| 骨名 | 治療期間(週) |
| 中手骨 | 2 |
| 肋骨 | 3 |
| 鎖骨 | 4 |
| 前腕骨 | 3 |
| 上腕骨幹部 | 6 |
| 上腕骨頚部 | 7 |
| 両下腿骨・大腿骨 | 8 |
| 大腿骨頚部 | 12 |
骨折の治癒期間
<骨折治療過程に影響する因子>
1.局所的因子
@骨折の部位・・・大腿骨頸部、下腿骨中下1/3、手根骨、足根骨などは栄養血管損傷を起こしやす
い。
また関節内骨折は骨癒合不良である。
A骨折端・骨折線の状況・・・粉砕骨折などで骨欠損が生じる時、骨折端の難開、転位、軟部組織の介在な
どのとき骨癒合は阻害される。
また、骨折端に対し難開力、剪断力、回転力などが働くとき骨癒合は遅延す
る。
B外傷の程度・・・軟部組織の損傷が大きい時、特に栄養血管、骨膜損傷が高度のとき、局所の栄養状態
が不良となり骨癒合は遅延する。
C感染・・・感染を併発すると遷延治療や偽関節になりやすい。特に開放関節では感染の予防が大切であ
る。
また観血的処置のときも感染予防には厳重でなければならない。
D不適切な処置・・・不十分な内固定や外固定のため骨折端が動く状態にあるとき、過度の牽引のため骨折
端間が開く時、不適切な手術手技なども骨癒合の遅延因子となる。
2.全身的因子
@年齢的条件・・・高齢者は若年者と比較して骨癒合が遅れる。
また、高齢者の長期臥床も遅延因子となる。
A栄養状態・・・蛋白、Ca、ビタミンD、ビタミンC、などの摂取不足、特に全身衰弱、貧血、低血漿蛋白など
は骨癒合を遅らせる。
B内分泌障害・・・骨の形成や吸収には副腎、下垂体、甲状腺、上皮小体、胸腺、性腺などのホルモンが関
与しており、これらの内分泌系の障害は骨癒合に影響を与える。
骨折の合併症
1)急性期の合併症
@外傷性ショック・・・重度骨折、脊髄脱臼骨折や内臓損傷を伴う場合など、出血、疼痛、交感神経遮断
などによりショック症状を呈するときがある。
A内臓損傷・・・骨折断片や骨折外傷と同時に加わった外力などにより、脳、骨髄、助膜、肺、心臓、肝臓など
の臓器損傷をきたし、生命の危険を伴うこともあるので、早期に診断し、処置しなくてはならな
い。
B脂肪塞栓・・・大腿骨、骨盤骨折など大きな骨折には脊髄の損傷により、遊離した脂肪滴が静脈に入り、肺
や脳に塞栓を起こし、重篤な合併症となることがある。
C血管、神経の損傷・・・粉砕骨折、らせん骨折、斜骨折などで鋭利な骨折断端が血管を損傷する事があ
る。
末梢神経が骨に接して走行している箇所の骨折では神経損傷をきたすことがあ
る。
D創傷感染・・・開放骨折で軟部組織の挫滅を伴う時、化膿菌の感染のほかにガス壊疽や破傷風の感染
の危険がある。
E阻血性拘縮・・・代表的なのはフォルクマン拘縮、下腿の脛骨前筋症候群である。
骨、筋膜によって構成されるコンパートメント内の内圧の上昇によって、受傷後急激に著
名な疼痛、高度の腫脹、浮腫を伴う循環障害、神経麻痺などが出現する。
その結果、典型的な阻血性拘縮を引き起こし、重大な機能障害に陥る。
原因として血管損傷、結合組織の挫滅、きついギプスなどがある。
2)慢性期の合併症(治療経過による後遺症)
@感染・・・開放骨折の不処置、軟部組織の挫滅の大きさのなどによる感染を起こしてしまうと、根治しにくく、
多くは慢性骨髄炎へ移行し、骨癒合遷延、偽関節の原因になりやすい。
A変形治癒・・・骨折の治療過程で生じたある程度の変形は矯正されるが、転位の残したまま治癒することが
ある。
脚長差や解剖学的アライメント不良に基づく二次的関節症や機能障害を残す事が多
い。
B骨癒合遷延、偽関節・・・骨折時の諸条件の影響、不適当な治療処置(感染や不十分な整復など)による
原因になることが多い。
骨癒合が遅れてしまいうまく癒合しない(骨癒合遷延)、同じく骨癒合せず断端部
が結合組織の癒着のみで、無痛性の異常可動性を呈してしまう(偽関節)。
前者の場合は保存的な継続治療、後者は骨移植や強固な固定術などの観血的
処置が必要となる。
C無腐性壊死・・・骨折片の血行遮断により生じるもので、解剖学的に供給血管の障害を受けやすい部位
の骨折で起こる。