まじ怖日記

とうとう始まっちゃいました。

市立小樽文学館学芸員・玉川薫
直接メールくださるときは、こちらまで。


えっと、新聞に出るんだと思いますが、

「まじ怖えぇ」展スタッフ募集!
ただし中学2年生にかぎる。

「まじ怖えぇ」展とは、何だろー。それは中学生がじぶんたちで作る、「とっても怖い」展覧会です。
その場所は、小樽文学館(色内1丁目9番5号・日銀の向かい)。二階にある展示室のなかに会場を作ります。てつだうのは文学館の学芸員一名。名前は玉川薫。おとなのスタッフはこの人だけです。
展覧会の期間は8月11日(土)〜9月9日(日)まで。

どういうふうに、展覧会をつくるのか?

その1。
キミたちは、「怖い本」を読んだことがあるでしょう。それは『トイレの花子さん』かも知れないし、『学校の怪談シリーズ』かも知れない。あるいは、そういう「幽霊」の話ではなくて、ちゃんとトリックがある推理小説かも知れない。または、事件とかではないけれども、ある人がとっても怖いめにあった話とか、いじめられてひどいめにあった話とか。「怖い本」といっても、いろいろありますね。
この展覧会は、その「怖い本」を、テーマにします。「怖い本」のなかみを、展覧会にしてしまうわけですね。本のなかみを展覧会にするのには、いろんなやり方があります。絵や文字だけでなく、いろんなモノが使える。つまり「小道具」ですね。「怖い本」を原作にした「怖いドラマ」のセットを作ると考えてもいいでしょう。または、小さな「恐怖の館」を作るとか。

その2。
参加する人。中学2年生というほかには何もありません。「怖い本」が好きな人、きらいな人、まったく興味ない人、だれでもいいです。おもしろいのか?これは、ぜったいに、おもしろいです。「じぶんが怖い」のもおもしろいけど、ひとを怖がらせるのは、もっとおもしろいですね。一人じゃイヤなら、ともだちをさそってください。

その3。
やりかた1

参加する人は、学校の国語の先生に申し込んでください。文学館に直接電話してくれてもいいです。くりかえすけど、どっちにしても、「仕事」が始まってしまったら、先生も、家の人もいっさいノー・タッチ。キミたちと学芸員だけで進めていきます。この紙の下が申込書になっています。名前・学校名・住所・電話番号を書いてください。シメキリは、7月10日(火)です。

やりかた2
7月14日(土)午前10時に第一回目の集まりをします。場所は文学館の二階で。このときに、集まる人は、それぞれ、今まで読んだことのある本のなかで「いちばん怖かった本」を持ってきてください。そんなのないけど、展覧会はやってみたい、という人は、テブラでもいいです。
この日集まった本を、みんなで「回し読み」をします。そのやりかたは、集まった人たちと学芸員とで相談しましょう。「回し読み」の期間は二週間です。
やりかた3
7月28日(土)午前10時に第二回目の集まりをします。このときまでに、みんなが本を読みおわっているわけですね。そこで、みんなで「投票」をします。みんなで「回し読み」した本のなかで、「いちばん怖かった本」を書いて、箱に入れてください。このとき、前に自分で持ってきた本をまた書いてもいいし、他の人が持ってきた本がもっと怖いと思ったら、その本を書いてもいいです。
では、「開票」しましょう。ここで、いちばん票が集まった本を、「まじ怖えぇ」大賞とします。
ここまでで前半終了ですね。ここからが「本番」です。すぐに作戦開始。その本を、どういうふうに展覧会に作っていくか。だれが、どういう役割をするか。「小道具」は、どこで集めるか、などなど。
やりかた4
ここからさきは、まだ学芸員も考えていません。夏休みになったらなったで、みんなも何かと忙しいでしょう。いろいろとスケジュールを考えながら、自由なやりかたで準備を進めていきましょう。いちいち全員が集まることもないだろうし、家でできる仕事もあるでしょう。でも展覧会の直前、8月8〜10日くらいは全力集中してやることになるよ。カクゴしてください。


それから、この展覧会は、準備のはじめから、展覧会がおわるまで、そのようすを、インターネットの小樽文学館のホームページで、全国に「発信」します。参加する人はもちろん、参加しない人も、先生も、家の人も、みんなでハラハラしながらホームページをみましょう。アドレスは、

http://www4.ocn.ne.jp/~otarubun/
小樽文学館の電話は32-2388。ファックスもおなじです。

この「日記」続くんだろーねー?(ちょっと思うところあって、こちらの日記はしばらく下のほうに書き続けていきます。見にくいのは、カンベンね)



6月28日
●ふたつの日記を書いていくことになっちゃったわけだが。えっと、チラシ(だいたい上の文章ね)を教育委員会の各学校連絡用のタナにいれてもらったのが先週の土曜日、ってことは25日の月曜日には学校に入ってるはずだよね。で生徒の手にもわたっているはず……。
28日きょう、現在。反応ねえよ。皆無。で、すぐに猛反省。あまーい。中学生がのってくるかどうか、別にしても、そこまでいってないんじゃないか、だいたい。
いったい、私はどこに向かって声を出しているのか。校長会と教育委員会クリアすりゃ、オッケーなのか。わけないよねー。さて、どうする。次の手どうする。もう少し待ってみよって、られねえよ。
で、明日の夜、科学館の人たちと焼き肉を食べる会があるそーな。親睦ねーって聞き流してたんだけど、……!って思った。科学館てすごいよな。だってさ、あそこに入るのって、ほとんど小学校高学年から中学生、いっちばん厄介な連中じゃん。うちの娘だって行ってたぞ。科学館でさー、でっかいシャボン玉の作り方やってんだよー、行ってみっかー、って。
「親と子の」じゃないわけだ。親かんけーなしに、子どもだけで勝手に行ってんだよ。ほかにあるか、こんなとこ。そういってみりゃさ、科学館、一年ほぼ300日以上、(印象としては)毎日こども相手の何かやってんぞ。真似できねえよ、とうてい。一朝一夕にできるわけねー、っていってられないから、私ゃ行くよ、焼き肉パーティーにさ。聞きだしてくるぞー、企業秘密を。「一朝一夕には、できませんよ」だったりして……。


6月30日
●昨夜は科学館主催の焼き肉パーティーに行ってまいりまして、これはね、たいへんにようございました。やっぱり苦労してるんだよね。想像してたことと、そんなにはちがいません。子供はまずやっぱり先生だってこと。先生のいうことは絶大だってこと。それでその先生だ。これはね、個人差が甚だしい、ということです。つまり先生自身が関心を持ってくれるか、まったく無関心であるか。
で、チラシなんか入れてもね、生徒一人一人にわたるかどうかなんて、まったく保証されないよ、ってそりゃそうだ。そのかわり、一人の先生でも関心を持ってくれれば、そのクラスからまとめて来てくれることだって珍しくない。先生ですよ、先生。先生の一本釣りだねー、だって。これは長年にわたって苦労を重ねた旭さんのお言葉。それでいつやるの、来年?再来年?え、8月……?!!
やっぱりねえ、そりゃびっくりするだろーなー。
で、本日、まず末広中学国語科マチノ先生にお目にかかりました。多少、困惑気味でいらした。私はね、国語の時間に、5〜10分でいいから時間をいただきたい、って各学校にお願いするつもりだっていったわけ。それしかないからね。先生はおっしゃいました。旭さんと同じようなことを。
先生によるでしょうけど……。難しいでしょうね……。授業の支障ということもあるけど。……外部の方が授業中に話をされる、ということ自体嫌がられると思います……。
さらに、こう。
生徒も聞いてくれるかどうか。今の子供はそれは……、難しいですよ。って、私はね、それも実際に知りたいの、感じたいんです。ご迷惑だろうけどね。そんで、こういうときに「社会教育」をたてにとるのは、気が引けますけどね。学校教育と「社会教育」の連携って、ずいぶん前からいってたんじゃないの?文部省から、教育委員会から、学校の先生たちご自身までがさ。それ自体、だれも異を唱えないわけでしょ?
マチノ先生、困らせてしまったようだけど、先生ご自身は承諾してくださいました。で、こうなりゃ個別に行きますよ。そんでいちいち綴っていきます。ここにね。
楽しく書いていくつもりの日記だったけどね。どうなるんだろ。「まじ怖ぇえ」ってね。実はつぎからつぎと「怖いモノ」を呼び出してきちゃう企画だったりして。
ね、先生方、見てるのかな。ご意見くださらないだろうか。こちらまで。




7月3日
●うれしい!それは、ちょっとうまく表現できないくらい、うれしい。
きょうね、申し込みがあったんだよ。「まじ怖ぇえ」スタッフの。何人?一人だよ。あ、笑うなよ、ほんとうに。
その子はね、もちろん私の知り合い関係でも何でもない。その子の学校とも先生とも、私はとりあえず何の接点もない。

実はね、やりかたを変えようかと思っていたの。いろんな人から、アドバイス、っていうより「難しいよ」って断言されちゃった。教育委員会の人たちもね、みんな意図とか、やる気ってのは理解してくれたと思う。でも、「難しいだろ」っていわれました。
「先生も個人差があるからねー」ってのは、ほとんど異口同音にいわれた。
「学校通すのが、そもそも無理なんじゃないか、この企画自体がさ、学校が避けよう、排除しよう、あるいは見ない振りをしよう、ってことをはらんでいるんじゃないか。ある意味、虫がよすぎないか。はじめだけ、学校のたすけを求めてさ、あとは子どもたちと文学館だけでやるってのは」って、これは私も、ほんと、そのとおりだよなーって思ってしまった。
「これができるとしても、何とか方法見つけてさ、子どもに直接、あたってみるしかないんじゃないか。理解のある親をみつけるとかさ」そう……か。そうだよな……。これ以上、学校あてにできないよな……。
「それにしても、無理だよ、こんな日程でとうてい無理だ」うーん、科学館の名簿、使わせてもらおうかな……。科学館て、すごいよな、やっぱ……。

って、夕方、館にもどったら、届いてたのね。学校の封筒に「参加申し込み在中」って書いてあって、急いで開けたら、なかから一枚。
やったー!てさ。すごいよ。この子はさ、たった一人で、ちゃんと先生をとおして、そしてこれに申し込んでくれたんだよ。先生もさ、その子の申し込みをちゃんと受けて、(一人でやるの?なんて「指導」をしないでさ)館に届けてくれたんだ。
信頼してくれたってことじゃない?この子も、先生も、うちをさ。この文学館を。
よかったよ……ほんとうに。学校かっとばすか、なんてやってしまわないで。

待つよ。まだシメキリまで時間ある。でさ、もしシメキリまでたった一人でも、できるし、やんなきゃなんないでしょ、ぜったいに。で、「まじ怖ぇえ」展スタッフ第一号を紹介いたします。

菁園中学校二年生、田平唯(タヒラ・ユイ)さんです。こんごとも、よろしく!


7月5日
●こっちも短くても長くても毎日書いて行こうねー。
今んとこ、まだスタッフは田平唯さん一人。でも、待つぞ。みんなびっくりするよ。凄いねっていう。いや、一人でさ、申し込んでくれたってこと。でも、やっぱ一人じゃカワイソーだな。仲間集めたい。そーだね。なんとか8人くらい。新八犬伝かー。
学校電話したらさ、中体連(正式名称は知らん)で、先生方出払ってって。そーいや、ウチの娘は昨日、おとつい、学校休みだったな。カンケーない、もんね……。
まえに「日記」で書いた伊丹十三扮する高校の先生思い出しちゃった。そーか、そーか、なんてね。でも行くよ、学校に。誰か捕まえるよ。待っててね、先生!

そういや、道新に出てたね。青山さん、ありがとう。(でもあのカットはちょっとダサすぎ……)


7月6日
●菁園中学の先生に電話してみました。田平さんね、びっくりしてたって。私ひとりなのかーって。でね、先生もさ、いったんだって。やめてもいーんだよ、文学館に言ってあげるよって。
したらね、田平さん、言いました。一人でもいい、やってみたいって。私ゃ、もう、泣いちゃいそ……。
社会教育部長の池田さんも心配してくれてね。ありがたいよ、本気で心配してるのね、どーしたらいいのかなーって考えてくれるのね。何か自分にできないか、「上から指導」みたいなこと、絶対にできないしなーってね。
私は恵まれてるよ。でも、田平さん一人にはやっぱりしたくない。何とか考えてみよーね。できる手は打とーね。


7月10日
●バ、ン、ザ、イって、チョーうれしいよ。田平唯さん、みてるかな。一人じゃないよ。
きょうね、いちおうのシメキリなんだけど。いや、シメキリってホントーはないんだけど。
それにしてもさ、「八犬伝」はムリでも、「三銃士」くらいには、って待ってた。
天の助けってあるんだねー。午前中、何か中学生がワヤワヤいるからさ、聞いてみたら小樽の西陵中学の見学なんだって。しかも二年生じゃんか。この機逃がせるワケないよなー。
集まってもらったよ、パソコンのホームページも見せてさー。
顔がみえた。生徒だけじゃない。先生もね。そんで、解った。やっぱりね、学校へ行ってアジるのはやめようって。チラシはちゃんと配ってくれてんだよ。疑っちゃーダメだよね。でもさ、やっぱり学校では先生は学校の顔になる。生徒も学校の顔になる。そして、そりゃ当然だろう。そこにムリヤリ割り込むってのはさ、いい気なもん、だ。ゆわれても仕方ないよね。
でも、ここだったらさ、生徒も先生も別の顔になってくれる。だから、信じて待つしかないんだけど、きょうは向こうから(偶然なんだけど、何か偶然て思えないなー)やってきてくれた。

そんでね、夕方、国語の手代木先生からお電話があった。「三人、申し込みたい生徒がいます」って。手代木先生、こうもおっしゃった。「学校がトクイじゃない生徒も、いますけど」って。
うれしいよ。大歓迎さ。ジマンじゃないけどね。私は、幼稚園・小・中・高・大学と、ぜーんぶ通して、学校が好きだったことなんて、いっちどもなかった。小学校ときなんて、自家中毒でゲロ吐きまくったさー。
これだけ、ゆっとくよ。ここはね、学校の続きじゃない。家の続きでもない。じゃ、なんだろってね。解るさ。やってくうちにね。

じゃ、新しいスタッフ、ご紹介いたします。
西陵中学二年生
南さとみさん
加須屋幸司さん
三島啓志郎さん
今後ともヨロシクッ!!

って、シメキリはまだだよー。申し込んでなくてもね、14日にはおいでね。土曜日、午前10時だ。こうなりゃさ、「十五少年少女漂流記」に……。どこ「漂流」するんだよ……。


7月13日
●西陵中学校の生徒さんが三日続けて見に来てくれて、私もいつもは中学生相手に熱心に解説なんてしないんだけどー、今回は「まじ怖」の勧誘あるからな(ゲンキンだねえ)、思わず熱が入っちゃった。一原展の解説に。そんで、解説してるうちに、何でこんなふうに展示したのか、私自身が初めて気がついたー、なんてね。で、こうやってると、けっこうさ、子どもの目が光るんだよな。
ま、やっかいな相手だからさ、買いかぶらないでおこーね。自分を。

でもね、うれしいぞ。きょうも。
まずー、松ヶ枝中学校から二人。
森本恵さん
佐藤亜美さん
これで、3校だねー。
そして西陵中学校から4人目。
高橋美濃さん

何だ、7人集まったじゃん。私入れれば「八犬伝」かー(ところでどんな話だ、「八犬伝」て……)。

明日からだねー、いよいよ。今日は早く寝て、エネルギーためようねー(いつ帰れるんだろ……)。


7月14日
●初日だねー。

菁園中学校
田平唯さん
西陵中学校
加須屋幸司さん
三島啓志郎さん
南さとみさん
高橋美濃さん

この5人で、スタートだな。途中で増えてもかまわないからねー。抜けたらダメよ。
でさ、いろいろ話してたらね、怖い本もあるだろーけど、ほんとの話はやっぱりもっと怖い。
菁園中学校のユーレイね。5歳くらいの女の子、名前何てったっけ、マリーゴールドが好きでさ、その花の前にくると動かなくなるって。そんで数え歌みたい歌うたいながら、やってくる。「何か」を探しているらしいんだけどね、「何か」が何かは誰も知らない……。もう一人、屋上からまっすぐ墜ちた中年の男。屋上はね、誰も上がれないことになっている。これは田平さんも、そして学校違うけども南さんも偶々目撃したんだって。墜ちるときにね、男がこちらをみて笑ったんだって。
信じるのーって? 信じるとかどうとかじゃなくてー、これはほんとうのことなの。だって見たんだよ。いや私が見たわけじゃないし、見えるとも思えない。でもね、中学生しか見えないことってあるのさー、それは確かだ。

で、基本的にこれをメインの話にしたい。物語は味付けだ。知ってる人だけ知っている、文学館の地下の裏通路、あそこが、荒れ果てた学校の廊下になるぞ。暗くて、湿っぽくて、え、なんでこんなとこにマリーゴールドがあるのー? ねえ?あれ?!
なんつーてな。

で、スタッフにはMajicoスタッフオンリーのパスポートと、スタッフTシャツが配られる、かもねー。


7月17日
●Majicoスタッフ用のフリーパス作りましたよ。とりにきてね。で、5時ころ加須屋君からメールが入ってて、何かなーって読もうとしたら、本人と三島君がきてさ、マンガの本持ってこなかったんだけどっていうからね、いいよ、きょうはパスあげるから、またおいで、っていっちゃった。「すげー」とかいいながら、帰ったけどね。帰ってからメール読みなおしたら、「本置いてきちゃったけど、これから行ってもいいですか」って書いてあった。
そーか、作業したかったんだな。失敗したな。ごめんね。私ゃ、どうせ帰るの9時10時だからね、いーんだよ、いくら遅くなっても。
そうだよな。ひとつ、いいなーって思ってたとこがあるんだ。国道沿いの、昔からある模型屋さんね。そこはいつも9時10時まで明かりがついてる。で、ちょっと外から覗くとさ、かならず子どもがいるんだ。小学生、中学生くらいのね。夜遅くまで子どもが何だーって、まあね、世間はね……。
でも、私はいいなーって思ってる。あの店はいいなーって。主が好きなんだろう。模型とかオモチャが。子ども以上にね。子どもは楽しいさ。そういう人がやってる店で。やあ、ってね。あれ知ってるか、こんどGBで出たの、すんげー、とか。
マネできないけどさ、文学館も子どもの穴グラのひとつになりゃーな、って、「まじ怖」始めて、いま本気でそう思いはじめてんだよ。


7月18日
●きょうは松ヶ枝中学校の森本恵さん、佐藤亜美さんがきてくれた。これで、3校計7人。うん、理想的だろう。みんないい子だよ。きっちり個性的だ。
会場予定の「地下通路」に案内すると、みんな顔が輝くな。「これ、できるね」「ほとんど、そのままだね」って。そうよ、展覧会って、場所が作るんだ。その場所がおのずと何か別の場所になるんだな。それが展覧会だ。
集まってくるさ。怖いよ。でも怖くない。どうなっていくのか、まったく予想もできないけどね。でも、これだけはいえる。展覧会ができあがるころ、このことが終わるころ、「怖い」は「怖い」じゃなくなる。いや、なくなるわけじゃないだろうけど、それにおびえてパニくったり、おっかないのごまかすために、逆ギレしたり、どなりつけたり、って必要なくなると思う。
「怖い」は「怖い」ままで、いつも僕らのそばに、僕らといっしょにいるんだ。ま、お友だちになんなくてもいいだろーけど。でも、平気さ。たまに「やあ」って、声だってかけれる。そんな感じ、きっとわかってくるぞ。

スタッフTシャツ、作るぞー。ちかく、画像もアップするねー。


7月26日
●きょうは招集日じゃないんだけどね、展示替えやってるからよかったら見においでったら、佐藤亜美さん、田平唯さん、南さとみさん、加須屋幸司君、高橋美濃さんが来てくれた。佐藤亜美さんはお昼頃帰って、みんなもテキトーに帰っていいんだよ、ってったんだけど、残りの人たちけっきょく夕方までいたぞー。帰りがけに来てた見たことない子、誰よー。
さっき、「セブン」で、思いついたんだけどね。ここは公民館的文学館であり、なおかつ、保健室的文学館である、って。じゃ私は「保健室のオバさん」かー。いいんだけどね、別にかまってるわけじゃないから。子どもが勝手にひがな遊んでる、とか、ヒマな大人が古本読んでる、とか、ジイさんがぼんやりしてる、とか。理想さ。

で、常接インターネットが、いいツナギになってるな。事務長がいってた電脳カフェね、よかったね。ん、「除霊」で検索かけてたヤツ、誰だー。
「霊感(特別強い)少女」が二人ほどいてね。「ウチんなかでヒョイとよけたりするでしょ、家族がヘンな顔すんのね」「わかるなー、動物のとかねー」なんの話だー。で、文学館の地下はやっぱりすごいらしい。「踊り場んとこまで来てるよ」「あ、また二段上がった」「来てるよね」わー。
「あのね、玉川さん」「あ、いわないほうがいいよ」「そうだねー、知らないほうが、ってこともねー」わー。話途中でやめるなよー。霊能カフェかー。


7月29日
●Majico。きのうが招集日。きょうは文学館からの「花火見物」だったんだけどねー。「禁止」されちゃった。
で、私はつくづく思うんだけどねー。学校でも社会でも大手振ってるこの「禁止」。誰のためのものなんだろー。花火に限ってゆえばね。ついこないだのあの惨事。あそこが何で「禁止」でなくて、ここが何で「禁止」なの?ねえ、どっちが「安全」なの?「客観的・科学的・合理的」に見てさ。
うん。そーだよねー。「安全かどうか」じゃないんだよねー。「どこが(誰が)責任とる(とらされる)のか」だな。あらかじめ、手を打って、手を打って。そうやって奇怪極まる社会が出来上がってくんだな……。その縮図が「あそこ」か。あ、先生方、見てますかー。

スタッフは来てますよ。今午後7時ね。二人は「コックリさん」に夢中(コックリさんは、楽しげにステップしてるそーな。ホントーか……。ほんで楽しいのか、楽しくないのかってシツコク問い質してるぞ、コックリさんに。そいで、脅して申しわけございませんでした、って……。コックリさんが最後に何て答えたのか、私ゃ知らんよ)。一人はインターネットで何か検索。ひとりはステップ型の脚立のてっぺんで「何か落ちつくー」とかいってます。ワタシは雑談に入ったり、抜けたり。で、一人は1回、一人は4回転校してんだって。「私のせいね……」っていってた。いや、とにかくね。ワタシは楽しいよ。みんな、かわいーってか、いいんだよ。ほんとうに。すんげーパワーもってるし。

一応お知らせ。つぎの定例会は31日火曜日午前10時よ。もーみんな知ってるけどね。「地下」の大掃除。キタナイかっこうしてきてね。ショーコちゃんも来なよー。

いま、午後8時35分。で、けっきょく屋上に上がるのは止めて、文学館の「ロビー」から。けっこうよく見えるのよ。
窓際にパソコン(青白G3通称ポリタンク)あるからねー。「霊感ない」少年二人組はアニメのサイトみながら。霊感少女隊は除霊したり呼んだり?しながら、花火を楽しんでいます。世の中は開票かー、なーんつってな……。


7月30日
●今日は休館日なのになんでスタッフ来てるんだ……。一人の子は、は家にいるよりラクだって。リラックスしすぎ、かな。なことはないのさ。「ここから」始まるんだからねー。
アンケートに「パソコンで遊んでいる子どもの声が非常にうるさい。なぜ注意しないのか」という大人のご意見。はい、了解です。というところでこの「アンケート」はごみ箱へ。そろそろ「スタッフオンリールーム」を作らなきゃなー。「15歳以上立入厳禁」のね!
で、外界との通信手段としてのパソコンは必需。ITは、眉にシワ寄せて論議する(何にもできないくせに)大人のものでは永遠にありません。ちょこちょこ触っているうちに本質つかんじゃう子どものものなのさ。大人はいつまでも論じていなよ。いまにホントに「リベンジ」されるぜ。

話は変わりますが、田平さんに水晶玉で透視していただいたところ、私の前世は、金色の髪飾りをした女性だそうな。アマガエルとかじゃなくて、まずはようございました。守護霊は男。見果てぬ夢を抱えたまま死んだとゆう。こっちは思い当たる節があるぞ……。


8月1日
●佐藤亜美ちゃん、明日でもあさってでもいいからさ、かならず来てね。
何となく、亜美ちゃん、このホームページ見てんじゃないかって思うからさ、ここに書いておく。
Majicoスタッフ、みんなすげーパワー持ってるよね。もっとわかりやすく、特技っていってもいいぞ。タッヒーの除霊とかミナミの霊視とかコウジのマジックとかミッシーのヒマツブシとか(ヒマツブシについて考えるのも最高のヒマツブシのひとつだって。笑えるぞ)。
で亜美ちゃんだ。亜美ちゃん、森本さん、松中の二人、ちょっとほかのメンバーと雰囲気違うよね。ま、ふつーにいうマジメ、かな。でも、ふたりが必要なんだよね。Majicoには、ぜったい。
亜美ちゃんのパワーは何か。それはね、「恐がり力」だ。タッヒーとか霊の話しただけで、亜美ちゃん怖くて泣くだろう。怖いことを全身で感じるからだな。全身で感じるから涙が出るんだ。これが、他のメンバーが持ってない「力」さ。オレだって持ってねーよ。でも、必要なんだって。この「力」がMajicoには。
ミナミが「視る」、タッヒーが「除く」、コウジが「笑う」、ミッシーが「気がつかない」。これは、みんなすごいパワーなんだけど、亜美ちゃんがそのなかで「怖がる」。身体と心いっぱいで「怖がる」。これがあって、はじめてみんなのパワーが「ホンモノ」になるのさ。私は本気だよ。

Majicoはね。本気で「怖いモノ」に向かっていくんだ。遊びだけどねー、笑えるけどねー。だからほんとの「本気」なのさ。ぜったいお出でね。きみたちの力がいるんだ。えっと、ショーコもアキエもチアキもね。みんなそろえば、10人(+私)かー。こりゃ強力だろう。


8月5日
●Majicoは、たった10人そこそこのメンバーだけど、これはこれでひとつの「社会」だ。みんな個性的だからさ、一致団結、目標に向かって進めー、っていくはずはないよね。それがいい、って言い張ってきたのはこの私だ。でも、甘くはないよね。ここにきて、ちょっとしんどい感じがしてきた。
なるほどなー、って思う。家庭な、学校な、職場な、近所か……、それから「日本」か……。

で、自分自身に、そしてメンバーにもういちど確認しよう。これはね、全員でまとまってやるもんじゃない。いっしょにいるのがいやなときもある、いっしょにいたほうがいいときもある、なんとなくでいいや、なときもある。全部、認める。そこは、私ががんばる。もういちど言うよ。一人でもいいんだ。ここは、「文学館」というこの場所は、一人でもいい。それを私が保証する。この「展覧会」で私がガンバルのは、そこだけだねー。

もういちどメンバー確認するぞ。

majicoスタッフ

菁園中学校
田平唯(タヒラ・ユイ)
井村翔子(イムラ・ショウコ)
池田千晶(イケダ・チアキ)
秋谷怜奈(アキヤ・レイナ)
東山中学校
坂田暁絵(サカタ・アキエ)
西陵中学校
加須屋幸司(カスヤ・コウジ)
三島啓志郎(ミシマ・ケイシロウ)
南さとみ(ミナミ・サトミ)
高橋美濃(タカハシ・ミノ)
松ヶ枝中学校
森本恵(モリモト・メグミ)
佐藤亜美(サトウ・アミ)
三浦由利子(ミウラ・ユリコ)

小樽文学館
玉川薫(タマガワ・カオル)

以上、13人。あれー、私やめた……はず。あの子、いつ入ったのー?なんてね。
でも、Majicoは、ちがうの。これはね、いったん顔をみせたら、もう「スタッフ」なのさ。展覧会は8月11日から9月9日まで。でもスタッフオンリールームと、フリーパスは、9月30日まで有効。これは「君たち」のものでもあるし、「君だけ」のものでもある。スタッフに義務はない。なんどでも繰り返すけども、(壊したり傷つけたりとったりするんじゃなけりゃ)何をやってもいいんだ。
ただし、君はもう「スタッフ」だ。この二カ月間はね。Majicoのスタッフ。こりゃ、もうどうしようもないんだなー。

とはいえ、また初めに戻るんだが、こんなMajicoでも、やっぱり「社会」だ。「社会」であることを免れることはできん。いや、ちょっと前、コウジがさ、ねえ、リーダーは誰なのー。って聞くんだけれど。え、リーダー?って詰まっちゃったんだけど。やっぱりあるんだな。リーダーの格、リーダーの器って。
で、コウジも認めたし、私も彼女をおいてなかろうと思うんだが……。

タッヒー、はやく帰ってこい。リーダーはキミだよ、タッヒー。
それからサブリーダーは、こりゃ私が勝手にきめた。そしてサブリーダーには、とくにこれといった役割はない。ただ「サブリーダー」であるだけ。
コウジとミナミ。キミタチふたりだ。
そいでリーダーでもサブリーダーでもないんだが、ありえないんだが。ミッシー来てくれ。必要なんだよ。キミの「ボーッ」がさ。かけがえがないぞ……。キミがいないと、私もしんどい……。いや、ちょっとな……。


8月7日
●Majicoのやり方、やっと決まった。今まで何してたんだよー、だな。
明日だよ、明日。午後2時に、全員集合してもらう。
で、行くよ。あの場所に。まず明かりを消そう。全員で、手をつなぐ。あの場所だよ。みんな感じるっていったろう、みえるっていったろう。そこで、一二の三、だ。いいか、心を強く強く集中させる。しゃべっちゃダメだ。少しのあいだだ。二分か、三分。
感じるんだよな、見えるんだよな。それを心に刻もう。ここから約束だよ。
「そのとき」見えたもの、感じたものを誰にもいうな。一言もいうな。ここからは一人一人の仕事になる。一人一人がそれを描く。文字で書いてもいい。大きな紙だ。集中して、一気に描こう。繰り返すよ。誰にもみせるな。何が見えたのか、何を描いたのか。ワタクシがあずかるよ。誰にもみせない。
それをみんなが、みんなのまえで一斉に開くのは、展覧会の前日。8月10日だ。そのとき初めて知るんだ。みんなが、あのとき、あそこで、いっしょに心を集めて、「何がみえたのか」。
それを貼りだすよ。その場所に。どうだい。怖くないか?

だいじなことをひとつだけ、いっておこう。一人になることだよ。ひとりでみつめることなんだ。誰も助けてくれないぞ。いいかい、目をそらすなよ!


8月8日
●きょうやったことを、確認しておこう。来てくれたのは加須屋君と三島君と田平さん、高橋さん、南さん、坂田さん、三浦さんの7人だ。
午後3時30分くらいにみんなで地下に降りた。「まじ怖ぇえ」展の会場になる「裏通路」だな。田平さん、南さんの「霊感組」はもちろん、ほとんどみんなが「怖い」「何かいる」っていってるところだ。田平さん、南さんは、「それ」をやるまえに「封霊」の札を貼りまくってたよな。でも、あそこ、貼ってなかったぞ。「ドア」……。
はじめに、十分に「気」を感じてもらった。それから明かりを消したな。眼を閉じてもらった。心を集中してもらった。そこで「視て」もらった……。みえるはずのない、ものをね。数分間だったろうけどな。けっこうキツかったろう……。

それから、私がやってもらったのはこうだ。今、「視たばかりのもの」を、描いてもらう。文字でもいい。一人一人別々に、な。

Majicoスタッフ、ずっといっしょだよね。コウジなんてほとんど笑いっぱなしだろう。マンガかいて、ネットやって、ケータイでふざけて、メールチェックして、切れ目ないよな……。会話、切れないよな。切れるの怖くないか……。気がついたら、誰もまわりにいないとかさ……。

だからさ、だから一人になってもらった。Majicoで、最初で最後だろう。一人になるの。
きょうは二つの場所を用意した。一人ずつ順番に入ってもらった。そこでは内側からカギをかけてもらった。もういい、というまで誰もあけなかったよね。きょう描いた絵(か文字?)は、まちがいなく、ほんとうに、一人で描いた絵(か文字)だ。

描き終わったら、乾くのをまって、それぞれに描いた面を内側にして絵を畳んでもらった。外側にサインをして、私が「封印」した。これは誰にもみせない。展覧会の前日まで。この絵のことを誰にもしゃべってはいけない。展覧会の前日まで。

何を描いたんだろうねー。笑いっぱなしのコウジとか、コウジに「かーさん」っていわれてるアキエとか、すぐに横になるユリコとか、すっと黙り込むミナミとか、気力体力はちきれそうなタッヒーとか、みえなかったらどーすればいーんですか?のミッシーとか……。

みんなさ、オレにはけっこうナジんでるよね。子どもにはぜったいに嫌われない事務長とか千葉さん以上にさ。フシギっちゃフシギだけどな。でも、オレにもわかんねーよ。キミらが何を考えてるのか。キミらだって、わかってくれーなんて、ほんの少しも思ってねーだろう。そうなんだよな。これが「中学生」だ。オレはね、だから好きなのさ、キミらがな。キミら中学生はさ、全身全霊「ミステリー」なんだよ。キミらウソツキだからさ、だからこそ、真っ正直な「ミステリー」なんだ。ほんとに、人生のうちで、たったの一、二年なんだよな。
これで、高校生くらいになっちまったらさ、「わかってくれよー、オレの心の叫びをー」だ。もうだめさ。クダラねー、よな。クダラねー、大人にまっしぐら、だな。

楽しみだよ、ホントーに。あの場所で、キミらが、キミら「だけ」が「みえたもの」を、あの場所に、貼りだすのがさ。

くりかえすぞ。伊達や酔狂じゃねえよ。「まじ怖えぇ」展だ。


8月10日
●ふふふ。Majicoは。おもしろかった。ほんとうに。
うーん、さすがにちょっと疲れたか……。あしたからオープンだよ。はっは。すごいぞ。ふふ。展覧会のテーサイなしてないけどな。チケットないし受付の人いないし、パンフレットとか作者のプロフィールとか……。なにもねーよ。ワタシの(つまり「二階」の)展覧会よりもカゲキだなー。
でもさ、展覧会のテーサイなしてないくらい、「ホンモノ」なんだよ。
ワタシのやり方つーか、やらせ方は、まちがってなかった。すげーぞ、コイツら。そこいらじゅうでやってる展覧会を何万束にしてもかなわねーよ。なんせ「ホンモノ」だもん。「視えた」もん描かせてんだからさあ。見に来なって。心底ぎょっとするよ。これが「ホンモノ」だったのか……、って。思い知るよ。

Majicoじゃないけど、「二階の」展覧会だけど、「Myお宝」な。あそこにMajicoスタッフも出品してくれって頼んでたんだ。「よもやま日記」に書くとこだけどさ。とりあえずきょう3人持ってきてくれたから、そのキャプションここに載せる。

大切な人
名前 ブライアン(青) カイト(赤)
私にとって大切な物はこれかもしれないと思ってもってきました。
青のが私で、赤いのが彼。まん中のユビワは彼がくれたものです。とても大切にしています。私にとって一番の宝物です。

(出品者)三浦由利子・小樽市

色々な石

(出品者)南さとみ・小樽市

初めてもらったぬいぐるみ
名前 チイコ
・生まれてから、7カ月でもらった物。

(出品者)田平唯・小樽市

道具
名前 Rei
・ある所に置いてあった物。

(出品者)田平唯・小樽市

Myお宝って、何かよくわかんねー企画だけどさ。おもいがけなくカンドー的だったりするんだ。佐藤さんの「トラウマ」だとか(「よもやま日記」参照)。
でもね、ワタシは久しぶりにちょっと泣いたぞ。ウチの展示で。ミナミの出品な。筆入れにギッシリ入った「色々な石」。キャプション、ねーよ……。空白だ。その空白のキャプションにさ、ちょっと泣いたぞ……。
あーあ、みんなかわいいよ。なんでだろー、他人の子なのにさ。初めてだよ、こんなの……。


8月11日
●みんなといっしょにいるのは楽しいんだよ。スタッフルームも、とーぜん、「地下」もな。そりゃ、「ルーム」でエンエン同人誌カンケーの話題を聞くのはけっこーキツいけどね。ま、世のオトナたちが、「まったく今の子はね、いったい何考えてるんだか」ってのと、そんなには違わない。
タイラだからなー、調子がね。てゆうか、キモイって、うっざー、ふっざけんなって、って単語がね、一本調子だよな。ひたすらタイラだ。その起伏を注意して聞いてるんだけどねー、ひたすらタイラだな。みんながいつも描いてるマンガの感じそのままだ。
だからスゲエんだよ。あそこの絵がさ。思うんだけど、みんなもうあれには触れたくないんじゃないか。「あそこの絵」には。なんか自分で描いたと思えないんじゃないか。少なくともあれだな。「ルーム」でしゃべっているときは、「あそこの絵」から限りなく遠くにいるな。遠くにいようとしてるよな。
ついさっきまでコウジとミッシーが残っていたけどさ、コウジはきょうお母さんの帰りは遅くなるそうだ、お姉さんのバイトも10時にならないと帰れないそうな。ミッシーは、そういやきょうお父さんが出張から帰るんだったなーっていってた。
オレはさ、「ルーム」でエンエンとみんなの話聞いてるときにも、フッと想像するぞ。キミら、一人になるよね。メールでゲームでコンビニでコミケでつないでみてもさー。いや、これはもうくり返しだな。やめようか。

オレがね、キミらといっしょにいるのいちばん好きな場所はね。あんまり大きな声でいえないけどねー。あそこだ。「屋上」。
いや「禁止」だからってわけじゃないんだけど、多少高所恐怖気味でもあるからさ、そしてそれだけでもないんだけど、怖いんだよね。でも、いーんだな。あそこ。あそこではね、みんなもときどき黙るよな。風とかね、街の音とかさ、陽の翳り、雲の流れとか鳥の影とか。匂いもな。

あそこは好きだ。あそこでみんなでいるのがさ。でもね、怖いんだ、ちょっとな。いや、禁止とか高所恐怖とかってよりも……。なんかさ……。翔んじゃうんじゃないかって……。コイツもコイツも、ふいにさ……。こっから……。

うーん、Majicoだけじゃないんだけど、始まったことは、いつか終わるな……。いや、始まった瞬間から、終わりが始まってるんだな……。ヤだよ。キミらだけじゃない。夏休みが終わるのはさ。オレもヤだ。って、「仕事」じゃなかったのか……。


8月12日
●Majicoは続くよ、どこまでも、だな。きょう、フシギな(フシギでも何でもないんだが、私には重要だし、不思議なことだといえる)体験、つうか思いをした。
スタッフルームで、いやなことがあった。何度目かのことだし、私は、常識的な注意をして退室したあと、また戻って、スタッフにこういった。「この展覧会でキミらがやったことは特別なことだ。それはそう思ってほしい。『悪いこと』に対して僕は、最終的に人が人を罰することはできないと思う。人を罰することができるのは、人でない『何か』だ。キミらが今回やったことで、キミらはもう『悪いこと』はできなくなった、と思ってほしい。もう後もどりはできないんだ」正確にこういったわけではないが、このようにいいたかった。そう思ってくれていい。
ほんとうは、そこで、もう一言つけくわえてしまいそうになったんだ。
「今後、こういうことがもう一度あったら、Majicoは終わる。この『ルーム』も閉める」
胸のなかを尖らせたまま、私は退室した。

疲れてもいたし、ひどく眠くなって、私は二階の奥の(私のずっと前からの『領分』だ)野戦ベッドみたいなヤツで一時間ほど眠った。午睡の後は、アタマのなかが薄暗くなる。私はコウジが壊したラミネートの機械を分解しはじめた。なかで溶けたフィルムがローラーにピッタリ貼り付いている。眠るまえから募っていたトンガッったものが私を乱暴にさせた。ドライバーを射し込み、思い切り跳ね上げると、ローラーが外れて転がった。溶けたフィルムがあっさり剥がれた。
ちぎれたプリクラのような小さな写真。熱で赤く変色している。左端はコウジだ。右のかわいい少女はガールフレンドか?それぞれの下にローマ字で名前が書いてある。ん、まんなかの小さい女の子は何だ?アユ……?
えっと、アイツらが話していた中学校を歩き回っている小さな女の子、歌をうたいながら「何かをいつもさがしている」。マリーゴールドの前にくると動かなくなる……。その子の名前は、ええと、アユ……?
いつもこの手の話、マジメに聴きながらもアタマの前半分をすっと通過させてしまう私も、背中に「寒気」が走った。
この写真、どうする。コウジにかえすか?これはいったい……。ドアがあいて、コウジとユリコが入ってきた。ヒマだよ、なんかやることないかなー。私は、いつもになく不機嫌になって、だまって二人を置いて事務室に入ってしまった。
しばらくすると階段のしたで、数人の人たちが集まっている様子だ。だれかの家族だな、と思ってると、コウジが「母さんたちがきた。下に連れてくから、玉川さんも来てよ」っていいにきた。
私は地下のエレベーターの前で、コウジの家の人たちの様子をみていた。これ読んだほうがいいよ、ってコウジが指さした、私の書いた「ごあいさつ」のパネルをムシして、お母さんたちはどんどんなかに入っていく。「コウジの絵を見にきただけだよ!」。お母さんとお姉さんだな。ほかの女性は親類の人か。ん、この小さな子は……。コウジがその子を抱き上げた。その子は嫌がって、すぐママの後を追った。もちろん、すぐにわかったよ。この子が、写真の子だって。そうか、この子が「アユ……」ちゃんかー。あとで、コウジにきいたよ。親類の子だって。右端のかわいい少女はコウジのお姉ちゃんで、3人でプリクラ撮ったらラミネートしてよー、って言われたそうな。私は、さっきのちぎれたフィルムみせた。「やっぱりコウジのせいで壊れたんだなー」「いや、それはいいし、直ると思うけど、この写真いるんじゃないの」「いいよ、たいしたもんじゃない。何か色が変わって怖い感じになっちゃったね」「そう……」と、ゆうわけで、そのちぎれた写真は私のポケットにある。

って、どこがフシギなんだよー、だな。いや、私は思いだしたのね。何日か前の「まじ怖日記」で書いたばっかりのことを。

全員でまとまってやるもんじゃない。いっしょにいるのがいやなときもある、いっしょにいたほうがいいときもある、なんとなくでいいや、なときもある。全部、認める。そこは、私ががんばる。もういちど言うよ。一人でもいいんだ。ここは、「文学館」というこの場所は、一人でもいい。それを私が保証する。この「展覧会」で私がガンバルのは、そこだけだ。

ってのをね。ヤバかったよ。とりかえしのつかないことゆうとこだった。Majicoは、もちろん終わんないよ。「ルーム」もこのままだ。オレのやることって、善悪の判断して何らかの処分くだすことかー。それだけはぜったいやらないっていったばっかだろー。

「まじ怖」って、自分に向かってくるんだ、ってのは私が最初から言ってきたことだ。でも、それは「自分を差し置いて」たんだなー。まず「自分」だよ。まず「自分から」だ。あたりまえじゃんかー。

なーんかな。だんだんわかってきたような気がする。「超常現象」とかいわれてるモノの意味が……。何かさ、「コトバ」を超えて、「リクツ」を超えて、あることをわからせるものなんだね。そーじゃないかな。けっこう重いねー、深いねー。(プリクラの色変わっただけじゃんか……)。


8月13日
●Majicoは続くよ、どこまでも、だねー。
また、ちょっと違う動きが始まった。お客さんのアンケートに、もうちょっと仕掛けがあっても、ってのがあったせいかな。もっともスタッフも「お化け屋敷じゃないんだけどなー」って、不満げだったけどね。
そりゃともかく、連中もちょっと物足りなくなってきたんだろー。もっといろんなことやってみたいなー、みたいな?
で、コウジがイリュージョンの仕掛けを考え初め、さっそくミナミやら、カーサン、ネーサンを引きずり込んであれこれやりだした。ムジャキなもんだねー、って、でも、完成のアカツキにはちょっと驚くぞ。私には、こういうのはよくわかるのだが、コウジはマジックのセンス抜群だ。(正直いって、イラストより、こっちのほうが才能はある。ごめんな、気い悪くするよね)天才的だっていってもいいな。ほんとに、へーえ、って驚くんだが、マジックってあれだな、手先が器用とか、そりゃ器用にこしたことはなかろーが、そんなのは本質じゃないんだね。なんていっていーかな、人の眼が、ふつーだったらどうゆうふうに働いちゃうか、ってのが瞬時に解るんだね。みてるとさ、どんどん手直ししてる。それがあれだ、常にこう動くと、観客にどう見えるかってのが「同時に」みえてるんだね。スゴイよな。
コウジの才能はそりゃすごいんだけど、みんなねー、とっても活き活きしだした。へんないい方かも知れないが、「フツーに」活き活きしはじめた。
いまさ、「イリュージョン」の練習つうか、トライ・アンド・エラーを何回も何回も繰り返してるんだけど、今夜は地下の音楽室で「ママさんコーラス」の練習でもあるのかな、オバさん、オバーさんが何人も廊下を通っていく。そのオバさんたちにさ、いちいち、ご苦労さまですー、とか、今晩わーとか声かけるのね。オバさんたちも「まあまあ演劇?」「え、オバケー?」「細川ガラシャねー」(わかるかよ)って笑いながら通っていくのね。
なんだ、なんだよー、こりゃ、「ふつーの、いい子」「明るい元気な中学生」とオトナのやりとりじゃんかー。ってね。もちろん、いいんだよ。私ゃ、「無理に」こうしようとは毛頭思わなかったけど。結果的にそうなるんだったら、別にいいんだ。ミナミもアキエもユリコも楽しそうさ。いいじゃん。ね。
タッヒーは、何か衣装(経帷子?)作るんだって、白布3、4枚抱えて帰ったぞ。

事務長!読んでますかー(読んでねーよな)。この「イリュージョン」はね、まず事務長に見せるんだって。事務長を最初のお客さんにしたいらしいよ。あさって、16日の午前9時30分開幕、だって。万難排して来てよねー。
事務長だけに見せるなんてー、ってフンガイなさってる向きは、ご遠慮なく再演のリクエストをこちらまで。もっと完成度高くしてお見せできるんじゃないかしら。


8月17日
●アンケート読むのも楽しみなんだけど、例えばこういうのね。
「私は昔この会場にいました。昔の私に会えてうれしかった。たのしかったよ……」
いいなー。優しいねー。タッヒーに聞いたらさ、「思念霊」ってゆうんだって。霊っていっても、ぜんぜん怖くないんだって。
あとで気がついたよ。ああ、詩人のHさんだな、って。たしかに昔、ここ(旧貯金局)に勤めてらしたからね……。
きょうは「怖かった。おもしろかった。京都から来た甲斐がありました」なんてのもあったぞ。クッソー、私の(2階でやるフツーの)展覧会でもめったに言ってもらえないよ。負けた、かなー。


8月26日
●あちあち、暑ちーぜ、あちーのすけ。小樽はもうさみしい秋風だろーなって、何だ、あちいじゃねーか。一週間のご無沙汰でした。みんな元気かー。って、久しぶりなのにチャットに没頭かー。

アンケートも好評じゃん。でもスタッフゆるんでますねー。カツ入れるぞー。って熱中先生じゃないんでね。どーでもいいのね。ところで先生みにきてくれたんだろーか。
ミノちゃん、友だちから「おかしーんじゃない」ってゆわれたそうな。「三年入ってんじゃん、話ちがうんじゃん」
確かにね、これは私が悪うございました。いきなり「中二に限る」だったもんね。R14逆指定だったもんね。
でもねー、(ここで開き直っちゃう)これがいつものウチのつうか私のクセなの。悪いクセなの。どんどん方針変わっちゃうのね。だって展覧会の内容だってすっかり変わったじゃん(いばってどうする)。新聞のデスク(編集長ね)いってたそうよ。「よーするに出来なくなったんじゃない?適当につくろってるだけなんじゃない?」違うんだよねー。「最初の方針」がつまんなくなっただけなの。つまんなければ「最初の方針」だろーがなかろーがどんどん変えちゃうの。つまんねーこといってないで、見にきなー、見に来てからもの言いなー、だよねー。
で、アキエちゃんもユリコちゃんも(以上中3)、なんかフラッとのぞきに来た感じでー、そのままスタッフになってしまいました。ウチは規則はないのよ。ワタシがこーりゃだめだろー、って思ったものだけね。ダメなのはね。傷つけたり(人もモノもな)とったり壊したり、以外はいーのさ。来るもの拒まんよー、っていったらコウジがダメだろーっていってた。やっぱりいっしょに作ったメンバーだけだろーってね。そりゃもっともか。じゃーね、じゃこうしましょう。また作ろう。それに入ってくれるなら、これからでもスタッフさー。これで良かんべ?

ってゆうわけでー(呑み込めんぞ)9月8、9日は「Majico祭り」だー、盛り上がろうぜー!
……おい、チャット止めなよ。


8月31日
●さっきスタッフルームに入ったら、一瞬ドキッてしたんだね。照明が半分消えてて、コウジが奥に座ってる。で、コウジの膝枕にカーサン(アキエ)とネーサン(ユリコ)が眠り込んでる。どこでも眠れる、のが特技のひとつらしいタッヒーなんか、本棚のてっぺんで小さなイビキかいている。
7時まで眠らせてやるんだ、ってコウジ。7時はタッヒーの門限だな。
いや、オトナ(私もだけどね)がみたら、ドキッだけじゃすまないかも知れん。ぜったいいうな。「ちょっとモンダイじゃないですか」ってね。

私はね。何で中学生、それも2年生だったかってゆうと。前にもちょっと書いたけど、ミステリーなんだね。「思春期」って、なんか古めかしいけどさ。身体と心のアンバランス、ってこれはどうしようもなくある。うっぜー、きっもーい、マジ切れるー、って呪文みたいにいってないと、マジもたねえだろう。

なんかマジメな顔して語るのはやーだけど、「性」にかかわってくることだね。あんまりゆってこなかったけど「まじ怖えぇ」の主要テーマだったんだ。当然、私はずっと考えてたさ。14歳の「少年A」のことをね。

何いいたいのかって、何もいいたいんじゃないんだが。さっきドアをあけたとき、コウジ(中2、幼くみえるな)の膝枕にアキエとユリコ(中3。二人とも黙っていればけっこうオトナにみえる)が眠り込んでてさ。本棚の上にタッヒーが眠り込んでる。
そんでコウジが半分灯り消してるからさ、シルエットになってるのね。いや、ヘンかも知れないけどね。こう思ったんだ。
「聖画みたいだな……」ってね。

スタッフのほぼ唯一の共通の話題のアニメキャラみててもさ、「中性」だよね。なんかとってもビミョーではかない感じだ。

いや、そろそろさ、どうやって終わらせようか、って段階に来てるじゃん。で、Majico終わっても、スタッフにはヒマなときには、来てほしいのさ。用なんか何もなくてもね。「中学校卒業までのフリーパス出したいんだけど」って、事務長に話したら、「どういう名目作るかだな」っていわれた。そうだね、「名目」ってのは必要だ。実質を通すために「名目」が必要なんだね。戦略、っていってもいいんだけどね。

もちろん、こどものための文芸クラブ、なんて作る気毛頭ねえよ。科学館のジュニアクラブも遊びだからおもしろいんだ。文芸クラブじゃどーしよーもないよねー。

で考えた。こいつら文学館に来て何してる。絵描いてー、チャットしてー、コンビニのタヌキウドン食ってー、タッヒーの霊能とか、コウジのマジックの新作とか、学校行きたくないよねー、とか。
ちゃん、ちゃん。思いつきましたぜ。しばらくしたら始まるよ。「新企画」がね。もっち、中学生限定だ。


9月6日
●寄せ書きくれてうれしいぜ。3番目のMyお宝だねー。でも泣くのはもうちょい後にとっとくよ。私ゃ先生にはなれなかったし、まーならなくって良かったんだけどね。いっちょやってみたいことあんだ。ベタすぎてみんなヒカせるけどねー、「卒業式」な。で、あれ唄ってもらいたいの。「仰げば尊し」……。あら、みんなどこ行ったの?

気を取り直して、ラスト・イベント。あーやっちゃうよー、禁断の。「百物語」。うっきゃー。

9月8日(土)午後5時30分より。会場は「Majico」入口前だ。ゲスト出演もありうるねー。って、だーれ、呼んでないヒト来てねーか……なんつーてな。

タッヒーは、「新築のお祓いの仕事済ませてから来ます」って。……うっきゃー……。


9月9日
「百物語」すごかったねえ……。あんなになるとはな。


イラスト・玉川桜(けっこう時間かかったんだからちゃんと使えよー、っていわれちまった)

だいじょうぶか、きのうダウンしたみんな。って書いたところで電話入った。きのう突然指名しちゃった石垣さん(文学館のスタッフ)から、午前中休ませてくれって。グアイ悪いのかって聞いたら「……昼頃にはダイジョブだと思うけど」って、アワワ、だな……。だってさ、きのうやってるさいちゅうに、4人はダウンしたぞ。
いちおう、どうゆうふうにしたか説明しとこーねー。
インターネットとかで調べてさ、まがりなりにね、古式にのっとったわけだ。まがりなりだけどねー。

その「古式」は、こんなやつだ。

江戸時代(一六○三〜一八六七年)のことである。夜、話手たちが暗室にあつまり、怪談を語り合い、恐怖を楽しんだ。これを百物語という。江戸時代の「伽婢子(おとぎぼうこ)」(浅井了意(あさいりょうい)著)という古文書にそのようすは詳しくしるされている。

百物語を行う前、参加者は青い衣を身にまとい、一室に集結する。その部屋の隣の部屋には、青い紙をはった行灯を用意し、灯油をたっぷり注いだ灯芯百本をならべ、灯を点します。行灯の横には文机(ふづくえ)を設置し、その上に鏡をたてかける。一つ怪談を語り終えた者は席をたち、行灯のある部屋まで暗闇のなかを手探りであるいていき、灯芯を消しに行きます。そして、鏡に顔を写して帰ってくるのです。
灯芯を消しにいっている間も怪談は語り続けられ、怪談は九十九話でうちきられます。残った最後の火をともし続け、朝を待ちます。朝日が出れば解散です。
なぜ九十九話で終わらせたかというと、百話語ると、何らかの怪異が起きると信じられていたからなのです。

結局、あそこでやったのね。地下の「会場」の前。椅子とか降ろしてね。
火を使うのはヤバイからさー。それに100個はムリだから。100円ショップで、懐中電灯10本買ってきた。それに青いセロファン貼ってね。あそこに並べた。会場の、鏡、の前にね。鏡があったんだよねー。これのためみたいにさ。
そんで朝までやってらんないからさ。十物語つうか、十人物語ね。十人に語ってもらったわけ。
えっと、スタッフのレイナちゃんとミノちゃんとミナミとコウジとタッヒーとアキエちゃんと、あとはゲストつうかオトナの人ね。文学館の石垣美雪さん、それから詩人で昔この建物(貯金局だったころね)に勤めてた萩原貢さん、公園を設計したりするお仕事をしてる片桐保昭さん。これで9人。10人目だれよ、やだよー、てんで仕方ないから話のネタなにもないが、ワタシ。
でレイナちゃんが一人目で、語り終わったら「会場」に入っていって「1本」消すわけだ。あーっと、鏡のぞくの忘れないでねー。
でさー、いやオレはまったくなんともなかったんだけどなー、案の定つうかね。そりゃ、片桐さんの話とか怖かったぞー。萩原さんの語りは、もう安心して(こどもたちは恐怖のどん底か)聞いてられたし、それから美雪ちゃん(ちゃん呼ばわりかー)もね。ワタシ別な意味で感心しちゃった。こんな「語り」の才能あったのかーってね。
でもね、みんなだんだん寒くなってきたってゆうの。いやそんな寒い晩じゃなかったんだよ。でもね、うずくまっちゃったり、すみませんアタマが、って子がゾクシュツなんだなー。あのミノちゃんまでさ(さすがに上で少し休んだだけでバリバリに回復したけどね)。
スタッフの話もみんなけっこう怖かったよ。でも強力だったのは、やっぱりタッヒーだったな。だってタッヒーのは「話」じゃないんだもの。「警告」だったんだよ。危険だ、ここは危険だ、いまひどいことになってるってね……。あっちゃー、だなー。最後タッヒー何だか汗まみれ、息あがっちゃってたぞ。何だかわかんねーけど、全力使い果たしたって感じ?
で改めて思ったつうか、確信したわけだ。
この子たちの「感受性」(もう「霊感」とかいわなくてもいいだろう)をな。身体全体のね。
Majicoのアンケートに「汚いだけね、来年はもう少し工夫しましょうね」って書いてくださったオバサン、長生きしろよー、アタマからつま先まで「健全な」ニブサ(良識?)に守られてねー。
それにしても美雪(呼び捨てかよ)ダイジョブかー、みなおしたぞー、中学生並みの感受性(褒めてんだよー)だったんだなー。


9月27日
●うーん。終わるな。さびしいねー。ムナしーよねー。
でも、to be continued だ。
続くよ。終わんねーよ。Majicoもそうだけどさ。企画なんてのはね。目的じゃねーのさ。じゃー目的は何だろー。
それはハッキリしてるんだ。キミらの「場所」を作り、守ることだ。ここだよ。この「小樽文学館」がその場所だ。
ちょっと「制約」かかるぞ。ま、な。あんまり遅くなんなよー、とかー、散らかすなよ、散らかしてもまーいいが、痕跡残すなー、とか。チャット3時間は、ちょっとなー、とか。
で、もういちどくり返す。その「制約」も手段なのさ。この「目的」そーやさしくはねえぜ。ほんとにケーゾクするにはねー。オレだってさ、オレだってずーっといるって約束は出来ねーよ。でも、ここはある。ここはずーっとキミたちの場所でありうる。そのためにはさ。そうするためにはさ。手段は選ばんよ。「企画」も「制約」もお望みなら何だってやってあげるよ。でもー。手段は手段。たかがー、手段さ。手段なんて、しょせんチンケさ。

さ、29日は卒業式だ。お約束だねー(いつの約束だ……)。「仰げば尊し」唄ってもらうぜー。名曲だよ。いまいろんな歌唄うらしーが、「仰げば尊し」超える歌ねーよ。格調、清潔、どうみてもこれがいちばんだ。
唄わなくなったらしーな。誰も知らねー。二番だってね。二番の歌詞がいけねーんだと。
「身を立て名を上げ」ってのが。バッカいってんじゃねーよ。どこが悪いんだよー。「身を立て名を上げ」ってのがさー。

さ、いちおう終わりだ。改めて名乗ってもらおーか。

majicoスタッフ

菁園中学校
田平唯(タヒラ・ユイ)
井村翔子(イムラ・ショウコ)
池田千晶(イケダ・チアキ)
秋谷怜奈(アキヤ・レイナ)
山本祐梨子(ヤマモト・ユリコ)
堀田直実(ホッタ・ナオミ)

東山中学校
坂田暁絵(サカタ・アキエ)

西陵中学校
加須屋幸司(カスヤ・コウジ)
南さとみ(ミナミ・サトミ)
三島啓志郎(ミシマ・ケイシロウ)
高橋美濃(タカハシ・ミノ)

松ヶ枝中学校
森本恵(モリモト・メグミ)
佐藤亜美(サトウ・アミ)
三浦由利子(ミウラ・ユリコ)

そして、
小樽文学館
玉川薫(タマガワ・カオル)

みんなー、身を立てなよー、まっすぐなー。名をあげなよー。
ヒーローはオレだぜー。ヒロインはワタシさー。
名前、いってやろーかー。よく聴けよー。

ワタシの名前は。オレの名前は。……だ!!。


9月27日
仰げば尊し

仰げば尊し、我が師の恩。
教えの庭にも、早や幾年。
思えばいと疾し、この歳月。
今こそ別れめ、いざさらば。

互いに睦みし、日頃の恩。
別るる後にも、やよ忘るな。
身を立て名を上げ、やよ励めよ。
今こそ別れめ、いざさらば。

朝夕馴れにし、学びの窓。
蛍の灯火、積む白雪。
忘るる間ぞ無き、行く歳月。
今こそ別れめ、いざさらば。

チョーてきとうな訳。

1ばん(スタッフ)
まー、センセー、じゃなくタマちゃんとかブンガクカンには世話になったなー。
恩にきるぜー。
このルームも3カ月くらいなじんだよなー。
早いなー、考えればさー。
とりあえずはお別れだねー、サヨナラ。

2ばん(私)
遊ばせてもらったよ、恩にきるよ。
これからも忘れてくれんなよー。
まっすぐ立てよー、大きく名前をいおうぜ。がんばんなよー。
とりあえずはお別れか。サヨナラだね。またすぐ来いよー。

3ばん(みんな)
朝から夜までいたこともあったよねー。
ホタルの光、マドの雪なんつーてね。
忘れるほど前のことじゃないけどさ。早いな。ときの立つのってね。
今はね、とりあえずお別れだけど。サヨナラだけど。また会おーねー。

(終わり)