
〜 第5話 「ライバルたちの動向、そして帰厩」 〜
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新緑の芽生える春、4歳牡馬クラシック皐月賞トライアル第一弾として
中山杯が中山競馬場で行われようとしていた。
有力な出走馬は3歳時、速風S(G1)1着、チャンピオン杯(G1)2着のリバーズロック、
関東若駒S(G2)1着、速風S2着のレッドギルがいた。
当然この2頭の争いと思われていたのである。
しかし、「前はラブレター交わしたかディスティニスト、ゼッケン2番のディスティニスト僅かに、
僅かに先頭に立って中山の直線、さあこれが皐月賞への道、クラシックへの道だ七頭、
一気に各馬のペースが上がって直線、最後の直線に入って参ります!
先頭はディスティニスト!食い下がったラブレター二番手でキラーコンテンツは外、
外に回して岡辺騎手、右ムチを入れて追って参りますがどうか、
内目からレッドギルも射程圏内、各馬固まって、差のない体勢から追い比べでありますが、
ディスティニスト先頭、ディスティニスト先頭、キラーコンテンツが外から上がって
参りますがレッドギルが最内、最内からレッドギルが追って来る!あとはどうか、
リバーズロック大外からで前とは二馬身から三馬身差、
坂を駆け上がってくる各馬、ディスティニスト頑張っておりますがキラーコンテンツか、
キラーコンテンツが並んで来て交わした、交わした交わした7番のキラーコンテンツ
鞍上岡辺幸夫、グングン伸びて半馬身、
内からレッドギル三番手から二番手並んでくる勢いでありますが、
前はキラーコンテンツ、ディスティニストロバツ騎手、押して押して二番手死守で
ありますが内からレッドギル、さあ二番手微妙だディスティニストかレッドギル、
ディスティニストとレッドギル並んでどっちだゴール板前、
しかし前はキラーコンテンツ抜けたっ!
キラーコンテンツ抜けて一馬身から一馬身半、二番手二頭、
その後は切れてしまったリバーズロック、リバーズロック四番手までで
一着キラーコンテンツ今ぁ、
ゴール、イン!キラーコンテンツ勝っています!勝ったのは7番のキラーコンテンツ!
鞍上岡辺幸夫騎手、今首筋をポンポーンと叩きまして一着、二着に二頭、
完全に並んでいましたゴール板前、レッドギルが内で外ディスティニスト。
これは微妙な判定、写真を待ちましょう二着争い。
ここまで三頭、三頭が皐月賞への優先出走権獲得。」
そう勝ったのは、岡辺騎手騎乗の伏兵キラーコンテンツ、2着にレッドギル。
そしてG1馬リバーズロックに至っては4着と惨敗してしまう。
スローペースで馬場は稍重であったとはいえ、この結果には驚かされた。
しかし、話はこれだけには終わらない。
続くトライアル第二弾若虎杯でもそれは起こるのである。
阪神競馬場で行われたこのレース、有力な出走馬は何といっても
3歳チャンピオン杯を無敗で制した天才アヴァンチュール。
当然この馬がどんな勝ち方をするのかだけに注目が集まったレースであったのだが…、
「さあ、無敗の三歳チャンピオン、ここをステップに使って来たアヴァンチュールは、
未だ最後方から動く気配ありません、
先頭は既に直線に入っている3番のナオキフジヤマ、
二番手6番のリボンリーズン、三番手はモーリスグリーン、
外からは1番のクウェイトタブー、連れて7番ロイヤルワールド、
8番のアヴァンチュールはその外、一番外に持ち出した、
先頭はナオキフジヤマでありますが、リボンリーズン並んで来た、
モーリスグリーンも半馬身差に接近、
外からはクウェイトタブー懸命の追い込み、
アヴァンチュールは漸くベエリジョッキーがムチを軽く一発、二発、
前の体勢は変わって、今度は一気に4番モーリスグリーンが先頭だ!
モーリスグリーン抜け出してリードを広げる、
二番手リボンリーズン、大外からアヴァンチュール伸びて来た、
三番手に上がって末脚斬れるか、しかしこれは届かないでしょう!
先頭は4番のモーリスグリーン、二馬身から三馬身のリードを取って、
今ぁ、ゴールイン、
アヴァンチュールは何とか二番手に上がってゴール板を通過。」
そうここで天才アヴァンチュールは2着に敗れ去った。
しかも2馬身1/4差をつけられてである。
そして勝ったのはモーリスグリーンであった。
負けたアヴァンチュールは馬場が稍重での後方待機策が裏目に出たことと、
余裕を残しての調整が尾を引いたようであった。
そしていよいよ4歳牡馬クラシック第一弾皐月賞が中山競馬場で行われようとしていた。
出走頭数は全10頭とやや少ない感もあるがいずれも強豪揃いであった。
中でも天才アヴァンチュールの復活を望む声が多かった。
しかし、1番人気は中山杯2着のレッドギルであった。
皐月賞はクラシックではスピードが重視されるということを含めての1番人気である。
そして2番人気に3歳チャンピオン、アヴァンチュール。
3番人気はもう1頭のG1ホース、リバーズロック。
アヴァンチュールに勝ったモーリスグリーンはフロックという
見方が強かったのか4番人気であった。
これに気を悪くしてかモーリスグリーンはレース前、少々興奮ぎみであった。
そしていよいよレースが始まるのである。
「さあこれから三コーナーを回って、先頭はモーリスグリーン、
スローペースだスローペースだ、かなり遅いぞ後方集団、
そろそろ、おっと、おっと真っ先に動いたのはモーリスグリーン!
モーリスグリーンと海老名騎手、早めのスパートかけておー来た来た、
内からアヴァンチュールも動いた動いた三コーナーから四コーナー、
一気に、一気にペースが上がって前パーラメントライトに並ぶ勢いで
アヴァンチュールが最内から、
アヴァンチュール最内から前に並んでこれから、これから最後の直線、
あとはモーリスグリーン外、クウェイトタワー真ん中から上がって
グランドキャニオンは後退、さあ各馬最後の直線に向いて参ります!
先頭はパーラメントライト交わして一気にアヴァンチュールか!
アヴァンチュール先頭、アヴァンチュール先頭、外からはモーリスグリーンがやって来る!
モーリスグリーンと海老名正義、そして真ん中クウェイトタワーなどで横一線、
固まった固まった十頭、さあどうなるのかここから、
前はアヴァンチュール、アヴァンチュールがアタマ抜けだした感じでスタンド大歓声、
スタンド大歓声でありますが外から懸命にモーリスグリーンが追って来るぞ、
さあ後ろは内目からキラーコンテンツ、
更に大外から二頭、大外からレッドギルとリバーズロックが追い込んで参りますが、
アヴァンチュール先頭だ、一馬身から半馬身、詰めて来るかモーリスグリーン、
三番手キラーコンテンツ上がって参りますが外だ外だ、
人気のレッドギル来るっ、レッドギルがやって来る、更にはリバーズロックも良い脚使って、
前はアヴァンチュール、坂を駆け上がってアヴァンチュールこのまま押しきるか、
またまたバックレとちんぢ厩舎、またまたこのコンビが栄冠手にするのか
三回目の皐月賞、外からモーリス差を詰める!
おおーっと外からモーリスグリーンが差を詰め手前に迫って来るぅ!
ゴールまで残り僅か、先頭はアヴァンチュールでありますが外からモーリス!モーリス!
モーリスぅ!!モーリスグリーンが迫って、並んだ、並んで交わすか、
ゴールは目の前、三歳チャンプが粘りを見せる!
三歳チャンプが意地を見せるが外モーリス、モーリスグリーンが最後までしぶとい末脚、
さあ前二頭は若虎杯組、モーリスグリーンクビから半馬身、
内アヴァンチュール後一歩、栄冠まで後一歩というところ、
しかし制したのは外、またモーリスだ、
またモーリスグリーンがトライアルに続いてチャンピオン抑えたところ今ぁ、
ゴール、イン!!勝ったのはモーリスグリーンです!
勝ったのはモーリスグリーンゼッケン9番、高々と右手を上げた海老名騎手、
時計は1.59.6、道中かなりのスローペース、上がりの競馬になりました皐月賞、
最後まで素晴らしい伸び脚見せたモーリスグリーン勝利をものにしています!
破れたアヴァンチュール、三歳チャンピオン悔しい二着であります。
あとは外から追い込んだリバーズロック、そして内でキラーコンテンツ、
レッドギル差が無く外から来ていましたがこれはどうやら五着か。
見応えありました三回目の皐月賞。
制したのは9番のモーリスグリーン鞍上海老名騎手。
観衆からの拍手浴びてこれからウイニングランというところであります。」
そうこの皐月賞を制したのは怒りし馬、モーリスグリーンであった。
スローペースという展開の中、アヴァンチュールを2度破り皐月賞の栄冠を手にしたのである。
負けたアヴァンチュールは若干余裕残しの調整と仕掛けが一呼吸遅かった。
しかしモーリスグリーンのこの勝ちは素晴らしいものであった。
しかし、モーリスグリーンはここでの仕上げが目一杯であったこともあり、
ダービーは残念ながら回避することとなる。
そして天才アヴァンチュールは皐月賞の雪辱を期して4歳牡馬クラシックの頂点、
東京優駿(ダービー)に向かうこととなる。
そして、その頃ラストエンペラーも放牧先から、かじぽん厩舎に帰ってきたのである。
「あっ、もしもし、セシルさんですか、かじぽんです。
ラストエンペラーが帰厩してきたので連絡した次第です。
これから乗り込んで予定通り騎士杯までに仕上げますので、
騎手については後日また厩舎の方に来ていただいて
決めるということでよろしいでしょうか?」
「先生、わざわざ連絡すみません。エンペラー戻ってきましたか…。いよいよですね。
騎手の話はそうですね、お伺いします。あとはよろしくお願いします。」
いよいよラストエンペラーが放牧から帰ってきた。予定通り騎士杯に登録する。
さて最後の皇帝、ラストエンペラーはどれぐらい成長の兆しを見せてくれるだろうか?
つづく
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