ジュネーブ諸条約
この部の目次
1.ジュネーブ諸条約とは
2.第一、第二条約の解説
3.第三条約の解説
4.第四条約、及び追加議定書の解説
5.まとめ
1.ジュネーブ諸条約とは
この部では、ジュネーブ諸条約を解説します。
ジュネーブ諸条約は、戦争犠牲者保護条約、或いは赤十字諸条約ともいわれ、次の4つの条約と2つの追加議定書からなります。
・戦地にある軍隊の傷者及び病者の状態の改善に関する条約(第一条約)
・海上にある軍隊の傷者、病者及び難船者の状態の改善に関する条約(第二条約)
・捕虜の待遇に関する条約(第三条約)
・戦時における文民の保護に関する条約(第四条約)
・国際的武力紛争の犠牲者の保護に関する追加議定書(第一議定書)
・非国際的武力紛争の犠牲者の保護に関する追加議定書(第二議定書)
これらの条約は1949年に締結されたものです(追加議定書は1977年)。
第一条約は、1864年に締結された『赤十字条約』を発展させたものです。第二条約は1899年の『ジュネーブ条約の原則を海戦に応用する条約』を改訂したものであり、第三、第四条約はハーグ陸戦規則にある条文を独立させたものになります。
また追加議定書は、ジュネーブ諸条約が持っていた欠点を補い、新兵器や新戦略に対応できるように作られました。
それでは、条約の内容をみていきます。
2.第一、第二条約の解説
最初の二つの条約は、陸上と海上の違いがあるだけで、内容的にはほとんど同じ様なものなので、同時に説明します。
・総則
ジュネーブ諸条約の締結国はこの法を尊重し、全ての戦争に対して、この条約が適用されますよ、という事が書かれています。内戦に対しても最低限の人権は守られなくてはなりません。更に戦争に関ってない中立国も、この法に沿って行動し、負傷者を保護しなくてはなりません。そして保護される人がその権利を「放棄」する事はできないのです。
また条約が守られている事を監視する為、利益保護国に広い範囲の任務を与えています。国同士で特別協定を結ぶ事もできますが、ジュネーブ諸条約を制限する協定は締結できません。
・傷者、病者(及び難船者)
戦争時に発生した負傷者は、全て保護の対象になります。性別や国籍によって差別される事なく、人道的に扱わなくてはなりません。但し兵士については戦争法規を遵守している必要があります。
中立国も保護をしますが、保護をした兵士が再び戦列に参加しないよう、監視をする必要があります。
収容した負傷者の名簿を国(軍)が作成するようになっています。死者の埋葬に対しては識別票が必要です。基本的に土葬ですが、衛生や宗教上の理由によっては火葬する事もできます。
医療活動に関して、住民は軍の指示があるなしに関わらず参加する事ができます。軍は敵国住民であっても許可し、保護する義務があります。
・衛生部隊、衛生施設、病院船及びその要員
医療活動をしている団体は、当然ですが攻撃対象になりません。敵対行動をとらない限り、保護されます。但し、自衛の為の武装はできます。
衛生部隊、又は病院船は、負傷者の国籍を問わず、救助しなくてはなりません。
例え敵国に捕まっても、捕虜として抑留されません(軍人は除く)。占領国側で医療活動が充分であるとなれば、直ちに帰還できます。
・特殊標章
誰でも見た事があると思われる「赤十字」についてです。衛生機関はこの紋章をかかげなくてはなりません。
国によっては白地に赤新月だったりします(赤十字は十字架のため、イスラム教国は嫌がっている)。これらの旗と共に、自国の旗を立てる事もできます(場合によっては、義務化されています)。
当然ですが、この旗(赤十字、赤新月)を濫用したり、模倣したものを使用する事は禁止されています。
最後に条約の締結国は、重大な条約違反を取り締まり、調査し、公平な裁判にかけるよう法整備を行う義務がある事を書いておきます。
3.第三条約の解説
次はジュネーブ諸条約の第三条約「捕虜の待遇に関する条約」の解説になります。
もともと、捕虜に関する条約は『ハーグ陸戦条約』などにも記載されていました。しかし時代が移り変わるにつれ、捕虜の人道的扱いの強化や捕虜の条件等が複雑になり、また戦争の形態も変わっていきました。
そこで、この条約が締結され、捕虜の扱いに関する国際協定が確認されたのです。
ここでは、この第三条約の内容を解説したいと思います。
・捕虜とはなにか
戦争に参加し、敵に捕縛されれば捕虜として扱われます。しかしどんな場合においても捕虜となるわけではありません。捕虜になるにも条件が必要なのです。
何故条件が必要なのか。それは基本的に戦争は「軍隊同士が戦うもの」とされているからです。これは一般市民を戦争に極力巻き込まない、という事でもあります。
市民を巻き込まない為には、軍人と市民を明確に区別しなくてはなりません。捕虜になる条件とは、この区別がはっきりできているか、という事になるんですね。
もっとも、ミサイル等は軍人市民の区別なんてしませんから、無意味ですね。発射する人も長距離にいて判っているわけではないのですから。誰か、ミサイルのメモリーに戦争法規を入力して下さい…。
冗談は横に置いて、まずは捕虜の条件について書いてみます。
この第三条約において、捕虜とは次の条件を備えていて、敵に捕まった者を指します(第四条)。
1)戦争当事国の軍人(正規軍、民兵、義勇隊)
2)その他の民兵隊で、次の条件を満たした者
・指揮官がいる事
・特殊徽章を身に付けている事
・公然と武器を持っている事
・戦争法規を遵守している事
3)正規の軍人で、抑留国が承認していない政府等の者
4)軍に随伴している者(従軍記者、商人、その他民間人)、但し軍の許可が必要
5)紛争当事国の船、又は航空機の乗組員
6)侵略に自発的に対抗する一般市民(ゲリラ兵)で、次の条件を満たした者
・占領されていない領域の住民
・正規の軍隊を編成する時間がない
・公然と武器を持っている事
・戦争法規を遵守している事
7)正規軍に復帰できなかった軍人、及び元軍人で占領国が拘束を必要と認める者
8)中立国にいる戦争当事国の軍人で、拘束が必要と認められる者
捕虜の条件については、大方見ての通りなのですが、幾つか注意点を挙げてみます。
3)の抑留国が承認していない政府とは、例えば中国と台湾が戦争になった場合、中国政府は台湾政府を国として承認していませんが、それに関係なく台湾軍の軍人は捕虜として扱え、というものです。
4)の軍の随伴者には、軍が発行した身分証明書が必要になります。
・捕虜の保護と待遇
ここでは捕虜の保護について書かれています。
捕虜の取扱いの責任は、最終的に抑留国にあります。例え兵士個人が虐待していても、ですね。
当然の事ながら、捕虜は人道的に扱わなくてはなりません。無償で食事を与え、医療行為を行わなくてはなりません。特に女性捕虜には、女性としての待遇を受ける権利があります。
・捕虜になったら
捕虜になった時は、氏名や階級、生年月日を聞かれます。また、武器や軍用書類を没収されます。それ以外は、安全上の問題が無い限り、引き続き所持できます。但し、虚偽の申請をすれば、捕虜の権利に制限を受ける事になります。
また、この時の尋問で、拷問や脅迫、侮辱を与える行為をしてはいけません。
捕虜の記録が終わったら、可及的速やかに後方の安全地帯に捕虜を移さなくてはなりません。
・捕虜の環境
戦争捕虜となり収容所に入れられると、当然行動範囲は制限されます。特別な許可をもらえない限り、収容所の柵の中、或いは一定の範囲を超えて移動しない義務が生じます。
但し抑留される場所は、気候や風土の条件が最善の場所であり、衛生上の保障を与えられる、地上の建物にしなくてはなりません。
また戦争に巻き込まれない為、明確な識別表示を行う必要があります。例えば屋根に識別コード(PW又はPGの文字)を書く事ができます。
捕虜の食糧や衣服は、捕虜の風俗、習慣、健康、及び気候に合わせた物を支給しなくてはなりません。もちろん、栄養失調や病気になるような飲食物を出す事は禁じられています。
食事の時、捕虜をできる限り調理に参加させなければなりません。という事は捕虜は炊事場を使用する事ができるわけです。
全ての収容所には酒保の設置が義務付けられています。この酒保とは、別に酒の販売をしているわけではなく、石鹸や煙草などの日用品を販売している売店のようなものです。
収容所には、衛生面に対応した施設が設置されます。浴室、便所、洗濯室などです。もちろん、これらは男女別々になっています。収容側はこれらに充分な物資(石鹸や水など)を供給し、更に時間を与えなければなりません。
病気になった場合も、充分な治療を受ける事ができます。その際の治療費は、抑留国が負担する事になります。また最低月一回の身体検査を行い、栄養状態や健康、特にマラリアや結核、性病などの伝染病に気を付ける義務があります。
捕虜の中に、こういった医療に関わる衛生兵がいた場合、医療業務に携わるよう要求ができ、携わった場合は階級に応じた待遇を受ける事ができます。
これと同じく、宗教要員(従軍神父など)も衛生兵と同等の待遇を得る事ができます。
これらを見てわかるように、行動範囲などに一定の制限がありますが、捕虜にはかなりの自由があります。捕虜は、国の義務や命令に従って戦闘行動をしたのであり、別に犯罪者ではないのですから当然の事になります。
・捕虜の生活
収容所の生活において、身体面、精神面に対する負荷の軽減をする為にも、これらに対する措置をとらなくてはいけません。その為に、収容所では宗教活動の自由や運動の自由が認められています。また知的、教育的な活動や娯楽も必要になるでしょう。それらを行うスペースも確保しておかなければなりません。
但し、これらは何時でも自由にできるかといえば、そうではありません。収容所内の規律に従う事が条件になります。捕虜には、規律を守る為の命令や通告に従う義務があります。
これらの命令に従わない捕虜、特に逃亡を企てる者については、最終手段として武器の使用が認められています。しかし、必ず使用前に警告を与えなければなりません。
この規則や、ジュネーブ諸条約などの条約文は、捕虜に理解できる言語にて書かれた本等にして、収容所に置かなければなりません。この本は、全ての捕虜が閲覧できます。
様々な変化により、収容所から移動する事もままあるでしょう。移動する時は、前もって捕虜に通告し、家族などに通報できる時間を与えなければなりません。
中には怪我や病気になった捕虜もいます。彼らは緊急時でなければ移動させてはいけません。
捕虜になったら遊んでばかりいるかといえば、違います。収容国には、捕虜の身体的適性や階級に合わせて労働を行わせる権利があります。労働の内容は、次のようなものです。
・農業
・原料の生産、建設、土木業
・運送業
・商業、工芸
・家内労働
・公益事業
但し、軍事的性質をもった労働を行う事はできません。病院建設に関わる事はできても、軍事基地建設に関わる事はできません。また本人が志願しない限り、生命に関わる危険な作業をさせてはいけません。
これらの労働には、相応の賃金が支払われます。しかし収容国によって捕虜の所有額に制限を受けるので、それ以上の額は収容所に預けなければなりません。
もっとも、収容所で金銭を使用する事などほとんどないでしょうし、解放される時には全額返金されます。
・捕虜と当局、及び外部との関係
抑留国は外部に対し、捕虜を確保した事を伝えなければなりません。捕虜を捕らえたら直ちに、病院又は収容所に入れられたら1週間以内に、関係国に通達します。この通達には捕虜の健康状態などを記載しなくてはなりません。
捕虜は外部と連絡をとる事ができます。例え数量に制限があっても、最低限の通知(葉書4枚、手紙2通以上)を出す権利があります。また手紙等の提出が不可能な場合、有料で電報を打つ事もできます。
更に家族からは、救済物資を送る事ができます。
これらは抑留国などによって、1回だけ検閲を受ける事になります。
捕虜は軍当局に対し、捕虜代表等を通じて条件改善の要請を申し立てる権利があります。
この要請は無制限に出す事ができ、要請を受けたからといって、捕虜代表を処罰する事は出来ません。
・裁判と刑罰
捕虜が国際法、抑留国の法律、規則に違反した場合、司法上又は懲戒上の処分を行う事ができます。この場合の裁判は、抑留国の軍事裁判所か、それに準ずる裁判所にて行われます。
この裁判において、捕虜は防護の権利があります。具体的には同僚の補佐、資格を持った弁護人の選出、不服申し立てなどです。これらが認められない時は、裁判の執行及び刑罰を与える事はできません。
刑罰(法的な罰則)又は懲罰(軍規則内の罰則、30日以内の懲罰)を行った時も、条約に定められている規定に反してはいけません。
例えば、肉体に加える刑罰(拷問)、暗所における拘置、個人の行為に対する全体責任的な刑罰などです。
但し、捕虜の脱走に関しては、成功した場合は刑罰を与える事はできません。失敗しても、与えられる罰は懲罰のみです。
刑罰も、状況においては死刑を言い渡される事があります。多くの場合、軍事裁判では三審制を採ってないと思われますので、少し厳しいですね。死刑判決が出た場合は、直ちに捕虜の利益保護国(多くは本国)に詳しい経緯が通知され、抑留国はその日から6ヶ月間、死刑執行をしてはなりません。利益保護国はその間に事実認定をし、再審申し立て等を行う事になります。
・捕虜の解放及び送還
どんな戦争も、いつかは終了します。実際の敵対関係が終了した後は、捕虜は遅滞なく解放し、送還しなくてはなりません。
一般的には、紛争当事国同士で交わされた和平条約や協定上で、送還の規定が定められます。もし、そのような協定がない場合(どちらかの政府が壊滅した時など)は、各抑留国は送還計画を自作し、実施しなくてはなりません。
この送還にかかる費用は、基本的に紛争当事国同士によって公平に割り当てられます。例えば、相手国の国境までの費用は抑留国が、そこから各組織や病院、又は自宅までの費用は相手国がみます。
但し、刑事訴追されている捕虜に関しては、司法手続きや刑の執行が終了するまで抑留する事ができます。
しかし、状況によっては戦争中であっても捕虜の送還を行う事もあります。その場合、捕虜の状態に応じて送還方法を決めています。
どういう方法で送還されたにしろ、送還後は現役の軍務に復帰させてはいけません。
また、捕虜が死亡する事も考えられます。その場合についての遺言書の作成、葬儀、埋葬方法、及び死亡報告の手続き等も、条約によって定められています。
最後に、捕虜に関する情報局及び救済団体について書きます。
各紛争当事国は、紛争の開始の際に捕虜に関する情報局を開設しなくてはなりません。これは捕虜を抑留する中立国、非交戦国も同様です。ここで公の情報を確保し、関係国に対して速やかに通知しなくてはなりません。
これらの情報にかかる郵便料金は免除され、電報に関しても免除、或いは可能な限り減額されます。
捕虜への援助物資の分配、宗教的援助、娯楽の提供などを行う、宗教団体や救済団体の設置を、抑留国は認めなくてはなりません。ただ、その数を制限する事はできます。
これらの団体は抑留国にも、中立国にも設立する事ができ、国際的性質を持たせる事ができます。
4.第四条約、及び追加議定書の解説
・文民の保護
最後にジュネーブ諸条約の第四条約、第一、二追加議定書をまとめて紹介します。
第四条約及び追加議定書は、主に非戦闘員たる「文民」の保護を目的とした条約です。文民の定義は「軍隊に所属しない者」全てになり、軍人かどうか怪しい者も、とりあえず文民として扱われます。
文民は戦闘対象から除外され、保護される権利を持っています。いかなる時も基本的人権を保障され、人間として尊重されます。特に児童とその母親(妊婦及び7歳未満の幼児の母)、及び女性は特別尊重の対象とされ、あらゆる暴行、暴力から保護されなければなりません。もちろん男性といえども、あらゆる略奪、虐待、及び科学的実験の対象になる事などから保護されます。
児童の保護として、15歳未満の児童を戦闘行為に参加させてはなりません。また法への違反行為があった場合においても、18歳未満の未成年に死刑を執行してはいけません。
戦争により孤児、または家族と離散した児童は、成人の居住区とは別に居住区を設ける必要があります。そして給養、宗教、教育の実施にあらゆる便宜を得られなければなりません。
・保護の対象
このように文民は保護されるようになっているのですが、この保護対象は何も生命だけとは限りません。
文民はその生命の他に、その財産も保護されます。攻撃する者は、文民の財産を攻撃対象から外さなければなりません。軍属かどうか判断があやふやな場合はとりあえず文民の財産として処置しなくてはいけません。
防護する側は、文民及びその財産の移動などを利用して、盾とする事を禁じられています。
文民の生活に必要な施設への攻撃も禁じられています。食糧庫、農業地域、飲料水施設などです。但しこれらへの攻撃が自国内であり、且つ軍事上必要不可欠である場合は攻撃対象にする事ができます。
また、ダムや原子力発電所は、特に保護されなければなりません。しかしこれらも、軍事作戦に定期的に、且つ大規模に直接使用されている場合で、更に攻撃する事が唯一の作戦停止手段である時に限り、攻撃する事ができます。
この他にも、歴史的記念物や文化遺産、精神的な文化財(教会や礼拝堂など)も攻撃対象としてはなりませんし、軍事支援に利用する事もできません。
長期的、広範囲に環境を破壊する攻撃方法や、住民の健康や生存を脅かす攻撃方法も禁止されています。明言されていませんが、住居地域での核兵器の使用も禁止されていると考えて良いと思います。劣化ウラン弾の被害が立証されれば、これも使用禁止になる事でしょう。
・特別保護地域
文民を保護する為、紛争国内に特別保護地域を設ける事ができます。これらは目的などに応じて、次の4つに分類されます。
1)安全地帯
文民、特に社会的弱者や病人、傷者を保護する為、安全地帯を設ける事ができます。ここは戦闘地域から除外されます。赤十字社や利益保護国は、これらを設置し承認される為に仲介する事を求められています。
事態が許せば、既に保護対象となっている文化財産の中や近隣に設置する事もできます。
2)中立地帯
関係当事国の協定で設置される地帯で、軍事的性質を持つ業務を行っていない者を、無差別に保護する為の地域です。
3)非防守地域
次の条件を満たした住民住居地域は、非防守地域宣言をする事ができます。この地域には、いかなる攻撃も行ってはなりません。
その条件とは、全ての兵器及び戦闘員を撤去、移動しておく事、固定の軍事施設を敵対行為に使用しない事、当局及び住民による敵対行為が行われない事、軍事作戦を支援する一切の行動をとらない事の4つです。
但し敵による占領にも解放されていますので、戦争そのものに巻き込まれないという訳ではありません。
4)非武装地域
関係国の協定により設置された地域です。ここでは、この協定に反する行為はできません。その内容は協定次第なのですが、一般的には非防守地域と同等の地帯になります。
・民間防衛
人道的支援を行う為、民間防衛機関を設立する事ができます。この機関では、オレンジ色の地に、青の三角形を配した特別徽章を身に付けています。
この機関は、戦闘行為によって発生した災害からの回復を援助し、文民の生存に必要な支援を行います。関係国はこの機関を保護する義務があり、また機関が使用する物資を破壊してはなりません。
但し敵対行為を行った場合は、警告の上、保護対象から外されます。この敵対行為には、軍が民間防衛行動を支援したり、民間防衛機関が軍人の犠牲者を保護する事は含まれていません。
また自衛の為に個人用軽火器を携帯する事は、認められています。
追記
2005年12月に、ジュネーブ諸条約の第3追加議定書が採択され、今までの赤十字、赤新月に加え、新たに赤い菱形が徽章として採用されました。これで、今までの徽章では宗教上問題があるとして参加できなかった、イスラエルなどの国が参加できるようになり、よりジュネーブ諸条約の範囲が広がったといえます。
ちなみに、他にも赤獅子太陽(白地に赤いライオンと太陽)という徽章もあるにはあるのですが、現在では採用している国はありません(流石にライオンは書きにくかったようですね)。

現在認められている、ジュネーブ諸条約の徽章
5.まとめ
・この条約は全ての武力紛争(占領については武力行使がなくても)に適用される。
・第三国である利益保護国には、監視の任務が与えられている。
・当事国は、いかなる場合においても負傷者を保護する義務がある。
・住民は自主的に医療活動を行う事ができ、紛争当事国はそれを保護しなくてはならない。
・医療活動を行っている団体(部隊)への攻撃は、認められない。
・但し赤十字、若しくは赤新月の紋章を表示しなくてはならず、身分証明書を携帯しなければならない。
・捕虜として扱われる為には、様々な条件があり、条件を満たしていないと戦争犯罪人となる。
・捕虜取り扱いの最終責任は、抑留国にある。
・抑留国は、捕虜を対して人道的扱いをしなくてはならない義務がある。
・捕虜は氏名、生年月日、階級、軍の所属番号などの身分証明以外の情報は話さなくて良い。
・武器や軍用書類以外の持ち物は、危険物以外は所有していても良い。
・取り上げられる場合も受領証と引き換えであり、解放時に返還される。
・収容国は、捕虜の衛生面に最大限の気を配らなければならない。
・捕虜には、規律を守る事を条件に、宗教や運動の自由が認められている。
・捕虜に一定の労働を課す事ができる。
・捕虜は、検閲を受けるものの、外部と自由に連絡を取る事ができる。
・抑留国の法違反をしていた場合、裁判になる事がある。その場合、弁護人を選出するなど、捕虜の法的防護をしなくてはならない。
・戦争が終了すれば、捕虜は速やかに解放しなくてはならない。
・軍人以外の一般市民は全て文民として保護され、特に児童と女性は特別保護対象となる。
・文民の生命だけでなく財産や文化財、ダム、原子力発電所も保護対象となる。
・環境に影響を及ぼす兵器や戦闘方法も禁止される。
・保護のため、安全地帯や非防守地域を設置する事ができる。
・民間防衛機関を設立し、文民の保護をする事ができる。