ベルヌ条約、万国著作権条約


この部の目次

1.ベルヌ条約と万国著作権条約の関係
2.ベルヌ条約
3.万国著作権条約
4.まとめ


1.ベルヌ条約と万国著作権条約の関係
 今回の条約解説編は、文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約(ベルヌ条約)と、万国著作権条約の解説になります。
 この2つの条約は、題名通り著作物の保護に関する国際条約です。何故2つあるのかといえば、国家によって著作物の保護のやり方が「方式主義」と「無方式主義」に分かれるからです。
 このうち、無方式主義がベルヌ条約、方式主義が万国著作権条約に対応しています。

・方式主義と無方式主義

 この2つの方式は、何が違うのでしょうか。
 簡単に説明すれば、方式主義は著作権を行使するに当って、何らかの条件が必要になります。例えば法に従って届出を出したりしなくてはなりません。
 無方式主義は、そのような条件が必要ありません。著作物を発表すれば、それでいいのです。
 ちなみに日本は、無方式主義をとっています。

 ヨーロッパの各国は、基本的に無方式主義を取っていましたが、アメリカは方式主義をとっていました。その為、アメリカでの著作権の取得は難しいものでした。万国著作権条約は、そのアメリカでの著作権の保護を簡単にする為の条約で別名「対米一般条約」とも言われています。


2.ベルヌ条約
 ベルヌ条約は、1886年に成立した条約です。その後、多くの改正を行っています。
 この条約で保護される著作物は、形式や方法の如何を問われません。書籍、演説、講演、音楽、舞踊、写真、彫刻、地図、建築の設計図など、幅広く適用されます。但し、単なる報道に過ぎない記事や、公に行われた講演を報道に使用する場合は適用されません(詳しくは、各国の法律によって定められています)。
 この条約は、次のような特徴、及び原則があります。

・内国民待遇の原則

 他国民の著作物であっても、自国民と同じ扱いをする事が記載されています。
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ベルヌ条約
 第五条 内国民待遇・無方式主義
  1.著作者は、条約で保護される対象の著作物に関して、本国以外の同盟国に
   おいても同等の保護を受ける権利を持っている
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 著作物は、各国の著作権の法に従って保護されます。その際、著作者の本国での対応に左右される事はありません。例えば本国では発禁とされている本でも、他国では著作物として保護されます。

・無方式保護主義の原則

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 第五条 内国民待遇・無方式主義
  2.著作権の行使には、如何なる方式の履行も要求されない(後略)
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 最初に書きました「無方式主義」を述べています。
 ただ、著作権は無方式で発効するとしても、保護の為の救済は別になります。違法コピーを裁判所に訴えたりするのは、やはりそれなりの手続きが必要になるのです。これらの手続き方法は、各国の法令の定める所になります。

・保護基準の最低ライン

 何処まで著作権を保護するのか。基本的に各国の法律によって定められています。しかし、そのままでは最低ラインは、どうしても低いものになってしまいます。
 そこで最低ラインを条約で定め、これよりも更に高い保護を求めらるようにしています。

 これらの原則に従って、著作物は保護されている事になっています。


3.万国著作権条約
 始めに書きましたように、これは方式主義を取っているアメリカにて著作権の保護を受けやすいように作られた条約です。
 方式主義を取っていて、この条約に加盟している国では次の要件を満たす必要があります。

・(C)マークの表示
・著作者名の表示
・第一発効年月日の表示

 これらの表記は、本の裏面などをご覧になれば、大抵書いてあると思います。
 しかし、これらの表記をしていても、著作権違反の訴訟を起こす場合は、その国の手続きを取るよう義務付ける事ができます。

 この万国著作権条約では、ベルヌ条約ではカバーしていない部分も保護対象になっています。
 例えばベルヌ条約では、著作物は「国籍主義」となっていますが、万国著作権条約では公刊著作物については「第一公刊地主義」を取っています。また、無国籍者、亡命者、更には国際機関の発効物なども保護の対象にしています。

 このような特徴はありますが、本来対象となっていたアメリカは、既にベルヌ条約に加盟しており、無方式主義に移行しています。従って、この条約の半分は意味がなくなってしまっています。


4.まとめ
・著作権保護は、保護に条件がある「方式主義」と無条件の「無方式主義」の2つに大別される。
・ベルヌ条約では、無方式主義で、全ての著作者を平等に扱うよう定められている。
・万国著作権条約は、対アメリカ用に作られたのだが、既にアメリカは無方式主義に移行している為、存在意義が半分ない。


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