団体概要
1985年、失業や病気で困っている高齢者、日雇労働者などを支援していた者が、 医療面からの支援を強化するために笹島診療所を設立しました。 現在は、野宿者(ホームレス)に対して生活保護制度が適切に運用されるよう 要求する運動も行っています。炊き出し会場での相談活動、事務所での相談活動、 福祉事務所での生活保護申請同行などの活動を通じて、野宿者の人権を守りつつ、 野宿をしなくてもすむ状況を作っていくことを目指して活動しています。 特にバックはなく、全国の心ある人々によって診療所活動は支えられています。
基本方針
野宿者などの人権を守りつつ、野宿をしなくてもすむように状況を変えていくこと
野宿を強いられている労働者、使い捨てにされている日雇労働者の人間としての 尊厳・生活・健康を取り戻す(あるいは守る)ために、当事者と共に考え、 生活・医療の面から支援をし、状況を変えることを目指しています。
憲法の定める生存権は、生活保護法によって誰にでも保障されるものです。 しかし現実には、住居がない人や失業者には、生活保護が非常に制限された運用が なされているので、特に当たり前の生活保護を福祉事務所に実施させるように重視して 取り組み、その運用を当たり前のものとするための成果も出ています。
活動の目的
1. 福祉制度に関する情報を野宿者などに提供すること
野宿を強いられている人たちなどが野宿をしなくてもすむようになるためには、 多くの場合、行政が提供する様々な福祉制度(生活保護制度、法外援護、社会保険制度など)を 利用することが必要である。また、民間の支援団体や企業等によって提供される事業も活用される 場合がある。しかし、そうした制度やサービスを知らない野宿者も少なくない。最終的には当事者の 自己決定を待つことになるが、自己決定するために必要な情報を当事者に提供していく。
2. 医療サービスを提供し野宿者などの健康を守ること
野宿者などの多くは健康を害していることが少なくない。路上死をなくすため、医療面からの 直接的なサポートも必要である。福祉事務所では野宿者などに対する医療サービスを 提供しているが、何らかの理由でサービスに結びつかないことも少なくなく、また、 「医者に行くほどでも…」という人もいる。そうした人たちへの最低限の医療を提供すべく、 簡単な診察や医薬品の提供を行う。
3. 野宿者などと行政との手続きの仲介やサポートを行うこと
医療や福祉の行政サービスを利用するにあたっては、煩雑な手続きが必要な場合が少なくない。 また、これまでの経験から行政に対して不信感を持っている野宿者などもいたり、あるいは 行政の側が一人で手続きに訪れた野宿者などに対して差別的な扱いを行ったりすることも 見受けられる。それらの敷居を取り除き、手続きがスムーズに進められるように、行政と当事者の 仲介をしたり、当事者への必要なサポートを行ったりする。
4. 野宿者などとの信頼関係の構築を図ること
野宿者などからの相談を受けるにあたっては、私たちと当事者との間に一定の信頼関係が 築かれていることが必要である。そうした信頼関係を築くため、様々な活動の場面で、 当事者の思いに耳を傾ける。また、野宿を強いられている人たちなどの多くは、家族や友人との 関係が希薄化しており、孤立した状態に置かれることも少なくない。同様のことは、野宿から アパート生活に移行した後にも継続される場合がある。豊かな人間関係の一部として私たちが 存在できるようになることも、信頼関係の構築が必要な理由の一つである。
5. 施策改善の申し入れを行政に対して行うこと
野宿を強いられている人たちなどが、野宿をしなくてもすむような状況を実現していくためには、 行政の施策の改善がまだまだ必要である。私たちは、生活保護制度を中心に、普段の活動を通じて 知った野宿者などの置かれた状況を行政に伝えるべく、施策の改善を訴えていく。具体的には、 行政との話し合いや不服審査請求などを通じて、行政に申し入れていく。
6. 「ホームレス問題」に対する市民の理解と協力を図ること
強まる野宿者の排除圧力の背景の一つには、「ホームレス問題」を迷惑論から捉えがちな市民の 意識もある。したがって、野宿をしなくてもすむように状況を変えていくためには、野宿者などに 対する市民の理解と協力が不可欠である。この問題に対する市民的な理解を広げていくために、 各種のセミナーを主催したり、活動への市民の参加を呼びかけたりするなどして、活動の輪を 広げていく。また、ホームページを通じて、この問題に対する市民の理解の促進を図る。
笹島診療所活動に参加している人はどんな人?
現在は1人のメンバーが有給の職員となり、診療所には平日の火曜日と金曜日の朝9時30分からお昼12時30分までいて、相談を受けたり、連絡調整をしています。その他の人はいわばボランティアで、関われる活動に参加しています。学生や色々な職業の人、性別・年令も様々な人がいます。
笹島診療所の運営
3月に総会を行い、1年間を振り返り、次年度の方針を決めます。3ヶ月くらいに一度全体会を行い、情報交換、意見交換、必要事項の決定を行います。他に毎月、各活動分野の調整役が集まって話し合う診療所会議(メンバーは参加できます)と職員会議を行っています。
毎年メンバー登録を呼びかけています。登録をしなくても活動に参加できますが、登録をすると会議の会議録が送られてきます。
笹島診療所の財政
1985年に、日雇労働者向けの「ささしま食堂」(1F)、笹島日雇労働組合(2F)、笹島診療所(3-4F)が入居できる会館を約3600万円の借金で購入しました。この笹島労働者会館と診療所との共同機関誌「ささしま」を年4回発行し、活動状況の報告を行い、カンパを募っています。この費用で会館と診療所の維持運営を行っています。ぜひ、財政的なご支援もよろしくお願いします。
