三千本膠
涅槃図などの大きな作品もしっかり保護
折れや切れた個所は4mm程度の細さに切った和紙で裏から補強します。
これをしないと数カ月、数年で同じ所から必ず折れ、切れが発生いたします。
裏から見た写真

膠とは動物や魚の皮・骨から煮出したタンパク質からできているゼラチンを固めた物です。
本来、膠は接着剤として、墨や岩彩に混ぜ作られていたり、描かれています。
長い年月や作品の置かれている環境によってその膠の効力が薄れ、剥落します。
少しでも剥落を押さえる意味でにかわを用いて絵具止めを行います。



大変粗悪な裏打紙の除去
ピンセットで和紙の繊維をつまむ事も困難な状況でした。 ⇒
過去の表装時に使用した糊が濃い場合も裏打紙の除去に大変苦労いたします。
欠損部分の多い本紙の裏打紙の除去 ⇒
| (涅槃図・十三佛・御本尊・他の仏画) |
古色を出すのは大変難しく、やしゃの実の煮汁などで補彩する。
裏打ち修復後、表から見た写真


寒い時期に糊を煮、瓶に入れ
10年寝かせた糊(古糊)
小麦粉デンプンの中で最も純度の高い吟正麩を水で溶き、
時間を掛けて煮ます(新糊又はじん糊と呼ぶ)
防腐剤等一切使用していないので、使うたびに糊を煮ます。


修理・修復を行う時、最も神経を要する作業と言えます。
本紙の劣化が進むと乾いている時は固く、ポキポキと折れ、水分が加えると泥のようになります。そんな状態の本紙を守りながら古い和紙を取り除く、表具師の経験と技術にかかってきます。近年では、一番最初の裏打ちを剥がさず廻りを新しい物に取り換え修復したとして収めてしまう業者が増えています。手を抜いたかどうか一般の方には判断する事は出来ません。それに気づくには数カ月~数年掛かかってしまう事もあります。
【国宝の修復に使用されている糊・和紙と同じです】
私たちが博物館などで目にする事の出来る掛け軸などの美術品は、100年前後の周期で修復を繰り返し大切に受け継がれています。清心堂の修復は100年後、安全に修復が再度出来るような確かな技術安全な材料を使用した保存と修復が必要であると考えます。



傷みの激しい作品を適切な技法で修復したとしても、近い将来傷みが再出現する可能性がある場合が御座います。そんな時は、桐で出来た太巻芯棒を使い、経を大きくして
巻く事で掛け軸の負担を軽減させる事ができます。
東京国立博物館の1Fで展示されている補彩用絵具と同じ物



掛け軸の裏打ち和紙には
①薄美濃紙
②美須紙
③宇田紙
と言う特殊な和紙が昔から使用されています。
②③は国の選定保存技術師が漉いた和紙です。



い草を焼いた灰 やしゃの実を煮出す これらを用いて欠損部分の
補紙として和紙を染める
古い桐箱には大変貴重な箱書き(記録)がある事があります。修復後の寸法が変わったり、傷んで箱として使用が困難の場合重要な部分を使用し新しく箱を作る事も可能です。

安全なクリーニングは水分のみで汚れや煤、染みを浮かせ、水分と一緒にタオルや和紙に吸い取らせ
これを何度も繰り返しながらクリーニングします。






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*歴史が証明する糊と和紙 *掛け軸を守る、桐箱 *本物と言える正絹織物(表装裂地) *その他の材料 |


100年の歴史を刻み『現代の名工』を生んだ老舗
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欠損部分には害虫による虫食い・本紙の劣化による物と大きく分けられます。
修復方法としてもいくつかの方法をとっています。

補紙・補絹した個所などに3mほど離れて観た時、違和感の無いように、それでいて近くで観た時、修復個所が分かる程度の色合いに留める事が理想と言われています。
欠損部分の形を取り嵌めこむ方法