アップ等、何らかの手が加えられていると疑っていいでしょう。
またGPzでもオイルの漏れ・にじみは多く対策のため、ガスケット・ベースパッキングが交換してある場合も多いようです。

 近年GPzオーナーの多くがオイル漏れに悩まされているの実情です。(私も含めて…)
オイル漏れを完璧に直し、エンジンを完調な状態に戻すにはフルオーバーホールしかありません。
レストアの中でも最も時間とコストがかかりますが、GPz復活のためには仕方ありません。

@持ち込まれたGPz750ここから全部ばらします。Aマフラー、外装等を外した状態、オイルも抜いてオイルクーラーを外します。Bキャブ、電装系、ヘッドカバー、チェーン等を外します。エンジンに繋がってる物は全て外し、フレームからエンジンを降せる状態にします。またエンジンがフレームに載っている状態でバルブタイミングを確認しておきます。C二人がかりでエンジンを降ろします。GPz750の場合、フロントのエンジンブラッケットが両側外れ、Z系に比べフレームとのクリアランスが広いので比較的楽に降ろせます。GPz1100よりもエンジンはひとまわり小さく軽量です。

DEエンジンを降ろした状態。カムの状態・傷を確認します。一応カムはノーマル純正でした。シリンダーヘッドの状態もさほど悪くはないようです。
Fヘッドを外し、フィンの破損に注意しながらシリンダーブロックをプラスチックハンマーで叩きます。
Gスタッドボルトに付着した砂をあまりケースに落とさないように慎重にシリンダーブロックを抜き取ります。(今回はクランクケースも割るのであまり神経質になる必要はないですが…)

Hピストンをコンロッドから引き抜いて外します。これでクランクケースを割ることができます。IZ650系エンジンはプライマリーチェーン、セカンダリーシャフトのギアを外さないと上下のクランクケースが分割できません。今回センカンダリシャフトの固定ナットが異常に硬く外すのが大変でした。
Jようやくクランクケースを上下に分割することができました。ミッション・クランクをケースから外します。K取り外したクランクシャフト。鋳造一体成型クランクのGPz(上)に比べ巨大なZTの組立式クランク(下)さすがに重量も全然違います。クランクはバランス取り・芯出しに出します。

L圧縮漏れのため側面が汚れたピストン。ピストンリング、オイルリングとも以前のOHでは交換していないようです。Mスリーブに残っている傷。このエンジンはしばらく動かさずに放置されていためピストンが錆びてしまいスリーブに傷跡が残っています。この状態で再びエンジンを動かし続ければ傷はひどくなりオイル上がりが生じます。走れば走る程調子が悪くなるのにはこんな原因もあります。NOガスケット類を剥がしてやっと単体に、このエンジンもオイル漏れがひどかったのか、液体ガスケットが多用してありました。完全にバラバラなったパーツは(加工編)に続きます。

〔分解結果〕
 バラしたエンジンのピストン、カム等は純正でしたが、クラッチはバーネットが組まれていました。社外ピストン等に変更されておらず、クラッチ以外はストックだったので安心しました。前回のオーバーホールでは腰上のみでガスケット交換くらいしか行っていないようです。減り気味かと思われたピストン・シリンダーも計測するとさほど減ってはいませんでした。

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