回答:
ここ数年、年明けとともに前年のベストそれにワースト作品の私なりの一覧を作ってきました。そして、今年のぶんはというと、おそらく歴代でもっとも不完全なものになってしまったと思っています。
当の日本でさえ、今年はANIMEが大量すぎると不平の声が挙がっていると聞いています。実際、今年はあまりにたくさんのANIMEが作られたため、全てを追いかけるのはもはや不可能に近いという有様です。すべてに目を通すなど事実上不可能なのです。
時勢に遅れたくないという単純な理由ゆえに、私はできるだけたくさんの作品を視聴するように心がけ努力してきました。そのモットーは今回の一覧についてもそうで、今年は約100本のTVシリーズが日本では放映されましたが、そのうちの概ね75本については最低限一話ぶんを視聴しています。
言うまでもないことですが、シリーズのうちたったの一話ぶんを観たことがあるからといって、それで作品そのものの良し悪しを断定することはできません。しかし、私なりの経験それに知識に基づいて、乏しい視聴体験より各作品について感じたところを述べていくのも悪くないことだと思っています。
今回の狙いはそれです。あくまで私なりの判断によるものですので、そういう曖昧なものとして受け取ってください。このセレクトが面白く、それにガイドとして有益なものとして読んでもらえることを今は希望するのみです。
今年一年で実に多くの新作が作られ、そのかなりに目を通し、そして非常に楽しめるものがたくさんあったのですが、それでも『エルフェンリート』と『げんしけん』についてはここでは外すことにします。この2本は私にとって今年最高のお気に入りではありましたが、イコール最高に優れた作品であったとは呼びにくいからです。
今回挙げていく作品たちは、映画としてアートとして、そして文学性において最も優れたものと思われる2004年度作品を私なりに選んだものです。日本での初登場順にいきましょう。
続編ものを選出することにはいつもためらってしまいます。たいていの場合、前作について知っていないと観ていて分かりづらいものだからです。そんなわけで新作として扱うつもりはないのですが、それでもここで挙げておかなくてはと思うものが二つあります。
『十兵衛ちゃん2 〜シベリア柳生の逆襲〜』がひとつめです。この素晴らしくノリの良いアクション・コメディは前シリーズが期待に反した出来だったの対し、今回は期待を裏切らない面白さでした。旧シリーズはそこそこ燃えてそこそこ笑える程度の番組でしたが、新シリーズはというと非常に燃えて非常に笑えるだけでなく、そのほかの点でも前作を凌ぐ出来栄えでした。情感豊かで感動的な心揺さぶられるドラマの域にまで達したこの番組は、前作ではそこまでたどり着くことは遂になかったのです。
アクション場面は格好良く、息を飲むそのスピーディーさとともに映像的創造性が光っていました。前作ではとうてい望み得なかった高みにまで足を踏み入れたと言えます。とにかくノリの良い娯楽作品でしたが、シリアスすぎてもいないしお馬鹿にもすぎないというバランスぶりが絶品でした。アクションコメディものとしてはこれ以上はないという完成度だと思います。
『マリア様がみてる』の繊細さ、みずみずしさあふれる画像、それに多様な声優の配役ぶりには驚かされました。厳格な寄宿制学園を舞台にした少女たちのやりとりが主題のこの番組は、シンプルな物語ながらも第一シリーズそれに第二シリーズを通して非常に心奪われる作品でした。優雅で洗練された雰囲気があり、TV受像機の中に私たち視聴者を惹きこみ、本当にリリアン女学院の中にいて彼女らを見守っているような気分にさせられます。
すべてのANIMEであれだけの雰囲気や舞台を用意できるというものではありません。これだけのものを効果的に、しかもごくさりげなくかもしだすのは並大抵のことではありません。しかしながら、『マリみて』はどの話も素晴らしく、わずらわしい現実世界より視聴者を美しく気品あふるる世界へ一時いざなってくれます。
鋭敏な視聴者であれば、素晴らしく描きこまれた作画にも目がいくと思います。木の葉の落ちていくところから、服や髪のなびく様子まで、制作陣がその能力を振り絞って動きをなめらかで軽やかなものにすべく努力していることがうかがえます。とにかく派手さが売りになりがちな昨今のANIMEに食傷気味の向きにはお勧めの一品です。
(つづく。今回のものは非常に長いので訳は数回に分けて掲載)
|