大山漢方堂薬局 特集:牛黄(ゴオウ) #2
六神丸(ろくしんがん)
牛黄精心丸(ごおうせいしんがん)
人参牛黄散(にんじんごおうさん)


    


漢方専門 大山漢方堂薬局 医学博士 大山博行

「かけがえのない健康」を支える高貴薬「牛黄(ゴオウ)」 牛黄は、万病に効く生薬

高価な薬、効目で実証

古くから、ゴオウ(牛黄)は「金」の何倍もの値段がつく「高価な生薬」と言われている。
 そもそも価値は、重要と供給のバランスによって決まるもの。 
 つまり、「牛黄」がいかに人々に求められている高価な「薬」であるかを示している。
 牛黄は、ひと言でいってしまえば、牛の胆嚢(たんのう)にてきた胆石(結石)のこと。
 しかし、この胆石が発見できるのは「牛1000頭に1頭とも、10000頭に1頭ともいわれ」、
その希少性と多くの人の健康を支える素晴らしい薬効が相まって、高価な値段が形成されている。
 牛黄は、「高貴薬の中でも、ひときわ価値のある特別な存在」とされている「黄金の生薬」なのだ。
 「無病息災のお守り」として、護符・牛黄・牛玉などのお札があり
「人間を災いから守る」と信じられてきたほどの牛黄。
 今も昔も最高ランクの効き目を持つ生薬として重用されている。

疲労から意識障害まで、様々に応用される牛黄

 牛黄は、かなり古くから「効き目のあらたかな薬」として、人々に珍重されてきた。
 中国・漢の時代の漢方書『名医別録(めいいべつろく)』には、
「子どもの阿太ユル病気、口も開けられないほどの高熱、
大人の精神錯乱など幅広い症状に用いられる薬」という意味の紹介文章が記されている。
 つまり、牛黄を長期間にわてって服用すると「寿命をのばし、物忘れをしなくなる」
という働きも期待できることを示していると言えるのではないだろうか。
 牛黄は、まさに「赤ちゃんからお年寄りまで」年齢を問わず効果を発揮する「貴重なお薬」といえる。
 現代の中国では、牛黄を「芳香開ぎょう薬」というカテゴリーに分類されている。
つまり、「よい香りを持ち、心に入って邪を除き、意識回復に働く薬」という意味だ。
 牛黄は、とくに脳卒中や脳梗塞などの脳血管障害による意識障害、滋養強壮剤、
強心剤、小児用薬、胃腸薬などに用いられるケースが多い。
これは牛黄の「末梢の赤血球を増やす働きや、抗酸化さようによるもの」と考えられている。

ゴオウにはこんな働きがあると言われている

  おもな薬理作用    このような働きをします  このような症状に効きます

  肝臓保護作用 ⇒  カンゾウの機能を助ける ⇒ 肝機能障害、疲労倦怠感、二日酔い、悪酔い
  解熱作用    ⇒  熱を下げる         ⇒かぜなどによる発熱
  赤血球先生促進作用 ⇒赤血球を産生する  ⇒頭痛、貧血、立ちくらみ、血色不良
  血圧降下作用 ⇒ 高い血圧を下げる     ⇒肩・首筋のこり、頭痛、めまい、のぼせ
  抗酸化作用  ⇒ 生体内の脂質の酸かを抑える ⇒末梢血管障害(手足の冷え、手足のしびれ)、生活習慣病の予防
  抗炎症作用  ⇒炎症を抑える         ⇒のどの腫れや痛み
  抗ウイルス作用 ⇒ウイルスの活性を抑える ⇒かぜの諸症状の緩和など
  強心作用   ⇒心臓の働きを高める     ⇒どうき、むくみ、めまい
  利胆作用   ⇒胆汁分泌を盛んにする   ⇒消化不良、さしこみ、腹部膨満感
  末梢神経障害改善作用 ⇒しびれ感の改善 ⇒手足のしびれ
  鎮痙作用  ⇒痙攣を鎮める          ⇒腹痛、さしこみ
  鎮静作用  ⇒神経を和らげる         ⇒イライラ、不眠



[牛黄] 久しく服すれば身を軽くし、天年を増し、人をして忘れざらしめる。「名医別録」

[牛黄とは]
牛の胆嚢中に生じた結石です。
「不老長寿のくすり」「命を養うくすり」として古来より珍重されてきました。
牛1000頭に1頭の割合でしか発見できない希少価値や、その薬効の重要性について、
現代医学的な解析も進み、今なお高貴薬として大切に受け継がれています。
その姿は、1〜4pの不規則な球形、または角の取れたサイコロ状で、
赤みがかった黄褐色、断面には年輪のような層があります。
口に含むと、はじめ苦みがあり、後にほのかな甘味があります。

[牛黄の品質]
牛黄は、オーストラリア(豪州)、中国、南アメリカ、北アメリカ、ヨーロッパ、インドなどで生産されています。
なかでも豪州産牛黄の品質が最も優れていると言われてます。
牛黄製品は海外で比較的安価に購入できますが、場合によっては混ぜものがされていたり、偽物であったり、
日本では認められない成分などが含まれている可能性がありますので、
安易に求めることは避け、産地管理や成分含量などの品質管理を行っている国内メーカーの製品を求めることが望ましいといえます。
品質の高い牛黄には、コール酸、デオキシコール酸、タウロコール酸、タウロデアキシコール酸、タウリンなどが
豊富にかつバランスよく含まれています。
また、舌で味わうとき、はじめわずかに苦く、後にやや甘く、何となく香ばしくふわっとしているものが良品といわれています。

[牛黄の主な働き]
牛黄は、血液の循環をよくするなどの働きを持ち、
血圧異常、脳卒中、心疾患などの予防、
肝障害の改善、認知症の予防改善などに広く応用されています。

@心臓の働きを強め、息切れ、胸苦しさ、動悸、むくみなどを改善します。
A血圧を下げ、高血圧に伴う肩こり、頭痛、疲れ、めまい、のぼせを改善します。
B肝臓の機能を高め、二日酔いの防止、疲れやすさやだるさを改善します。
C炎症を抑え、感染症によるのどの痛みや、関節痛、傷に伴う症状を改善します。
Dウイルスによる感染(インフルエンザ)などを抑え、回復を早めます。
E発熱を抑え、回復を早めます。子供の発熱にも有効です。
F血栓をできにくくし、認知症や脳梗塞などの脳血管障害、心筋梗塞などの虚血性心疾患を予防します。
G貧血や立ちくらみを改善します。血液を作る働きを高め、血行不良を改善します。
Hしびれや手足のふるえ・ひきつれ、脳血管障害の後遺症や、腹痛・さしこみなどの症状く改善します。
Iストレスによるイライラやそれに起因する不眠、疲労、体のしこりなどの症状を和らげます。子供の疳の虫なども静めます。

[牛黄のお薬]
牛黄の働きを最も効果的に発揮する剤型は、
加熱滅菌された100%純粋な粉末といわれ、
この純末を舌の下でゆっくりと溶かして飲むのがよいとされます。
この服用方法ですと、舌下の口腔粘膜から吸収され、直接血管へ運ばれるため、
即効性が高く、胃腸での消化吸収を受けず、効率的に吸収されるという利点があります。

一方、牛黄と他の生薬を配合し、それぞれの薬効を加えた伝統薬や生薬製剤もあります。
有名なものに「六神丸」、「牛黄清心丸」、「人参牛黄散などが挙げられます。

@六神丸(ろくしんがん)
真珠、蟾酥、沈香、●香などが配合されています。
牛黄の持つ心臓に対する効果を蟾酥が、
また動悸などの症状を和らげる効果を●香が助けます。

A牛黄清心丸(ごおうせいしんがん)
人参、甘草、芍薬、羚羊角、当帰、川弓、桂皮、防風、シベットなどが配合されており、
滋養強壮の働きに優れています。

B人参牛黄散(にんじんごおうさん)
人参を配合。
古来より「牛黄は人参が使となす」といわれ、
人参が牛黄の薬効を増強することから、最も相性の良い配合とされています。

[牛黄の服用量]
100%の粉末の場合、成人1日100〜200ミリグラムが適量です。
動悸による不安感やのどの痛みなどの症状には粉末10〜20ミリグラムを頓服します。
他の生薬と配合する場合や通常の健康維持を目的として服用する場合は、数ミリグラムから数十ミリグラムを用います。
牛黄は水には溶けにくいのですが、唾液には溶けやすく、舌下での吸収率が高いという特徴があります。
できるだけ、舌の下に含み唾液でゆっくり溶かすように服用すると効果的です。


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