急性肝炎について

 肝炎とは肝臓のなかで何らかの原因で炎症が起こり、急性期で治る場合とこじれて慢性になってしまう場合があります。肝臓の場合は慢性化することが多く、特に進行すると肝硬変から悪性腫瘍ができてしまうと言う点が困った問題です。
 肝炎は血液検査のなかでGOTやGPTといった数値が異常を示すことから診断されます。肝炎と少し離れますが、検査値が異常を示し炎症を伴わない肝臓病の代表は脂肪肝です。最近の日本人は栄養過多で肥満の人が多く、糖尿病・高脂血症・痛風などとともに健康診断で最も多く診断されます。脂肪肝は肝細胞に過度に脂肪が蓄積して細胞が壊されて検査値が高くなります。運動や食事療法で改善しますので、怖い病気ではありませんが、他の慢性疾患との区別が必要です。これには腹部超音波(エコー)検査が最も有効です。
 倦怠感・食欲不振・黄疸などで病院を受診し、血液検査をするとGOTやGPTが100以上となる場合は、肝臓が原因の可能性を考えて原因ウイルスの区別やエコーなどの精密検査が必要となります。急性肝炎は、胆管結石(通常痛みを伴います)を除くと、ウイルスが原因のことが多く、A〜F型などが発見されています。D〜F型は稀です。
 A型ウイルスによる感染は以前は流行性肝炎と呼ばれていましたが、ごく稀に劇性肝炎を起こしますが、大半は入院安静にて徐々に肝機能は改善し再発することはありません。原因は食事からの感染で、東南アジアなどの旅行の際の生水や国内では生の魚介類の摂取などによることが報告されています。
 B型肝炎ウイルスは、成人の感染に関しては、A型と同じように稀に劇症化しますが大半は治ります。困ったのは生まれる前後に感染しキャリア状態の人から発病することがあります。この場合は、肝機能が改善してても慢性肝炎に進行することがあります。大人の感染原因は血液介するものまたは性感染症の一つとなっています。新婚旅行の帰りに成田で黄疸が出て自宅に帰る前に入院してしまうというケースもあります。医療関係者など血液に触れる可能性のある人のためにはワクチンができています。
 C型肝炎は、B型と同様な経緯で感染しますが、慢性化しやすいのが特徴です。まだワクチンができていません。B型とC型肝炎は以前は輸血後に肝障害を起こす血清肝炎と呼ばれていましたが、現在では感染血液は使用されず新規の発生はほとんどありません。
 急性ウイルス性肝炎では初期の診断が大切であり、劇症化や慢性化を防ぐためにも、無理をせず入院して治療することが肝要となります。

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平成14年1月広報掲載