エゾウコギ、刺五加
エゾウコギと朝鮮人参
属は違っても寡黙は同じ。
タラノキやウドとも親戚筋
エゾウコギは読んで字のごとく蝦夷に生息するウコギ(五加)という意味の名で、学名はAcanthopanax senticosus HARMSといいます。
生育地はシベリアのアムール河中流地域と、樺太、中国の黒龍江省、吉林省、遼寧省、日本では北海道の北見、帯広など東部に分布します。
成長すると4〜5メートルの高さにまでなるウコギ科のウコギ属に分類される落葉灌木です。
ウコギ科の植物には生薬として使われるものが数多くあり、その代表的なものが朝鮮人参です。
よく東北の山の中で見かける山菜のウドやタラノキも属は異なりますがウコギ科の植物で、
新芽をおひたしにしたり、ご飯に炊き込んだりするほかに、昔から民間薬として使われてきました。
エゾウコギの何が効くのか?謎を解くカギは「成分とバランスの良さ」
エゾウコギは数多くの成分を含んでいますが、主要成分は次ページにある表の内容になります。
エゾウコギ根皮と茎に含まれ、さまざまな生理活性を示す成分はフェノール性化合物のイソフラキシジン、
エレウテロサイドB(シリンギン)、エレウテロサイドB1(イソフラキシジン。モノグルコサイド)、エレウテロサイドE(シリンガレジノール・ジグルコサイド)、
シリンガレジノール・モノグルコサイド、ピノレジノール・モノグルコサイド、メジオレジノール・ジグルコサイド、クロロゲン酸、
2、6‐ジメトキシベンゾキノン、セサミン、サビニンなど多岐にわたります。
成分の特徴としてはエレウテロサイドEが主成分として多く入っています。
エゾウコギにはガンや老化などの原因になる過酸化脂質の生成を抑制する成分が含まれています。
その一つがクロロゲン酸や図には記載がありませんがジカフェオイルキナ酸と呼ばれるタンニンの仲間です。
最近、このタンニンについては過酸化脂質の抑制作用、抗ガン作用などがいわれています。
ひとくちにタンニンといってもクロロゲン酸やジカフェオイルキナ酸はたくさんあるタンニンの一つで、植物界には広く存在する成分です。
クロロゲン酸は、コーセーなどに含まれ植物に広く存在する成分ですが、
血清トリグリセライド、過酸化脂質、GOT、GPTなどの上昇を抑制する(肝機能改善)作用、
脂質代謝改善、胃液分泌促進作用があり、プロポリスにも含まれている強力な抗酸化成分です。
また驚くべきことにジカフェオイルキナ酸はこのクロロゲン酸やビタミンEよりも10倍の過酸化脂質抑制に対する活性を持っていることが確認されています。
エレウテロサイドEはストレスによる性行動の低下防止や記憶力の回復を高める働きがあるリグナン化合物です。
このほかにも、降圧作用があるピノレジノール・ジグルコサイド、ピノレジノール・モングルコサイドをはじめ杜仲と似たリグナン化合物が含まれています。
リグナン化合物にはそのほかに抗腫瘍、抗アレルギー、抗菌活性など、多くの生理活性が知られています。
イソフラキシジンとエレウテロサイドB1はクマリン化合物といわれますが、これら化合物には血管拡張作用や抗けいれん作用があることが知られています。
イソフラキシジンには鎮静作用があることも報告されています。
また、イソフラキシジンはエゾウコギの品質をチェックするときの指標となる重要な成分でもあります。
フェノール配糖体であるエレウテロサイドB(シリンジン)には、ストレスを低下させる抗ストレス作用、疲労回復、性行動減退防止の作用があります。
葉にはサポニン配糖体のエレウテロサイドI・K・L・M、フラボノイド配糖体のハイペロサイド、イソクエルシトリン、フェノール性化合物のクロロゲン酸などが含まれています。
サポニン配糖体には肝細胞保護作用が、フラボノイド配糖体には冠状動脈を拡張し、その血流量を増やし、心筋の酸素欠乏に耐える能力を高める作用などがあります。
エゾウコギの葉のフラボノイド配糖体組成は、中国で高血圧症の人に用いられている生薬、羅布麻の組成とまったく同じであることは注目に値します。
これらの多くの配糖体が脳下垂体を刺激して諸器官の能力を高め、脳内ホルモンの分泌を促すというのがエゾウコギの身体に作用するメカニズムです。
エゾウコギの特徴的成分とその作用
成分 主な作用
エレウテロサイドB 抗疲労、抗ストレス、性腺刺激
(シリンジン) 学習再現(向上)、持久力、スタミナ、集中力
エレウテロサイドE 抗アレルギー、抗リューマチ
エレウテロサイドB1 鎮静、不眠症、健忘症、性腺刺激
イソフラキシジン 血圧降下、自律神経調整
セサミン 過酸化脂質生成の抑制(老化、成人病などの予防、{ビタミンE以上})
クロロゲン酸 抗アレルギー
ジカフェオイルキナ酸 糖尿病態時の糖代謝改善、糖尿病合併症(末梢神経障害、網膜症、腎症、白内障など)の予防
日本産エゾウコギの一般的成分分析値
試験項目 100%エキス100g中
水分 7.8g
蛋白質 5.8g
脂質 0.2g
糖質 78.2g
繊維 0.0g
灰分 8.0g
熱量 /
カロチン 0.0?g
ビタミンB1 0.24r
ビタミンB2 1.09r
ナトリウム 200r
リン 530r
カルシウム 880r
カリウム 2.800r
マグネシウム 200r
鉄 3.5r
☆〈エゾウコギの主な作用〉
1 体力や運動能力を高める作用
2 疲労を強力に回復し、精力を高める作用
3 ストレスへの抵抗力を強力に高める作用
4 不安や落ち込み気分を治す作用
5 脳を活性化し、ボケを予防したり、記憶力を高める作用
6 内臓や皮膚の血流を改善する作用
7 その他、高脂血症を改善したり、糖尿病、狭心症、血圧異常、に対する治療効果
@体力や運動能力を高める作用
日ソ連では当初オリンピックのスポーツ選手等にエゾウコギが多用され、モスクワオリンピックで活躍したり、
日本では長野冬季オリンピックではスキージャンプの選手たちを中心にコンディション作りや記録向上の為にエゾウコギを最大限に活用していたのです。
エゾウコギには最大酸素摂取量(持久力)を増加させる働きがある。
A疲労を強力に回復し、精力を高める作用
中高年の人の「疲労感」は精神的な要素が強いですが、やはり基礎体力の低下に伴う事が多いものです。
エゾウコギは精神疲労に対してはもちろんの事ですが、スポーツ選手に対する作用と同様の働きにより
中高年の人の疲労や精力が減退等の老化現象(腎虚)に強力な作用を発揮し、「若返り」のような効果をもたらします。
Bストレスへの抵抗力を強力に高める作用
C不安や落ち込み気分などを治す作用
精神的なストレスの影響で慢性的な下痢や便秘、胃炎、頭痛、肩こり、動悸等の身体症状や、
不安感、焦燥感、抑うつ気分、イライラ、不眠などの精神症状が出て来ますが、
エゾウコギは神経過敏や不安感等の症状が強いときは心を鎮める様に働きます。
又、ストレスがたまりやすい人に優れた効果を発揮し、ストレスを受けやすい体質を改善してストレスへの抵抗力を強力に高めます。
D脳を活性化し、ボケを予防したり、記憶を高める作用
エゾウコギは血管の状態を正常化し、血流を良くするので脳の内部でも血流が改善され、
又「脳の働きを高めるホルモン類」を刺激するため、脳の働きが次第に活性化されます。
その結果、脳の血流が悪化して起こる老人性痴呆にも効果があり、
又脳の神 経細胞(樹状突起)を伸ばして新しい脳神経のネットワークを作って記憶力を高める働きがあります。
E内臓や皮膚の血流を改善する作用
血液の流れが悪いと胃腸や肝臓、その他色々な内臓の働きも低下してきます。
内臓の血流は体質や体調等の影響を受けますが、ストレスの影響も少なくありません。
エゾウコギはストレスへの抵抗力を高めるとともに内臓の血流も改善し、
皮膚の働きを良くして美容の上でも大きな効果をもたらします。
☆エゾウコギに含まれている主な薬効成分
イソフラキシジン ピルジノールモノグルコシド
エレウテロシドB シリンガレジノールモノグルコシド
エレウテロシドE メジオレジノールジグルコシド
クロロゲン酸 2.6−ジメトキシベンゾキシン
エレウテロシドB1 セサミン
ピノレジノールジグルコシド サビニン等
現在まで判明しているエゾウコギの根や茎も活性成分は上の表に挙げたように、
ピルジノール類、シリンガレジノール類、その他10数種類に達します。
これらの活性成分を大別すると
1.「リグナン類」
2.「タマリン類」
3.「フェノール類」
4.「タンニン類」
に分けることが出来ます。
@リグナン類
腫瘍やアレルギーを抑える働きや細胞の増殖を抑える働きや血圧を下げる働き、
又 β‐エンドルファンの分泌を促進する作用があります。
Aクマリン類・・・血管拡張作用や、抗けいれん作用があり、
クマリン類のイソフラキシジンにはエゾウコギに特徴的な気分を落ち着かせる働き(鎮痛作用)があります。
Bフェノール類・・・抗ストレス作用や疲労を回復させる作用、性行動減退を防ぐ作用があります。
Cタンニン類・・・過酸化脂質を抑える作用や抗ガン作用、肝機能改善作用等があります。
ストレスと免疫
日本でよく使われる「ストレス」という言葉は、主に精神的な重圧や緊張を指すようですが、
医学的に言えば暑さ寒さ、湿気や乾燥、騒音、混雑等の環境からの影響や過労、感染などによる身体面への影響も「ストレス」になります。
これは漢方的に表現すると内因(怒・喜・思・非・憂・恐・驚)、外因(風・寒・暑・湿・燥・火)不内外因(労倦・飲食・他)になります。
又、このうち精神的なストレスの悪影響で何らかの『体の病気』が発生したり悪化するのが「心身症」ですが、
最近になってストレスが免疫の働きも低下させてガン等の危険な病気を誘発することもわかってきました。
脳内ホルモンを分泌させる作用
人体にストレスが加わると副腎皮質ホルモンが分泌されますが、
その他に「β‐エンドルフィン」は苦痛を和らげる作用があるため「脳内モルヒネ」とか、「脳内快楽物質」とも呼ばれています。
又、最近の研究では、β‐エンドルフィンは免疫機能を高める作用もあることがわかってきました。
エゾウコギはこのβ‐エンドルフィンの分泌を強力に高め、結果、ストレスへの抵抗力を高め、免疫の働きを高め、
「心身症」をはじめとする各種のストレス病に優れた効果をおよぼします。
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Dr.HIROYUKI OHYAMA(Ph.D), How the Japanese
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