2007/04/17発行 2008/03/24 更新2-32

ストラバイト完防の第2手段は肉食オンリー
(野菜・果物、火に油!)
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ストラバイトアルカリ性の尿に析出したキラキラ光って見える砂粒状の結晶)を
溶かすのは簡単至極。尿を一過性に弱酸性(pH6.4±0.2)以下に下げるだけ!
それには 1に運動、2に
肉食(野菜・果物厳禁)、呆気ないほど簡単なんです。
事実に勝る権威なし!   反論・疑問は後回し!   理論なんぞは学者の仕事!
先ず、お試しあれ!
(ただし、老犬・老猫や臓器不全などの病弱個体を除く)。
 

 


  はじめに (唖然、呆然、超ビックリ)

 運動第一の冒頭に、「運動すれば必ず尿pHが低下する。飼い主様ご自身で我が子(犬・猫)の運動中や運動後の尿pHをチェックして確認してほしい」、とお願いしておきました。
 ナルホド。本当に尿が酸性になった。でも、すぐまた上がったり下がったりして、目まぐるしく変化するというのは本当っだった。と、納得してくださる飼い主様ばかりです。

 ところが、青天の霹靂。「ハスキー犬を自転車で伴走し充分に運動させている。運動後の尿pHが低下せずアルカリ性のままだ。運動療法なんてウソだ」、というメールが来ました。
 サテ困った、どうしよう。慢性腎不全など病気持ちの犬だったのだろうか? 恐る恐る、
あれこれ思いつく原因を飼い主様に質問させていただきました。そこで分かったのです。
何とまあ、意外や意外、運動後にキューリやスイカなどをご褒美で食べさせていたのです。

 ギョッ、唖然、呆然、超ビックリ! それじゃあ、尿がアルカリ性になるのも、しょうがない!
野菜や果物は尿をアルカリ性にします。しかも、運動後の空腹時に食べると効き目が増し、ピョンと尿のpHが急上昇します。
ニンゲンがそうなんだから、犬も猫も同じはずです。
(詳しくは、痛風や糖尿病の人々に良かれと思って公開した「尿pHアップの秘訣その2」を
読んでください。中ごろに、「運動後にアルカリ性食品を食べると数10分後に尿pHが急上昇してアルカリ性になる」、と書いております)

 無知とは恐ろしいものです。誰も教えてあげなかったのだから、飼い主さんに責任はない。とは言うものの、飼い主の無知によって、運動しながらストラバイトの危険に曝される犬が可哀想です。でも、他人事じゃない。私だって同じ過ちを犯しかねないのかもしれません。
どいつもこいつも私も、みんな群盲撫象なんでしょうね。心して自戒せねばなりますまい。
 

 

 


ストラバイトの不安があるときくらいは、止めといたら…

 ストラバイとストルバイトの検索に引っ掛かった300件近くの部録を拝見させていただき、一番驚いたのが旧態依然として野菜・果物が登場していることです。
 特許pHスティックご利用の飼い主様たちに、5年間以上にわたってシツコク何度も野菜・果物厳禁を奨励して参りました。もうそろそろ口伝えに広まり、当たり前の常識として定着してよさそうなはずなのに……。どうやら現実は、焼け石に水だったらしい。

 キャベツやレタス、ブロッコリー、キューリ、ニンジン、大根などの野菜、大豆や小豆などの豆類(納豆、豆腐)、メロンやスイカ、リンゴなどの果物を食べると、尿pHが上昇してアルカリ性になる。それ故、アルカリ性食品と呼ばれているのです(下表参照)。
 ウソだと思うなら、あなたが空腹時に野菜や果物を食べ、食後3時間以内に出てきた尿のpHをチェックしてください。あなたが動脈硬化の進んだ老人でなければ、必ず尿pHが一過性に上昇し、弱酸性〜アルカリ性の尿が出ているはずです。人間も犬も猫も同じです。

 せっかく尿を酸性にする肉や魚を食べさせながら、わざわざ野菜や果物を添えたがるのは何故なんでしょうね。尿pHを低下させる酸性食品の効果を邪魔するばかりか、アルカリ性のまま停滞している尿をさらにアルカリ化しかねない。火に油を注ぐ愚行とは、このことです。

 そもそも、一年中、庭の犬小屋で寝起きしている運動十分で健康な犬や、いつでも家の外に出てスズメを食べたり、ライバルたちとケンカのできる元気で健康な猫であれば、アルカリ性食品もヘッタクリもありゃしない。何を食べたって、ストラバイトなんぞとは無縁です。
 たとえば、庭へ侵入してきた猫に跳びかかった犬は、攻撃本能を触発されて交感神経が緊張し、四肢の筋肉が激しく動いて乳酸が溜まるので尿が一過性に酸性化します。
 同様に、犬に襲われた猫は、恐怖で交感神経が緊張すると共に、全力で塀を乗り越えるなどして四肢の筋肉を使うため、尿が一過性に酸性化します(だからストラバイト無縁)。

 室内暮らしの犬・猫においては、せめてストラバイトの不安があるときくらい、なるべくアルカリ性食品を食べさせない方がよろしいのではないでしょうか。
 運動励行など生活習慣の改善によって、健康な犬や猫と同じように尿pHが目まぐるしく
一過性に上昇・下降を繰り返すようになれば、もう大丈夫。一犬前・一猫前のエサのように何を食べさせようとも、飼い主さんの自由勝手です。

 ただし、歩くのを嫌がるようになった老犬・老猫は別です。運動不足のため尿がアルカリ性に傾きがちなので、なるべくアルカリ性食品を食べさせない方が無難です。
 ちょっと油断しただけでも、ストラバイトが出来て尿道詰まりを起こしたり、蓚酸カルシウムの膀胱結石を作ったりしかねません。どうぞ小まめに尿pHをチェックしてあげ、尿がアルカリ性になったまま低下しないときは、ぜひ肉食オンリ−に徹していただきたいものです。

 やがて動脈硬化が進行すると、腎臓への血行不良によって尿pHが上昇・下降の変化をしなくなり、いつもpH5.4前後の酸性尿しか出なくなります。さらに老化が進むと寝たきり状態になり、糞尿を垂れ流すようになります。そして間もなく、何も食べなくなります。だから、歩けなくなった老犬・老猫に酸性・アルカリ性食品などとこだわったてしょうがない。好きなものを好きなだけ食べさせて、静かに死なせてあげましょう。

 ニンゲンが老化して死んで行くのを誰も止められないように、我が子(犬・猫)の老化を止めるクスリやサプリや健康法など、そんなものは存在するわけがありません。動物は動いてこそ動物なんです。動けなくなった動物は、静かに死なせてあげてほしいものです。
 

 

 


酸性食品・アルカリ性食品があるのです!

 ストラバイトの不安を抱える緊急事態にもかかわらず、愛犬・愛猫にとっては「毒」とも呼べる野菜や果物を、飼い主さんたちが食べさせたがるのは何故なのか?

 歩くのも億劫そうな肥満の飼い主さんが野菜・果物はダイエットに有効と信じ込み、肥満気味の我が子(犬・猫)にも良かれと思って、安直に食べさせているのかもしれない。
 犬も猫も旨そうな匂いには敏感です。でも、食餌の見た目なんか全く気にしない。にもかかわらず、変に擬人化したがる飼い主さんがいて、彩り美しくと心がけているのかもしれない。
それとも、肉食動物に野菜・果物は必要だと説く変な学説が横行しているのだろうか?

 私が推察するところ、大半の飼い主さんが「酸性食品・アルカリ性食品」の存在を知らないのではないかと思われます。皆さん、何故、ご存知ないのだろう?

 @食べると尿が酸性やアルカリ性になる食品なんてものは存在しない、と医学会や栄養学会などで公式に否定されたのだろうか。たとえそうであっても、私が自分を実験動物にして得られた体験では、「酸性・アルカリ性食品」が存在することは間違いない事実です。

 A酸性体質・アルカリ性体質などというインチキな体質論(あの潰れた「あるある大事典」でも紹介されていた)への反動として、大正時代に明らかにされた「酸性食品・アルカリ性食品」(下表)の存在まで否定され、忘れ去られてしまったのかもしれない。

 B飼い主さんたちに「酸性・アルカリ性食品」が知られてはマズイ。知られると○○が売れなくなるから隠し続けよう。その方が得だ、と考える大勢力があるのかもしれない。

 アルカリ性食品を食べさせたり、狭い室内やケージ内に閉じ込めっぱなしにして運動をさせなかったり、ホットカーペットなどの上に寝かせて電磁波を浴びせ続けたり、可愛がりすぎて交感神経を弛緩させしたりして尿がアルカリ性になったとき、その状態は一過性でなければなりません。アルカリ性の状態が長引くと尿にストラバイトが出てくるからです。
 尿のpHは5〜8くらいの範囲内で、目まぐるしく上昇・下降を繰り返しているのが正常な姿です。アルカリ性のまま長引かせてはいけないのです。急いで一過性に弱酸性〜酸性に低下させなければならないのです。そうしないと、骨組織から流出した燐酸塩類が尿中で結晶化し、肉眼で見えるストラバイトになり、尿道閉鎖や膀胱結石を経て尿毒症に至ります。

 幸い、尿の酸性化なんて、あっけないほど簡単。1に運動、2に肉食です。
 

 

 


昔の医師のバイブル 『内科診療の実際』

 それはともかく、現実に尿を酸性化する酸性食品と、逆にアルカリ性にするアルカリ性食品が存在することは、大正時代に発行された医学専門書(内科診療の実際:南山堂)に明記されていました。私は、先人の業績を現代人に紹介しただけにすぎません。
 

 

 

 

 医食同源」という熟語は、てっきり漢方医学の常用語だと思っていたら、そうじゃないんだそうですね。
 事実かどうか確かめていませんが、なんと昭和30年代に日本人が造語したんだという。もしかしたら、造語のヒントは左の医学書あたりにあったのかもしれません。
 この医学書は、長年、内科医のバイブルであったらしい。
改版編者の序文に、「第二次世界戦中、フイリッピン海域で、敵魚雷の攻撃を受けて、爆沈するその刹那にも、この青本を腹に巻きつけて守り抜いた」とか、「ビルマ作戦に惜敗、辛うじて山中に隠れ、飢渇寸前、吾世の栄利など放下了した其折にも、本書を膝にして、深く人生に喰い入った」とか、「今次事変中、定価六円五十銭のこの青本が、六百幾十円に暴騰し、いずこの書店でも入手しえなかった間、佐渡が島から、遥々、三度も上京、神田の書店を漁り尽したが、遂に得ず」とか、まあ並大抵の医学書じゃなさそうなことがうかがわれます。

 

 


 この「青本」なる医学専門書を私が買ったのは、「獣医の学生にも役に立つから買え」と家畜内科の教官に勧められたからです。
 獣医学なんて医学のマネの「従医学」だと自嘲する家畜外科の教官もいて、ヘソ曲がりの学生だった私の自尊心は、いたく傷つけられていたのですが、それでもフィラリア研究で有名な内科教官の指示に従い、なけなしのバイト代をはたいて購入した懐かしの医学書です。
 ずっと後になって、獣医業界でそれなりの業績を私が誇れるようになってから、「獣医師は従医に非ずして『自由医』なり。動物の診療は西洋医学だろうが、東洋医学だろうが、民間療法だろうが、はたまた奇怪な自己流だろうが、とにかく動物の病気や怪我を治せさえすればいい。何でもかんでも自由に取り込んで好きなようにやればいいんだ」、などと広言するようになったのは、かって卑下する姿を学生に見せた外科教官への反発もありました。
 それはともかく、この医学専門書は病名や用語にドイツ語が併記されている古めかしいものですが、もしかしたら、酸性・アルカリ性食品の知識は漢方由来でなく、西洋医学の一分野として発展してきたものかもしれません。
 漢方か西洋医学か、そんな来歴調べはさておき、この医学書に書かれていることこそ、現在、書店の実用書コーナーに並んでいる酸性・アルカリ性食品に関する健康書の元本なのではなかろうか。そう思われましたので、古風な漢文調の文章を現代風に読みやすく翻訳して紹介します。(以下割愛。
拙著『出てますか?弱酸性尿』、p56〜57から転載

 そのバイブルの第14章「酸性食とアルカリ食療法」に、医食同源と全く同じ医療思想が書かれていました。80年以上も昔の先人たち(たぶん医師?)は、体内のアルカリ過剰で常にアルカリ性の尿を出し続けている患者には酸性食品を食べさせ、体内で生成した酸類を中和するアルカリが不足して常に酸性の尿を出し続けている病人にはアルカリ性食品を食べさせる「食療法」を発明していたのです。

 〔酸性食療法の適応〕 泌尿器疾患(腎盂炎、膀胱炎)、癲癇、喘息、片頭痛、テタニー、嘔吐、
                 結核、其他同化作用旺盛期(発育期、恢復期)

  〔アルカリ食療法の適応〕 糖尿病及び腎臓病で酸毒症傾向ある者、熱性病、リウマチ、痛風、
                    高血圧症、胃潰瘍、神経衰弱、皮膚病、蕁麻疹、フルンケル

 バイブルに書いてある酸性・アルカリ性食品は特殊な輸入品などではなく、現在でもスーパーマーケットなどで容易に買える国産品です。 拙著『出てますか?弱酸性尿』に詳しく紹介しておきましたが、このホームページの痛風患者さん向け「尿pHアップの秘訣」の下の方に転載しておきました(下表に抜粋、蓚酸カルシウム結石の予防には茹で野菜厳禁ご必読)。 
 

 

表1 80年以上も昔に明らかにされていた酸性・アルカリ性食品リスト
(『内科診療の実際』、南山堂、大正11年初版、p1468〜1470を参考にして改編)

酸 性 食 品

ア ル カ リ 性 食 品


 肉類:牛肉、豚肉、羊肉、兎肉、鶏肉、ハム、
  ベーコン、ソーセージ、牛脂、豚脂など

 魚介類:刺身、干魚、鰹節、エビ、カニ、
  タコ、イカ、するめ、貝柱、カキ、アサリ、
  ハマグリ、たらこ、数の子、キャビアなど

 穀類:米、小麦、大麦、うどん、パン、パスタ、
  燕麦、オートミル、蕎麦、トウモロコシなど

 豆類:落花生、そら豆、えんどう豆
 酒類:清酒、ビール、ブランデ、ウイスキー、
  酒粕、奈良漬、味醂、サイダー、酢など
 その他:クルミ、慈姑、海苔、砂糖、ココア、
  チョコレート、飴、羊羹、カステラ、饅頭、
  卵、卵黄、バター、チーズなど

 
 海藻類:寒天、ワカメ、コンブ、ヒジキなど
 果菜類:トマト、キューリ、ウリ、スイカ、
  メロン、カボチャ、ナスなど
 葉菜類:ホウレン草、キャベツ、京菜、白菜
  小松菜、三つ葉、セロリ、アスパラガスなど
 根菜類:大根、蕪、ゴボウ、ニンジン、里芋、
  ジャガ芋、サツマ芋、山芋、百合、タマネギ
  蓮根、コンニャクなど
 茸類:シイタケ、マツタケ、松露など
 果実類:ミカン、イチジク、ブドウ、クリ、ナシ
  リンゴ、サクランボ、バナナ、柿、桃など
 豆類:インゲン豆、小豆、大豆、金時豆、
  黒豆、なた豆、豆腐、高野豆腐など
 その他:筍、茶、コーヒー、赤ブドウ酒、醤油
  味噌、梅干、福神漬、小魚、煮干、牛乳、
  粉乳、練乳、脱脂乳、血液、クエン酸など
 

強弱4グループに分けている原資料(「内科診療の実際」より抜粋)に興味がある方は、
pHスティックご発注の際、Dr.中島健次への質問欄に
食品資料請求とご記入ください。

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