Ask John
ANIMEで同性愛が扱われるのは日本がホモセクシャルには寛容な国だからですか
Can You Provide Background on Homosexuality in Anime?
2000年8月15日

質問:

私はANIME、MANGAのファンで、同性愛者でもあります。『少女革命ウテナ』を筆頭に、日本製作品ではゲイやレズが美しく描かれていることには感銘を受けます。これは日本は同性愛については米国よりも寛容だからなのか、それとも作り手たちにとってあまりタブーの主題ではないからでしょうか。同性愛者を扱った作品にはどんなものがあるのか、それから同性愛を描いた最初のANIMEといえばどういう作品なのでしょうか。
回答:

日本の文化について専門に研究しているわけではなく、ましてやホモセクシャルやそういう人たちの世界についてはよく知らないのですが、ANIMEについて私が知っている事柄それに『ピンク・サムライ 現代日本の結婚と性』(ニコラス・ボーノフ著 2004年6月現在で邦訳なし)という研究書からの知識に基づいて言わせてもらうと、日本でも同性愛は広く受け入れられてはおらず、ただ否定されているというわけでもないようです。日本ではいわゆる「訊かざる言わざる」の精神によって、どういう性的性癖にたいしても社会的に弾圧されることはまずありません。日本では個々の人間がどういう振る舞いをしようと、それがあくまでその個人にのみとどまるか、ナイトクラブのように多少の逸脱行為も容認されるような場所であるならば問題にはされません。


’70年代に作られた『ベルサイユのばら』に典型されるように、女性でありながら男性として育てられたというヒロインのANIMEが何本かあります。ただ、この場合はあくまで男の服を着て男として振舞うというだけで、ホモセクシャルというわけではありません。


確認できるところでは、同性愛もののANIMEの第一号は18禁ビデオ『くりぃむレモン』の第1巻(’84年)に収録されている第2話『エスカレーション〜今夜はハード・コア〜』のようです(訳註1、2)。レズビアンの性交が描かれた最初のANIMEです。奇妙なことに、いわゆる「やおい」と呼ばれるゲイの恋愛ものはそれでひとつのジャンルを形作るほどよく知られていますが、逆にレズものの「ゆり」ANIMEはというと、ジャンルと呼べるほど興盛しているわけでもないようです。


これはおそらくANIMEの過半数が男性用であることによると思われます。ただ、18禁もののほぼすべての作品にはレズ描写が挿まれています。例えばビデオの『嘆きの健康優良児』シリーズはレズの性交が頻繁に登場します。質問でも触れられているように、『ウテナ』でもTVと映画の両方でレズの恋愛が平然と描かれます。『セーラームーン』のセーラー・ウラヌスとセーラー・ネプチューンはレズ関係ではないかとANIMEファンにはよく噂されます。『不思議の国のみゆきちゃん』も、もともとはゆりANIMEではないものの、露骨にレズをあてこする描写があります。


やおいANIMEはあまり米国では発売されていないものの、それでも『アーシアン』『絆』『Fake』の3本は英語版が発売されており、やおいというものの存在は米国でも知られています。『ブロンズ』『風と木の詩』『おさかなは雨のなか』などのビデオ作品は米国では発売されていないものの、ファン達の自主制作による非公式の字幕版が配布されており、米国のANIMEファンのあいだでも視聴されています。同性愛もののANIMEについて詳しく知りたい方には、以下のサイトが役に立つと思われます。
Josei Ni: A Resource and Guide to Homosexuality, Bisexuality and Transgenderism
Aestheticism.com.


訳註1: 『パタリロ!』('82-'83年)がおそらく第一号。基本的にはギャグものとはいえ、前期シリーズは木曜夜7時、後期の『ぼくパタリロ!』は土曜の夜7時半で堂々と放映されていた!

訳註2: ロリコンANIME『くりぃむレモン』の発売予定はありますか」参照。

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