裏「白い影」感想文
こちらは「白い影」の裏感想文と称したものです(~_~;)。
一応ラストを知らない人用のために、原作・田宮さんバージョンを絡めた感想を書くのに、表と分けたんですが。
われながらようやったな〜と・・・。
とりあえず、原作のネタバレは困るという人がもしもいたら、と思いまして、
一応、表の感想文とそのまま分けて掲載します。
上の「困る人」に該当する方は、表ページにどうぞお戻りくださいませ。
さて。では、ここからネタバレ感想文、いかせていただきます。
都合により、第2話からという、なんとも変則なものとなっておりますが(~_~;)。
第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話 第8話 第9話 最終話
はい、いきなりぶっちゃけましょう。
直江庸介は不治の病です。最後は死を迎えます。
ただし、病状が悪化して死ぬのではなく、故郷・北海道の湖に身を投げて、自ら死を選ぶのです。前作のわずかな記憶と、原作から私が抱いた直江先生のイメージは、「近寄りがたい崇高さ」でした。
他人に対してだけでなく、自分の死さえも、どこか突き放して見つめているような、そんな気がしました。
正直、あまり好きにはなれなかったなあ。女性を「子供を産んでくれる人」と考えてるのが表に出ているみたいで。
いや、もちろん、それだけじゃないとは思うんですよ。医療に対するスタンスとかは、すごく考えさせられますし。
ただ、特に原作の直江はねえ・・・。渡辺さんの小説は、かなり色っぽいし(~_~;)。第2話は、直江先生が末期癌患者である石倉さんに死期が迫る自分の姿を投影する、大事なエピソードが登場します。
それをどう見せてくれるのか、とても興味深く放映を待っていました。
あの手術前の直江先生が倫子に語った一連の台詞。実は原作、そして確か前作でも、小橋先生に向かっての言葉でした。
それがああいう形になったということで、なんだか平成の「白い影」が見えてきたような気がします。まず直江先生と倫子を、初めからの恋人同士にしなかったこと。
倫子がなぜ直江庸介という人間に惹かれ、直江が倫子に何を求めたのか。
制作スタッフさん達は、原作とアレンジして、そこを深く掘り下げたいと考えているんでしょうね。
だから、第2話目にして、直江庸介を「冷たい」というイメージではなく、「守ってあげたい」キャラにしようとしてるのでは?
年齢設定が下がった分、倫子の性格も少し幼くなっています。ちょっぴり喜怒哀楽が激しくて、より純粋で。そう、この「純粋さ」がポイントなのではないでしょうか。平成の「白い影」は、「純粋な悲恋」なのでは?
純粋だからこそ、倫子は直江の中にある、どこか儚げなものに惹かれてしまう。
だからこそ、直江には冷たさではなく、「弱さ・もろさ・切なさ」の表現を要求される。
そう捉えてしまうのは、うがちすぎでしょうか。そこで、憂いを湛えた表情を中居クンに表現させてのあのセリフです。
小橋先生ではなく、倫子に向かって死への恐怖を語らせることで、今後の悲恋を盛り上げようとしてるんじゃないかな。
この辺り、脚本の龍居さん、うまいよねえ。さすが泣かせる恋愛を描かせたらピカイチの脚本家さんです。原作の直江の病気は、骨髄性の腫瘍でした。
今まで登場したレントゲン写真が腰部のものだったこと、そして今回、腰を押さえて苦しむ場面があったことなどから、
たぶん、今回も骨髄系の病気なんだと思います。
現在の医療では、場合によってはドナーからの骨髄提供で治療可能な場合もありますが、
やはり、いわゆる内臓系の癌よりも深刻な病気であるようです。
この痛みは、かなりキツいらしいですよ。だからこそ、原作での直江は痛み止めに麻薬を使うのですが・・・。あ。原作通りなら中居クン、また麻薬に手を出す役だ・・・(用途・目的は全然ちがいますが)。
第3話は、「あの」女優さん絡みのお話なんですな。入院理由はさすがに違うみたい。時代性ですね。
今回登場した宇佐美繭子さんって、原作では「花城純子」でした。さすがに古くさいネーミングってことですか(~_~;)。
それに、入院理由も「堕胎」。こりゃ、アレンジしないわけにゃいかんわな。
も一つ加えると、この女優さん、病室に男は引っ張り込むはクスリはやるは、無茶苦茶です。
どういう風になるんだろうと心配していたら、うまく話に膨らみを持たせるキャラにしていましたね。その結果、直江先生の人間味が増したように思います。
「(外出の)許可をする、しないは関係ありません。私は正直に無理だと言っているだけです」。
原作だと直江先生の態度は何考えてんだか分かんないや、と首ひねっちゃいましたが、
今回のドラマで出てきたこの言葉の意味が、深くなりましたよねえ。
裏を読めば、命の危険を冒してでも女優としての意地をとるなら、それならそれでかまわないってわけですから。反面、小橋先生との言い争いがもう一つ迫力にかけたような・・・。
だって、戸田次郎がああでしょ。小橋先生の言葉に、感情移入しにくいんだもん。
原作では、マスコミの策略にひっかかっちゃって、秘密をばらしちゃうのは小橋先生でした。
ただ、これは確かに小橋先生は軽率ではありましたが、マスコミの方が一枚上だったわけで。
次郎は明らかに、「直江を困らせちゃえ」ってだけで情報売っちゃったんですもんねえ。
人間としての生き方を見れば、繭子さんの肩を持ちたくなっちゃうよなあ。予告で小橋先生が怒っていたのは誰に対してなのでしょう。
予想もつかないような対応をした(それが何かはわかりませんが)直江先生なのか、
情報を漏らしたのがバレちゃった次郎に対してなのか。
次郎の方が小橋先生の怒りは大きいでしょうね。裏切られたわけですから。
それとも、直江先生の病気に関して、一段階進むのでしょうか。
内緒で自分のレントゲン撮ってたことが、小橋先生に分かっちゃうのかも知れませんね。なんかね、原作とは年齢どころか他の人物との関係自体一番変わってしまった小橋先生を、
果たしてどう見せてくれるのか、どうしても気になるんですよ。
上川さんがお上手な役者さんだから余計にね。直江と倫子の関係、もう少し近くなるかなあと思ってたんですが・・・。
ま、爆弾抱えた直江にしてみれば、近づきたいけど抑えなきゃ、と慎重になるのは当たり前か。
あんまり都合良く二人が分かり合える、というよりは、じっくり時間をかけて描いてくれる方がいいかもね。
意識しちゃってんのはバレバレなのに、意地張っちゃってる直江先生をみてると、
微笑ましさまで感じてしまう。なんせ原作では・・・手当たり次第ですから(~_~;)。
中居クンがやってるから余計なのかな。だとすると、ちょっと申し訳ない見方なのかも。
★あられさんより、感想文をいただきました(^^)。ありがとうございますぅ。
あられさんは、こちらのHPで、表感想文を公開してらっしゃいます。ぜひ行ってみてくださいね。
第3話まで見て、原作の影がだいぶ薄れてきましたね。やっぱり別物と思った方が。まあ、原作に感動しましたって人もいるみたいですけど。 第3話で気になったのが、「川」。原作では、直江は湖に沈むのだけど、流れのない湖と海へ流れていく川との違いが、原作とドラマの違いかなあって思いました。
はっきりいうと、原作の直江って理解できなくて。倫子を愛していたのか子供が欲しかっただけなのか。私には”誰でも良かった”としか思えないんだけど、愛してたって事なのかな?わかんないなあ〜。あの時代、「男は黙って」が美徳だったんじゃないかな。女も黙ってついていく方が(男にとっては)理想とされて。だから、直江と倫子が一番わかりづらいんだけど、欲望のままに生きてる院長、院長夫人、院長愛人・・などのほうがずーっと生き生きしてるんですよね。
ドラマは、直江は一応原作のイメージを保っているけど、倫子は最初から全然違うし。だから、若い二人を主役にして、この”古くさい”原作をわざわざ今、ドラマ化するその意義っていうのを知りたくなっています。どう答えを出してくれるか楽しみですわん。
さてさて、この原作からかけ離れた戸田次郎のキャラクターをどう処理するかと思えば、やってくれちゃいましたね。
今回、全くと言っていいほどオリジナルのストーリー展開だったのに、
今までで一番見ごたえがあったという、妙な結果となりました(^_^;)。何より、気がかりだった直江&小橋の関係が、それぞれの長所と短所がはっきりして落ち着いてきたこと。
やっぱり、ドラマっていうのは1話ごとに進化していくものなんだなあと感じました。
そして、そういう基本的な作り方をしているスタッフさんたちに、改めて敬服します。一つ気になったのは、屋上で次郎の自殺をとめた時の直江先生の言葉。
「人間は、そう簡単には死ねねェんだよっ!!」っていうあれです。
表の方で書いたこととは別に、その言葉の意味そのものにもひっかかりました。
この言葉を叫んで、次郎の自殺を止めた彼が、なぜ最後に自殺という道を選ぶことになったのか。
彼が、ある意味ふっきれたのは、何がきっかけとなるのか。
石倉さんがちゃんと納得した死を迎えられるのかと同時に、
直江先生が、きちんと生に満足して死んでいくことができるのかも、このドラマの重要なポイントですよね。
次回以降は、そこのところに注目して見ていきたいと思います。直江と倫子の関係も、やはり中盤に差し掛かって様相が変わってきました。
ただ少し心配なのは、もしかして今回のドラマでは、
かなり早い段階で倫子が直江の病気を知ることになってしまうのでは・・・ということです。
原作では、直江の死後、彼が倫子にのこした遺書で、
初めて倫子も、そして読者も直江が抱えていた病のことを知ります。
私の希望としては、できれば今回も最後まではっきりさせて欲しくないなと思うのです。
そして新バージョンの倫子は、その後どういう道を進むかが知りたいな、と。ラストで直江が見せた泣き顔、あれを見た時に、漠然となんですが、
「ああ、このために中居正広を選んでくれたのかな」と思いました。
ファンの大、大ひいき目かも知れませんが、あの表情はまさしく中居クンの専売特許なんですもん。
少なくとも、田宮二郎さんにあの表情を要求するのは無理でしょう。
で、吾郎ちゃんの顔でもないですもんね。
原作バージョンの直江庸介が絶対に見せないあの切なさを、この後何度見ることができるんでしょうか。
(しかし、中居クンが切なげなほど喜んじゃうってのも、なんだかな・・・。我ながら妙なファン心理だわ)
★今回もあられさんから感想文をいただいてます。ありがとうございます(^^)。
前回登場の女優,宇佐美繭子。原作では,花城純子(ですよね?)という清純歌手。
やっぱり,原作の古臭いところの一つはこの”清純歌手”の設定でしょう。
いまどき,清純歌手のレッテルもないだろうし。お約束どおり清純とは名ばかりだしね。
しかし,ドラマは大人の女優になって生まれ変わりましたね。
名誉とプライドのために生きることに鬼のようになれる一個の人間。これを演じてる吉本多香美さんがうまいっ!
プライド,気高さ,執念・・・実在の女優でもこれを感じられる人が少なくなったと思いました。
直江の生への執着を呼び起こすのに十分すぎる存在でした。脚本の瀧居さんも見事です。
第2回の手術シーンのセリフ,「嘘の中に入っていく・・」は,原作を読んで最も印象に残った言葉でした。
しかし,今回はこれを上回るオリジナルのいいセリフがいっぱい。
「生きていくことに鬼のようになれる彼女を尊敬しますし、美しいとさえ感じます。」
また、石倉さんの「病気は初心に帰るようだ」もしかり。 そして,あの,ラストシーンも。
「なぜ戻ってきた・・・」
「先生が消えちゃいそうで・・」
きゃーっ!この後は・・もう言葉もありません。
こうやって,直江が倫子に涙を見せるのも原作にはありませんでしたよね。
原作と比較してみても,瀧居さんのストーリーと人物造型は遜色ないどころか,私はこっちが絶対好き!
原作者はドラマ見てるのかなあ?
直江先生と倫子に関しては、これぞ恋愛ドラマの中盤っ、というような展開で・・・(~_~;)。
原作では最初から恋人同士だった二人を、いったいいつくっつけるのかと思ってるんですが、
この具合だと、かなり最後の方まで引っ張りそうですなあ。以前、各取材のインタビューで中居クンはこんなこと言ってましたよね。
「今までは不完全な人間が全話を通して成長する役だったけど、今回は最初から完全な人間が少しずつ変化していく役」。
表でも書きましたが、第5話ではそんな直江先生の変化が如実に現れてきた回でした。原作の直江先生は、最初から最期まで変わりません。そう、死ぬ時まで。
ずっとずっと、直江庸介スタイルを突き通した人ですよね。
ラリッちゃって女の人とイチャイチャしまくる(表現、きついっすか(~_~;)?)時でさえ、
根本的な所は崩れてないなという気がするのです。
それを考えると、この新作「白い影」の方が、余計に悲しいですよねえ。
直江先生が、心の支えを見付けて、自分に欠けていたものを取り戻せた頃に、死を迎えることになるんですもん。
でも裏返してみれば、そのパズルの足りないピースをちゃんとはめ込むことができたからこそ、
直江先生は死んで行けるのかな、なんてことも思います。
そういう風に受け取れば、新作の彼の方が幸せ、なのかな・・・。ところで小夜子さんからもらっている薬は、「試験薬」とかいう言葉が出てきましたね。
さすがに麻薬じゃヤバイか。なんてったって、同じ局の「家族会議〜」で覚醒剤の恐怖を伝えた中居クンだもんね。
うん、お薬の影響半分のご乱行なんて、この新作直江先生には似合わない。倫子ちゃんを追い返した後、ベッドにへたり込む直江先生のバックに、一枚の写真が。
ああ、あれが「例の」支笏湖かと思うと、今からうるうるきてしまいます。
先週の「サムガ」で、「ドラマの最後の方で、ちょっと遠くに行く」ような事を言ってました。
てことは、やっぱりラストは・・・(T_T)。来週、石倉さんは絶命してしまうのでしょうか・・・。
しばらく、イタい回が続くかも知れませんね。
さあて。なんだか直江先生の病気のこと、すっかり明らかになってきちゃいましたね。
前作・原作を知らない人でも、「直江の死」というのはもう頭にこびりついちゃったことでしょう。結構表の方で語りまくってしまったので、どうしよっかなあと思いつつ、
やはり今回のメインゲスト、七瀬先生について。この人物像は深いです。原作には登場してませんよね。
奥さんを亡くしているということがセリフで説明されていました。この時の言葉がまた深い。
「思い出してやることが私の務めであり、幸せでもある」。
今、愛弟子をも死への旅にたたせようとしている七瀬さんは、果たして彼のことを思い出すのも幸せだと感じるのでしょうか。
なんだか、奥さんを亡くすよりもやりきれない思いでいっぱいのような気がします。
別れ際、直江に手を差し出し、震える声で「しっかりな」と言った七瀬さん。
「元気でな」とは言わなかった・・・否、言えなかった辛さはどれほどのものかと考えると、たまんないです。
勝手な予想ですが、この七瀬さん、物語のラストで原作のお姉さんの役割をするのでは、と思っています。
直江の死後、彼の生きてきた証を倫子に伝えるんじゃないかなって。あと、石倉さんとの一連のやりとりで、どうしても沸きあがった疑問点。
おそらく、直江先生は死に直面している石倉さんに、自分自身の姿も投影しているはずです。
だからこそ、石倉さんのことになるとなんだか人が変わったようになる(小橋先生談)。
ちゃんと死なせてあげたい、痰をつまらせた程度のことで死なせたくない。
「負けるなあっ!」と叫んだその言葉は、そのまま自分にも返ってくる言葉だったはずです。
そして七瀬さんの勧めを断って、最後まで医者であり続けたいと思うのも、石倉さんのためでしょう。そんな姿を見ていると、どうしても「自殺」という決着のつけ方は、直江先生には似合わないような気がするのです。
自分の病の経過を、こと細かくデータとして残している彼です。
最後の最後まで、病と向き合う生き方の方が、この新作「白い影」の直江先生にふさわしいように思えてなりません。
それとも・・・この先のストーリー展開で、そんな私の考えを覆すようなエピソードが出てくるのでしょうか。ところで、田宮さんと中居クンの比較ってあっちこっちでされてるけど、
山本陽子さんと竹内結子ちゃんの比較は見当たらないよなあ・・・。
とことん大人の女だった前作と、雰囲気的にどうなんでしょうね。
ただ、直江先生のキャラクターがああだから、必然的に倫子のキャラクターも変えざるを得ないとは思います。
受身のイメージが強い前作・原作とは違い、タンポポパワー炸裂の新作倫子ちゃん。
本人が言う通り、ちょっと「しつこい」とこあるけどね(~_~;)。7話の台本を読ませてもらった竹内まりやさんが、ボロボロに泣いたっておっしゃってたそうで・・・。
6話の間違いじゃないですよね。来週、これ以上泣かされるのかっ(;_;)。
石倉さんの死によって、一つの大きな山場を越した感のある第7話でした。
残り3話は、正に直江先生自身の死への向かい方が描かれるんでしょう。
うーん、この感想文もここまでくると、もう裏も表もなくなってきたかもだけど、
まだ奇跡があることに一縷の望みを抱いてる人もいるかもしれないしってことで・・・。石倉さんに「抱いてくれ」と言われ、ショックを受けて泣き付いてきた倫子に対する直江先生の言葉は、ちょっと怖かった。
「抱いてあげればいいじゃないか」「死ぬからだ」。
ほんとは直江先生もそうだから、倫子を抱いたって風にも受け取れるでしょ。
それって、倫子ちゃんのこと考えると辛いよね。
直江先生に惚れちゃってることもあって、言われたように石倉さんを抱きしめて戻ってきた倫子ちゃんを、
職場だってのに(~_~;)いとおしむ直江先生。
自分も倫子ちゃんのぬくもりにすがりたいのよね。「死ぬから」。ただ、直江先生の死があるから二人が結ばれた、とも考えたくないのね。
必ず、それ以上のことを描いて欲しいと思うのです。
悲恋は確かに美しいけど・・・女性の立場からみて、それだけじゃやっぱり寂しいから。石倉さんと直江先生の、最後のやりとりは感動的でした。
「外はあったかいのかい?」「ええ」。
ほんとはタンポポはビュンビュンいってる夜風にさらされていたのに。
石倉さんはそれもちゃんと分かってて聞いて、直江先生も石倉さんが気付いていることを承知の上でそう答えたのかも。
石倉さんが渡したハーモニカを返したのも、直江先生の「最後の嘘」なんでしょう。
あそこで受け取ってしまえば、石倉さんの死を肯定してしまうことになるんだもん。対照的に、石倉さんの死後奥さんが渡したハーモニカを、片付けられたベッドに置いたのは違う意味だと思います。
つまり、あのハーモニカを託されても、既に自分にも残された時間は少ないからだろうなと。
あそこには倫子ちゃんがいました。直江先生が石倉さんの想いを次に託すのは、彼女なんですね。改めて考えると、中居クンってドラマで死ぬ役は初めて? 他のメンバーは全員経験済みですよね、確か。
木村君は「眠れる森」があったし、「若者のすべて」もそうだったかな。ドラマじゃないけど「シュート!」もそう。
吾郎ちゃんは懐かしの「二十歳の約束」「嘘でもいいから」。
剛君は伝説の「僕×僕」に「沙粧妙子SP」、慎吾君はレギュラーでやってた「沙粧妙子最後の事件」。
中居クン、きれいな死に方して欲しいよなあ・・・。
公式HPでいかりやさんが「こんなに心地よく逝かせていただいたのは初めてです」とおっしゃってるのを読んで、
つくづくそう思いましたねえ。次週予告を見ると、なんだか三樹子さんや小橋先生が直江先生の病気のこと、知ってしまうようですね。
そして、直江先生の部屋のクローゼットを探っている倫子ちゃん・・・。
この辺りの描き方は原作と全然違うものになってます。
「最後まで医者でいたい」という直江先生の願いと、反対の方向に事が進んでしまう感じです。
まだ分かんないけど、それが自殺に繋がるのかな?
直江先生の病名も明らかになってしまいました。やはり骨髄腫なんですね。
そして決して専門医ではない小橋先生がレントゲンを見ただけでも、既に「長くはない・・・」と判断がつく状態であることも。最後の最後まで自分の病を隠し通し、一人で湖の底へと沈んでいった原作の直江庸介。
計らずも周囲の人間に病を知られ、「死の形」を作るのにあえぐ中居版直江庸介。
こういう展開になってくると、どちらがどちらというのはもう主観的な好みの問題ですね。じゃ私はどうなんだと言われると、少し分からなくなってきている状態です。
原作の直江は、それこそ自分の弱さを見せない点で確かに完成してしまった人間でした。
中居クンはインタビューで「直江は初めから完成されている人間」と評しましたが、
正直、人間として完成しているかというと、首をひねってしまいます。
うーん、タイプでいうなら上川さん演じるところの小橋先生なんだけど(爆)。今回、偶発的なことで直江先生の病気がバレてしまいました。
「最後まで医者でいたい」という彼の願いとはうらはらに、次回・最終回と事が運んでいってしまいそうな気配です。
でもたとえバレなくても、そう遠くない将来にはどう頑張っても医者ではいられない状態になる。
いずれ症状が進めば、勤務につくどころか立つことさえもできなくなりますから。
側にいたいと思う限り、いずれは倫子ちゃんにも気付かれる時がくる。
原作・田宮版直江は、それを厭ったことも自殺という形をとった理由のはずです。七瀬さんがいう通り、どちらの直江先生も「医者でありすぎる人間」なのかもしれません。
「医者も病気になります」と言いながら、まるで自分とは切り離すように症状のデータをとっている。
そしてその行為そのもので、自分に死を納得させようとしているように見えます。ただ、中居版直江先生は、孤独を許されません。
彼を心から愛している三樹子さんは、何が起こるのか分かりませんが大怪我をしても直江先生のことを案じている様子。
それを知った行田院長も、おそらくなんらかの行動に出るはずです。
小橋先生は、年に関係なく医者としては尊敬している直江先生のために、精一杯の手を尽くそうと考える。
石倉さんの件で、あらゆる手を尽くそうとしてきた直江先生自身の姿を見ているから余計でしょう。
でもたぶん、直江先生は自分が望む死の形のために、全てを拒絶してしまいそうな気がします。唯一、彼が受け入れられるのはやっぱり倫子ちゃん。
個人的には、彼女は最後まで直江先生の病気を知らずにいて欲しい、と以前にも書きましたが、
原作と違ってこういう話になったからには、知らずにいる方が難しいでしょうね。
その時がきたら、そりゃあショックでどうしようもなくなるだろうけれど、
倫子ちゃんだけは直江の望みをかなえてあげられるような存在になって欲しいと思います。
直江先生の考え方が間違ってるとかいないとか、そんな次元を越えた支え方ができるのが、彼女なんだから。ともあれ、直江先生は原作通り、支笏湖に消えるんでしょうねぇ・・・。
じゃなかったら・・・寒い中、中居クンが錘付けられて水槽に沈められた意味がない(~_~;)。
はあ。なんてこった、直江先生、人気者じゃん・・・。
原作と違い、周囲の人間が彼の病を知ってしまったらどうなるか、それがポイントの第9話でした。
蓋を開けてみると、みんながみんな直江先生を大切に思ってるんだもんなあ。「どんなに孤独な(というより、孤独になろうとしている)人間でも、一人で生きてる訳じゃない」
それが今回の「白い影」の狙いだったんでしょうか、スタッフの皆様?
どれだけ他人をはねつけようとも、その人のために何かしたいと皆が思えるように惹き付けるものを持っている。
そういう直江庸介像を作り上げたかったんでしょうか?
それなら、その直江に中居正広を選んでくれてほんとにありがとうございます、と言いたいです。
(これって、公式BBSに書くべきですね・・・でも最終回が終るまではあちらへの書き込み控えるつもりなんです)でも直江庸介本人にとっては、これは歓迎できない事態なんですよね。
たのむから、自分を医者のまま死なせて欲しいって。
あと一本しかないフロノス、手術もまともにはできない体・・・どんどん追い込まれてしまってます。原作の直江が自殺した時、なんて勝手な奴なんだろうと思いました。
やりたいことをやって、女の人とやりたいだけやって(ごめん、言い方キツくて・・・)、
結局倫子を始め周りの人に何の説明もなく、一人で死んで。
ただ、これだけ自分の生き方を貫けたなら、それはそれで幸せな奴なのかな、とも思いました。中居版直江庸介は、幸せなのかな?
このまま、自分を支えようとしてくれる人を振り切って、どうしようもなくなって北海道に逃げ場所を求めてる。
その逃げ場所が、結局死に場所になりそうなんだけど・・・。
助けてあげたいと思ってくれる人が、周りにこんなにたくさんいる。
その分、今回の直江先生は幸せかも、と思ってたけど、反対にそれが足枷になっちゃってる。
心から、本当に自分で納得して死を選ぶ。
どうか、そんなラストを迎えて欲しいと思います。もうこれは、懇願です。そのためには、北海道での倫子ちゃんとの時間が大きくものを言いそうな気がします。
大好きな彼女と一緒に、大好きな故郷で何を手に入れるのかなあ。
この物語では川が全体的な大きなモチーフとなっています。
例えるならば、直江先生にとっては倫子ちゃんは川そのものなんでしょうね。
そのおおらかな流れに身をゆだねて、直江先生はどこへ運ばれていくんでしょう。最終回、もうドキドキしてます。
直江先生が納得するなら、見ている私達も納得できます。
一人の人間の死に方、とくと拝見したいものです。
あーっ、でも正直怖いよおっ。いざ来週になれば、そんな「とくと拝見」なんて落ち着いて見れるわきゃねーって(爆)。
中居版「白い影」も、今回をもって無事終了しました。
原作や田宮二郎さんの強烈なイメージを背負って(中居クンは前作のドラマ、敢えて見なかったそうですが)、
それでも見事に昇華させたスタッフ・キャスト・関係者の皆様に、拍手を送りたいと思います。原作の直江庸介は、手紙という形で倫子に思いを伝えます。
ただ、その内容は、「関係した女性達の全てが、自分の種を宿して欲しい」だの、
「君だけは僕の死後も子供を産んでくれると思った」だの。
それまでとても厳かで神々しささえ放っていた直江庸介が、途端にただの男になった気がしたものです。たぶん最後は原作通り、直江先生は入水自殺して倫子ちゃんになんらかのメッセージを残すんだろうなと思いつつ、
原作にあったこうした言葉は、絶対出てきて欲しくなかった。
だから、「いつか愛する人との間に子供が生まれたら、心から祝福を贈りたい」という言葉は、すっごく嬉しかったです。
これは・・・男性である原作者と、女性である今回の脚本家という差なのかな、と思ってもみたり。
原作の倫子は、言い方が悪いのを承知で書きますが、最後まで直江庸介にとって「都合のいい女」でした。
男って、多かれ少なかれ、女性に対してそうであって欲しいという願望があるんだと思う。
一方中居版直江は、死んじゃってからではあったけれど、女性が男性に言ってもらいたい言葉をかけてくれた。
女性から見た理想像なんですよね。倫子ちゃんへのメッセージが、手紙ではなくビデオ・レターだったことはびっくりしました。
なんか、直江先生には手紙の方が似合うように感じたから。
でも、倫子ちゃんのことを心からいとおしく思ったからこそ、敢えて苦手な手段を使って、
言葉で、仕種で、ありのままの表情できちんと伝えたかったのね。
そういう所も、今回の直江庸介の特徴だったんじゃないかなあ。「せつないけど・・・ハッピーエンドかな」。最終回直前の番宣で、中居クンはそう言ったそうです。
確かにその通りでした。「甘い」と言われようが何と言われようが、主人公の二人が幸せになれて良かった。
二人が湖のほとりで寄りそう姿がラスト・ショットだったことからしても、これは紛れもなくハッピーエンドでしょう。原作・前作は辛い場面で終ります。
原作では、倫子が病院の手術室の無影燈の下で、
まだ現実を受け止め切れずに直江先生の残像を探すかのように、ただうずくまるところで終っているし、
私の記憶では、前作の田宮版では、倫子はショックでせっかく身ごもった赤ちゃんを流産してしまいます。
それはそれで、一つのラブ・ストーリーの形なのだとは思うけれど。やはり、恋人達には幸せになって欲しいですもんね。
直江庸介という人間が生きて、医者という職業をまっとうして、そして志村倫子という一人の女性を愛した。
その軌跡が短いながらも、周囲の人達に何かを残したその証をきっちり描いてくれたことに、満足感がいっぱいです。何十年かたって。倫子ちゃんも「あちら」の世界に行った時には・・・。
そっと佇む直江先生の姿を見つけて、笑顔で駆け寄りながらこんなことを言うのかなって。
「すいませぇん、ちょっと遅くなっちゃって・・・。
あ、でも。先生もずいぶんずるいじゃないですかあ、いーっぱい約束破っちゃってくれて。
いいですか、これからう〜んと埋め合せしてもらいますからね。覚悟しといて下さいっ」
で、直江先生はというと、短く「ん」とだけ答えて、あったかく微笑みながら黙って倫子ちゃんの手をそっと握るんだろーな。・・・なあんて、そんな少女マンガも真っ青のシーンが浮かんでしまうくらい、ピュアなドラマでした。
この「裏感想文」では、私なりに原作・前作と比較したり、
それぞれのバージョンの解釈(ってほどじゃないけど・・・)を試みたりしてきました。
ずいぶん一人よがりな受け止め方をしたところもあったと思います。
表と裏、長々と冗長な文章を両方ともここまで読んで下さった皆さん、ありがとうございました。
良かったら、また感想聞かせてくださいね。