ボトックスR100について




  「眼瞼痙攣」または「片側顔面痙攣」に対する治療薬です。眼の周囲または顔面の筋肉が異常に緊張して起こる病気です。今回、あなたに使用をおすすめる薬は、ボトックス注100といいます。ボトックスは1989年にアメリカで最初に医薬品として承認され、以来筋肉の緊張を伴う疾患に対して広く用いられています。現在世界70カ国以上で承認されており、これまでに世界で数百万人の方がこの薬の投与を受けています。日本では、1997年4月に発売され、現在までに最少齢では、3歳、最高齢では100歳を超える3万人以上の方がこの薬の投与を受けています(2004年3月現在)。この薬による治療を受ける際は、以下の点を十分理解していただき、納得の上で治療を受けて下さい。

1.注入方法について
 ツベルクリン注射の時のように豆注射を、通常目の周りの6箇所注射します。従って注入時には、注射4回分の痛みを我慢していただくことになります。痛みの強い方には、セロハンテープのような麻酔テープで予め麻酔をして注入を行います。

2.薬の成分について
 この薬は、ボツリヌス菌がつくり出すA型ボツリヌス毒素を有効成分とするお薬です。細菌そのものを注射するわけではありませんので、ボツリヌス菌に感染するといった危険性はありません。いろいろな研究の結果、この毒素をごく少量を緊張している筋肉に直接注射すると、筋肉がゆるみ緊張や痙攣がおさまることがわかり、医薬品として利用されるようになりました。しかし、近年のテロやイラク開戦時想定された「生物化学兵器」の原材料となりうる可能性も指摘されているため、この薬は非常に厳重な管理のもとで使用しております。

3.効果について
 神経と筋肉の間では、アセチルコリンという化学物質が放出されて情報伝達を行っています。この薬は注射された場所に留まってアセチルコリンの放出を阻害することにより、神経と筋肉の間の情報伝達を阻害します。その結果、注射された筋肉の痙攣や緊張だけが抑えられます。この薬の効果は約1週間で現れ、通常3ヶ月持続します。この薬の効果は、時間が経つに連れて徐々に消失し、再び痙攣などの症状が起こってきます。従って、症状が再発する毎に、繰り返し薬を注射することが必要になります。
 この薬は日本で1997年4月に眼瞼痙攣の治療薬として発売され、2000年1月に片側顔面痙攣に対する使用が追加承認されました。国内では、これまでに眼瞼痙攣・片側顔面痙攣それぞれ10,000人以上がこの薬による治療を受けています。発売時から2002年12月28日までの調査では、眼瞼痙攣の83.09%、片側顔面痙攣の93.14%において、「著明改善」または「改善」の効果が得られています(「著明改善」「改善」「やや改善」「不変」「増悪」の5段階評価)。この薬はタンパク質のため、治療を続けていくうちに、免疫反応によって体内に中和抗体が作られ、効果が失われることがあります。このようなことはごく稀にしか起こりませんが、治療の間隔が短い場合などに起こりやすいことがわかっています。効果が失われる以外には、影響はありません。

4.副作用について
@国内では2万人以上にこの薬が使用され、重い副作用は起きておりません(2004年3月時点)。発売時から2002年12月28日までの調査では、眼瞼痙攣の10.45%、片側顔面痙攣の9.00%(4010人中361人)において副作用が報告されといます。これらのほとんどは、薬の作用が予想以上に強くあらわれた結果と考えられるもので、薬の効果が弱まるとともに回復しています。
A皮膚に発疹があらわれるなどの副作用が起こることがあります。これは重いアレルギー反応の可能性もありますので、医師に申し出てください
B眼の周囲に注射後、まぶたが閉じにくくなる、目の乾燥感などの副作用が10人に一人くらい起こります。薬が効きすぎた場合に起こる副作用で、数週間でほとんど回復します。また、物が二重に見えるなどの副作用が起こることがあります。薬が効きすぎた場合に起こる副作用で、数週間でほとんど回復します。

5.その他の注意点
@この薬を以前に使用し、発疹などのアレルギーを経験したことがある場合や、他の薬や食べ物に対するアレルギーがある場合は、医師に申し出てください。
A使用中の薬剤は市販薬も含め医師に申し出てください。とりわけ、アミノグリコシド系の抗生物質、パーキンソン病の治療薬、筋肉の緊張を和らげる薬、精神安定剤の投与を受けている方は、医師に申し出て指示に従って下さい。これはボトックス注100をこれらと同時に使用すると、効果が強くあらわれることがあり、十分な観察のもとで投与を行う必要があるためです。全身性の筋肉の脱力などの病気(例えば、重症筋無力症、ランバート・イートン症候群、筋萎縮性側索硬化症など)がある場合は、これらの病気を悪くすることがありますので使用できません。
B妊娠中の女性の方は、妊娠に対する安全性が確立していないため、使用できません。また、妊娠する可能のある女性の方は、投与中および最終投与後の2回の月経を経るまでは避妊するようにして下さい。授乳中の女性の方は母乳への移行が不明なため、使用できません。男性の場合は、投与中および最終投与後の少なくとも3ヶ月は避妊するようにして下さい。
C15未満の「眼瞼痙攣」「片側顔面痙攣」の小児については臨床試験で評価が行われておりませんので実施しません。

6.費用について
 この薬物は保険の適用となっていますが一本10万円ほどの高価な薬です。1割負担の方で一回1万円、3割負担の方で一回3万円のご負担となります。さらに3ヶ月ごと、年4回注入するとその4倍の金額が年間かかります。このような費用の面についても、治療を受ける前にご了解いただきたいと思います。

使用後の失活処理
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