1979年4月2日 新宿 ホテル・サンルート記者会見から
―初来日の感想。
ボブ 実現できて、いま良い気持ちです。日本については、前から興味を持っていました。
宗教を持っている国としても…。
―信仰する神。
ボブ 私は聖書を読んで育った。
―日本の宗教について。
ボブ 日本には今関心がある。古い国だし、文化的な歴史もある。先進性や思想性を重視した
この国の宗教は、我々の宗教と共通するところがある。つまり、愛と自然を求めるという点で…。
―他のアーチストのレゲエとの違いについて。
ボブ 15年ほど演奏活動をやっているが、テクニックとかあらゆる面で、他の連中をリードしていると
信じている。我々のレゲエは、革命、抵抗などのメッセージをおりこんでいる点で、他の人が娯楽のために
やっているのとは違うんだ。
―ロックについて。
ボブ 音楽は2つにわけられると思う。1つは悪に近づいていく音楽、つまり悪魔にささげる音楽と神にささげる
音楽の2つだ。私の音楽は後者の方だと思う。ロックがどちらに属するのか何とも言えない。悪魔に近づく音楽とは、
我々が人生そのものを歌い、人生に根づいた音楽をやっているのに反し、人生に根づいていない音楽だ。
―白人(E・クラプトン、M・ジャガー等)がやっているレゲエについて。
ボブ 我々のレゲエとは、はっきり違うと思う。我々はレゲエと人生を切り離せないが、彼等は経済的な意図でとりあげている
のだろう。
―パンクについて。
ボブ パンクとレゲエの類似点があるとすれば、反体制的なところだ。
しかし、音楽的にはロックとレゲエは競争できるかもしれないが、パンクはさして脅威ではない。
―音楽はメッセージを伝える手段か。
ボブ 音楽というものは、宇宙の言葉だ。誰にでもわかるものだ。
音楽は神のメッセージを伝えるために、最も良い手段だと思う。
―プライベートな自分とミュージシャンとしての自分のコントロールについて
ボブ 男として決断を迫られるような場合があるかもしれないが、私は今のままの状態で、それに取り組むだろう。
神が私にしてくれたものだから…。
―ラスタ(神)の顔。
ボブ 人それぞれイメージがあるが、神は人間と同じ体つきをしていると思う。
(この時、ボブは帽子をとり、きっとこんな姿だろうと語った。それはあのドレッド・ロックと呼ばれる蛇状の頭髪だった。
―ドレッド・ロックについて。
ボブ 73年以来、私の信仰上、神に近い姿でありたいということで始めた。
自然に、このヘアー・スタイルになっているので何もやっていない。
―レゲエの語源について。
ボブ 作られた言葉で、キングス・ミュージックのことを意味する。
70年代のはじめ頃から、ジャマイカで使われはじめたが誰が最初に使ったのかはわからない。
―ツアーにコックを同行する理由。
ボブ 大きな理由は宗教上の理由だ。我々は何でも食べるわけではない。
食べて良いものは、野菜とか、うろこのある魚だ。肉や貝類は食べない。
―トレード・マークの緑と黄と赤の3色旗の意味。
ボブ 緑は大地、黄色はゴールド=活力、赤は血を意味する。
エチオピアの国旗の色だが、我々はエチオピア人でもあるし、やっている音楽にも3つの要素が含まれると思う。
―アフリカの現状について。
ボブ 本来、無力の人間は苦しむ必要はないが、権勢欲をもつと争いがはじまり、お互いを傷つけ合う。
我々の神を信じればそれも時が解決し、平和を取り戻す日が来ると思う。
―黒人だけの国をつくるべきかについて。
ボブ アフリカは、やはりアフリカ人が住むところだ。
ヨーロッパ人がヨーロッパにルーツをアジア人がアジアにルーツを持っているように…。
―マリファナについて。
ボブ ラスタファリアンたちは地上にはえてくる薬草を使ったり、また使うのと同じ気持ちでマリファナを使用する。
この地球上には、いろいろな国があるのだから、禁止していることにどうという気持ちはない。
アルコールには共同体意識が生まれることはないと思うが…。
戻る
