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沖縄で一番寒い日

1月某日。さいたさえは沖縄へ旅立った・・・・・・。
その2 出発の日
その2 出発の日
 寒い。何だ、この寒さは。朝っぱらから頬をすっと冷たい風が横切るような寒さで、目が覚めた。父親の低くて太い声が遠くから地鳴りのように響く。
「窓の外を見てみろ」
 愛車ムササビ号は薄紫の車体が埋もれてしまうくらい白く染まっている。父の作った庭の野菜畑も、ふんわりとやわらかい雪に一面覆われていた。久しぶりに松山に降った雪。よりにもよって、私が旅立とうとする朝に。
 
 松山の気温マイナス2度だという。JRは30分遅れて運行している。いつも以上に分厚いコートを羽織った人々が行き交う中、一人、南国へと旅立つ準備万端のトランクを引きずりながら、駅のホームを駆け抜ける。本当は丸一日休みとってもよかったのだが、先週の休日出勤の代休をケチ臭く半日だけ使うことにした。でも結局、午前中の仕事は、飛行機が無事飛ぶかどうかの心配ごとに費やされた。時計の針が12時を差したとき、意気揚々と会社をあとに、空港行きのバスに乗った。
 
 今回の3日間のツアーは地元企業の企画したマル得ツアー。松山空港発着で、4人部屋の場合、お1人様29,800円という。2人部屋だと追加料金がかかるが、それでもホテル2泊と飛行機代をあわせた料金にしては激安である。友人の両親が申し込んでくれ、そのご好意に甘えたのだ。
 
集合時間より1時間前に友人らと空港で待ち合わせた。雪はもう溶けてはいたが、それでも冷える。南国へ行くにはちょっとオーバーかと思いながらも、結局皮コートとマフラーは手放せなかった。
 
いよいよ出発の時間。飛行機に乗り込むと、なんだか軽やかなメロディーが流れている。どうやら、「島唄」のようである。飛行機の中から沖縄気分を味わわせてくれるらしい。それにしても機内は異常に暑い。これも沖縄の気温に体を慣れさせるためのものなのか、沖縄の人にとって、松山が寒すぎるのか、よくわからないが、火照る体とともに、何だかテンションも高くなっていく。私は初めて新幹線に乗った子どものように、まだ松山から飛び立っていない飛行機の窓に顔をくっつけていた。
 

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Last updated: 2004/3/14