扉を開いたら(読書感想日記)
■2002/04/30 (火) 『この闇と光』読了 今日は普通にお仕事。
何も予定がない連休なら、1日くらい仕事する日があった方がいいと今回はじめて思った。
というわけで読む本も増えるということ。
■この闇と光 角川文庫
服部まゆみ
☆☆☆☆
傑作です。文庫で出た当初すぐに買っていたのだが、これまで積読状態。すごーく楽しみにしていたのだが、これほど面白い物語とは…。世界が突然反転するような物語を読みたいのなら、この本をおすすめします。
別荘に父王とともに幽閉されている、盲目の姫君レイア。彼女の一人称で語られる曖昧な世界が、次第に言葉を覚えるようになって読者にもだんだんと霧が晴れるように見えてくる。
しかし後半は前半のファンタジー風な世界から一転して残酷な現実が明らかになる。いや残酷とは言えないかもしれないが、その衝撃はしばらく忘れられそうもない。しかもそのあともう一つ大きな衝撃が待ち受けていたのでした。
これ以上はネタバレの恐れがありますので…
ラストもリドルストーリーっぽい感じで不思議な世界。好き嫌いが別れそうな結末だが、これも良いと思います。
文章はこれまで読んだ初期長編よりも格段に読みやすいです。見方を変えると服部さんの魅力の一つだった耽美性やや美術、芸術に関する蘊蓄があまり語られていないのですが、それ以上に本書の世界観は何物にもかえ難いものがあります。
直木賞候補、このミス2000年版で12位。これまで作者が大きく扱われることは少なかったが、本書は大きな飛躍になったに違いない。これまで服部さんなら『時のアラベスク』をすすめていたが、本書もかなりイケてます。
文句なしに10点。
■2002/04/29 (月) 『アイルランドの薔薇』読了 とくに何もすることがなく、昨日買ったアルペンレーサーをプレイ。とりあえず全員のエンディングを見てしまう。
と思ったら、新たなキャラクターが登場。ネコみたいなやつなんだけど、めちゃくちゃ滑るのが早い。
今日の晩飯はカレー(3日目)。
卵カレーにしようと思うが、目玉焼きにするか、生卵でぶっかけるか思案中。
■アイルランドの薔薇 カッパ・ノベルス
石持浅海
カッパの新レーベル「カッパ・ワン」の第1弾で登場。どうやら文庫本の「本格推理」での執筆者の長編書き下ろしということらしいです。
何冊か同時に刊行されたなか、この『アイルランドの薔薇』は当りでした。西澤保彦氏推薦(ちなみに西澤氏の作品は未読)。
嵐の山荘というテーマは使い古された感じがありますが、本格ミステリにおいては読者にとって、最も謎解きがしたくなる設定です。
本書はアイルランドの紛争を利用して不自然でない密閉状況をつくり出しています。それだけでも読む価値はあります。しかも謎解きもちゃんと論理的でよろしいです。探偵役であるフジははっきりいって神津恭介や明智小五郎みたいな感じで、とくに欠点はない人物設定。ちょっと際立ち過ぎて不自然にみえることもありますが、名探偵はそれくらいでないといけません。
アイルランドの紛争が物語の大きな柱となっていますが、本書を読むことである程度の知識はつくはず。民族問題にまで踏み込んでいることからも、作者の非凡さは窺えます。
構成力は抜群で8.5点。総合で8点といったところでしょうか。おすすめです。
さて、本当になにもすることが見つからないので、トップページをいじってみました。
でもスタイルシートってネスケはサポートしていないものが多いです。これもエクスプローラーだと何でもないのに、ネスケだとちょっと変。
まあ、いいかぁ。
■2002/04/28 (日) 久しぶりにゲーム 久しぶりにゲームを買う。
前に買ったのはグランツーリスモだからおそらく1年振りくらいだろう。
今日は買い物に西友に行き、なんとなくゲーム屋を覗いていたら買ってしまった。
アルペンレーサー。
スキーをやったことのない私でもゲームセンターでプレイしたことがある。
とりあえず3人はクリア。無事にエンディングまで辿り着く。
アクセルというものがないので、コース取りがすべてとなる。
映像はさすがPS2といったところ。
読書の方は今日は無し。
『アイルランドの薔薇』を明日にでも読もうと思っている。
ブックオフにて
竹本健治『妖霧の舌』(光文社文庫)
江戸川乱歩『蜘蛛男』『化人幻戯』
仁木悦子『黒いリボン』
鮎川哲也『鍵孔のない扉』
高木彬光『妖婦の宿』(以上角川文庫)
山田風太郎『かげろう忍法帖』(講談社文庫)
すべて100円で買う。
■2002/04/27 (土) 『矢の家』読了 ■矢の家 創元推理文庫
A.E.W.メースン
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本格推理小説の黄金時代といわれる1920年代に書かれた作品。名前だけは聞いたことがあるのだが、書店でもあまり見かけなくなった。買おうと思うと以外と売っていなかったりして、これまで読む機会がなかったがこのたびブックオフにて発見。
ハ−ロウ夫人が亡くなり、莫大な遺産が姪娘のベティが継ぐことになった。しかしワベルスキーと名乗る男がハ−ロウ婦人はベティによって殺されたと告訴した。ハ−ロウ家の顧問弁護士のジムはフランスに渡り、パリから派遣されたアノー探偵とともに事件に取り組むが…
傑作と言われている本書だが、私の読後感はいまいちです。とくに前半から中盤にかけては無駄が多過ぎの気がします。何が原因って探偵アノーとワトソン役のジムが全然噛み合わないということ。読者の視点に立つべきのジムが全く探偵を信用していない。だから読者も何を基点として推理をしていけばいいのかさっぱり。中盤をすぎるとようやくそれっぽくなって来るんですが、時すでに遅し。私はあまりに退屈なので半分流し読みしてしまいました。何とも気合が空回り。
ラストではこれまでの伏線が逐一解き明かされ、一応納得はするんですが。
ヴァン・ダインやクイーンのような重厚な建築美を求める作品ではありませんでした。巻頭のあらすじにあるように、サスペンスふうな味付を楽しむのが正解かも。
ちなみに訳者は福永武彦さん。時代を感じさせます。初版は1959年なのでところどころに旧仮名遣いが出てきてニヤリ。私の買ったのは27版で1986年物ですが、ちゃんと直しましょうよ創元さん?
あともう一つ。この題名『毒矢の家』の方が内容に合っていると思います。原題はTHE HOUSE OF THE ARROW(『矢の家』で正しい)なんだけど…。
■2002/04/27 (土) エラリー・クイーンについて 新本格作家の中ではもはや神格化(?)されているような感じのするエラリー・クイーンは私にとっては近寄り難い存在である。国名シリーズにいたっては全く読んだことがない。すなわち探偵クイーンの登場する作品は未読なのである。
ポー、ルルー、フィルポッツ、バークリ−、ノックス、クリスティ、ヴァン・ダインまでは読んできたのだが、そのあとはぷっつりと読まなくなってしまった。それから思い出すように海外ミステリを読んではいるのだがクイーンはさっぱり。
と言うわけで今日は古本屋で
クイーン『オランダ靴の謎』『ローマ帽子の謎』
ルルー『黒衣婦人の香り』
ヴァン・ダイン『ベンスン殺人事件』すべて創元推理文庫。
『ベンスン』は既読。
■2002/04/26 (金) 本好きの部屋 何だか今日は疲れたな、と思いつつサンクスで買ってきた弁当を食べる。
午後6時半くらいから無性に腹が減ってきて、お腹が鳴るのが患者さんに聞こえないかとヒヤヒヤしつつ診療していたので、サンクスでは最高カロリーの弁当を何の躊躇もなく買ってきた。
■書斎曼陀羅 本と闘う人々2 東京創元社
磯田和一
あくまでもイラスト主体の本なので、ぱらぱらと見ているうちにいつの間にか読み終わる。作家や大学研究者の書斎がイラストで紹介されている。
欲を言えばもうちょっと蔵書を詳しく知りたいところだが、あくまでも人と本の付き合い方を主眼としたイラストが多い。でも磯田氏のツッコミも面白い。
ミステリ者が注目すべきは有栖川さんと二階堂さん、そして御存知探偵小説マニアで有名な喜国さん。本を綺麗に並べて見た目を重視の人、そのまま積んでおく人など本好きの生態を見事にイラストで描いている。
個人的には買った本を「…最初に帯を剥がす」という二階堂氏には共感をおぼえます。最近はそうでもないのですが、私もかつては買った本は片っ端から帯をはずしてゴミ箱に捨てていました。きっと古本屋に売る時にはマイナスになるのでしょうが、買った時は売る時のことは考えないものです。
背表紙を版原ごとに並べている喜国氏の書斎(というか書庫)にも憧れます。あれだけの探偵小説の蔵書を無駄なく美しく並べるのはミステリ好きの夢ですが、こちらは並べるような本がないです。
喜国氏の蔵書の一部はこちらで見ることが出来ます。よだれが出ます(まじで)。
圧巻は最後から2番目の内藤氏。これこそ本に埋もれる究極の姿でしょう。いくら本が好きでもこれはねぇ。まるでマンガの登場人物の部屋のよう。冗談でしょ?
書斎というのはいつかは持ちたい。でも本を置くだけのスペースを確保するのだけでも大変そう。夢です。
■2002/04/25 (木) 本を買う 25日ということで、銀行が混んでいてイライラ。
無事にお金をおろし、することといえば本を買うこと。
『鮎川哲也名作選 冷凍人間』(河出文庫)
石持浅海『アイルランドの薔薇』(カッパ・ノベルス)
磯田和一『書斎曼陀羅 本と闘う人々2』(東京創元社)
の3冊をゲット。
カッパ・ノベルスはこれまでと装丁を一新し、一見講談社ノベルスと見間違えてしまうほど。ラインナップはいずれも本格推理で単にメフィスト賞の二番煎じにならないことを祈る。4冊同時刊行の中で『アイルランドの薔薇』を買ったのは題名に惹かれたから。それ以上の理由はない。
『書斎曼陀羅』は1、2巻が刊行中であるが二階堂黎人氏や有栖川有栖氏などが出ているのでこちらを買った。
古本屋も寄ってみたが、何も買わず。
札幌に行ってきたが、桜はまだまだこれからといったところ。大通公園もほとんど咲いていない。今週末はすごく混んでいそうだが。咲いている樹はあるのだが、いかんせん寒すぎる。お花見どころじゃない。
■2002/04/24 (水) 謎を解く鍵 今月はじめから読みはじめた『オイディプス症候群』を読了し、一時的に虚脱状態となる。もうしばらくは大長編はいいです(^_^;
寝る前にはメースンの『矢の家』の続きを読むつもりだが、なんだか物語の起伏がいまいち。このままの状態でラストまで行くとしたら、凡作以下だが歴史に残る名作ゆえ、なにがしかの面白さは見出せるに違いない。
最近この間の「ミニモニ爆弾」の謎を解くべくニッキモニのリンクサイトを徘徊中。「ミニモニ爆弾」はともかく、どのサイトも読んでいくと面白いです。
で、先ほどたれ子と話していて、二人してグ−グルを駆使して「ミニモニ爆弾」に関する情報を得ようと関連サイトにアクセスするが、どうやら「ミニモニ。バスガイド」という楽曲との関連が示唆された。私はまだその曲は聞いたこともないが、「ミニモニば〜くだ〜ん♪」というのが単なる聞き違いの可能性が高くなってきた。もしそうならば大いなる落胆は防ぎようもない。それほどまでにわたしの「ミニモニ爆弾」にかける意気込みは大きかったと言うことだ。
だってミニモニ。と爆弾という全く接点の見られないもの同士が、唐突として耳に入ってきてしまっては、その衝撃はなかなか比較できるものではないだろう。
チャンスがあれば明日にでもその楽曲をレンタルしてこようかと目論見中。もちろんたれ子にレンタルさせることは言うまでもない。
ここでこのような断りは無用にも思えるが、私は別にミニモニ。のファンではない。モーニング娘。並びにミニモニ。は気になる存在ではあるが、普通の本格ミステリファンである(念のため)。なんだか句点の多い文章だ。
■2002/04/23 (火) 『オイディプス症候群』読了 N君が今日めでたく国家試験に合格。
本人はかなり心配性なので、今朝会った時にも「大丈夫でしょうか?」を連発。落ちていたら話にならない。
そんなN君をよそに診療中に「ミニモニとバカ殿」の歌が聴こえてくると笑い出てしまう。マスクをしているのでわからないはずだが、かなり警戒してる。だって「アイ〜ン」だよ。
そういえば仕事場の隣の家の桜が咲いていたなぁ。ようやくようやく春かぁ。
■オイディプス症候群 光文社
☆☆
ようやく出版が実現した矢吹駆シリーズ第五弾。しかも前作『哲学者の密室』から10年。いや『哲学者の密室』からして第3作『薔薇の女』の8年後の出版である。何とも笠井潔の読者は自然と辛抱するということに慣れてしまったかのよう。
本作は本格ミステリに真正面から挑み、そこらのミステリに較べても驚くほどストレート。孤島、AIDS、ギリシア神話に彩られた見立て殺人、容疑者が限定された中で徐々に死者が増えていく。
第1作『バイバイ、エンジェル』から時間はほとんど進んでいない。しかし実際は20年という年月が経過しておりこの『オイディプス症候群』にいたってはそのギャップをフルに活かしている。すなわち巻末の参考文献を見れば一目瞭然だが、80年代後半になって注目を浴びてきた後天性免疫不全症候群に関する情報がこの作品を読む上で重要な要素になっているから。
きっと笠井さんが80年代前半にカケルシリーズにもっと意欲を示し、作品を書き続けていたなら本書はもっと違った形になっていたはずである。
とにかく盛り沢山な作品。今年の本格ベスト3は確実な気がします。
難点は一気読みできないこと。とにかく哲学談義はページの進みが遅くなる。繰り返し読んでいかないと理解できないです。前作に引き続きすこーしずつイリイチの正体が見えてきた気もするが、カケルとの決着はやっぱり10作目まで待つんでしょうね笠井さん?
■2002/04/22 (月) ミニモニ爆弾?? ってなに?
唐突でわかりにくいが、この1ヶ月頭の片隅に住みついたまま離れなくなってしまった。たれ子と二人して悩んでいるが、謎は深まるばかり。
話は1ヶ月前にさかのぼる。ちょうど函館に行ったのだが、商店街をあるいていると、いろんなお店の宣伝が流れるのがあるでしょ。それが函館の街でもあったのです。
で、そこで「ミニモニばくだ〜ん♪」って歌が流れてくるのです。
たれ子と「ミニモニ爆弾?」と首をかしげていたのだが、それっきり謎は解けず。
それから最近はミニモニをみると「ミニモニ爆弾」のことが頭を離れなくなっている。
ついに思いあまってgoogleで「ミニモニ爆弾」と入れてみたのだがヒットなし。
この大海にただ独り彷徨っている。
そういう歌はないようだし…
ボンバーマンというゲームがあったが、そのミニモニバージョンが出ているのかと思わず考えてしまった。そのための主題歌でそういう歌があるのなら納得もいくが、ハドソンにはそういうゲームはない。
でもこれは意外と売れるんじゃないですか? ドンジャラというのもあったがそれのモー娘。バージョンがあってもおかしくない。
うーん我ながらいい考えだと思うのだがハドソンさん。作ったとしても私は欲しくありませんが。
ここまで思いつめているnekoでした。
ラストに近付いてきた『オイディプス症候群』はラストスパートをかけるため明日は職場に持っていこうかと考える。
■2002/04/21 (日) 真実と信じる心 例えば、
「今日の魚座のあなた。
ちょっとした思いつきを実行しようとすると、へまをします。
きょうはお家でゆっくりとお茶を飲むと吉」
といったような占いを見てしまった人は、ちょっとした思いつきを実行して失敗したら、「あ、占いがあたった」と思うのだろうか? 想像だが、自分から占いのページを探して見るような人は信じているのだろう。
では占いを見なかった場合はというと、成功しようが失敗しようがそんなことは占いとは何の関係もないはずである。ゴシップ誌のうしろから3ページ目に載っている占いコーナーに「今日の牡羊座は最悪です」と書いてあったとしても、それを見ていない人にとってはその日が最悪になったところで全く何の関係もないのは確かである。
「知らなかったものは存在しない」と言うことと、この場合同義である。
何かの例えであったと思うが「世界を認識することの知性を持った存在があるからこそ、世界が存在するのだ」と。
ようするに五感がなく、自分を自分と認識できない生命体しかこの世界に存在しないとしたら、誰がその世界の存在を主張できるのか?
占いにも同じようなことが言えると思う。
が、もう一つ占いには大きな落とし穴があるのだ。
言わずもがな、その信憑性である。占いが当ったとか外れたとかいうこと自体がそもそもおかしいとnekoは思うのだが。当たることを前提に占いというものが存在している以上、外れというのは占い自体の存在意義に抵触しているのではないか?
今朝というよりは深夜3時半に目がさめて、眠れなくなった。
で読み途中の『オイディプス症候群』の続きを読むが、面白くて1時間ほど読書に熱中してしまう。気がつくともう5時近い。
というわけで一眠りするが7時に目がさめまた続きを読みはじめる。
現在730/860。いよいよ謎解きがはじまる(はず)。
■2002/04/20 (土) 猪木と弁当 サンクスで買ってきたアントニオ猪木弁当ですが、闘魂伝承之詩というのが入っている。何でも全6種類あるらしいが私の買った弁当には
踏み出せば
その一足が道となり
その一足が道となる
という文章が書かれている。
そして側には氏の写真とサインが書かれているが、もはや笑う以外ない。
何だかわからないが無性に可笑しい。猪木氏の真面目一徹さとこのおふざけ感覚のミスマッチを弁当の開発者が考えているとしたら、大当たりだろう。少なくとも私は。
闘魂伝承之詩はあと5種類あるようだが、書かれていることは想像できるので、欲しいとも何とも思わないが。
格闘家としての猪木氏はともかくバラエティでの氏は好きである。
『矢の家』は序盤。
『オイディプス』は600ページ。今月中の読破が目標だが…
■2002/04/19 (金) 恩田陸『puzzle』読了 ■puzzle 祥伝社文庫
恩田陸
いや読了ってほどでもないかも。やっぱり400円文庫は短かった。綴じ込みになっていた冊子には「中編小説」って書いてあるし。まあダ○ソ−の100円ミステリよりはましかな? って感じ。恩田陸さんだし。
なんだかこの400円文庫っていろいろテーマを決めて執筆されているようですが、本編のテーマは「孤島」ってことらしい。
孤島にほぼ同じ時刻に死んだ3人の男の屍体が発見された。その3人は別々の死因で、いずれも身元を特定する遺留品は発見されなかった。しかも3人の繋がりも不明のまま。
これらがパズルのピースとなり、本を閉じる時一枚の絵となって完成する。やっぱり恩田陸さんは物語の構成がうまい。この前に読んだ『ドミノ』のおふざけ感覚は一切無し。ひたすら屍体のなぞでラストまで引っ張ってくれます。
不満を言うと短いことかな。でも長くすると400円じゃなくなってしまう。
恩田さんを読んだあとは昨日買ってきたばかりのメースン『矢の家』に取りかかる。これって随分前から読みたかったんだけど、なかなか売っていないのです。まだ数ページだけど本格推理の黄金時代の雰囲気は濃厚。
■2002/04/18 (木) ピーチの誘惑 定休日の今日は昨日の宣言どおり、胸キュンピーチをゲットと思ったところが、おなじティセラでも胸キュンピーチじゃなかったことが判明。しかも帰ってから!
おんなじようなピンクの容器だったので間違えた!
このショックは他人にはわかるまい。おじさんはショックです(@_@)
その衝撃をおさえるため、本を買うのでした。
舞城王太郎『闇の中で子供』(講談社ノベルス)
フィルポッツ『赤毛のレドメイン家』(創元推理文庫)
メースン『矢の家』(創元推理文庫)
全てブックオフにて。
外国産を買うのはひさしぶり〜。
でも読書は全然進まない。積読が増えるばかり。
とりあえず恩田陸『puzzle』(祥伝社文庫)を手に取ってみる。中を見ると何だか活字がスカスカしてて読みやすそう。
■2002/04/17 (水) 『月は幽咽のデバイス』読了 今日風呂に入ってシャンプーを使おうとポンプを押してみるが、シュポッシュポッとした軽い音がしていた。見てみるともう残りわずか。今度の休みにでも買いに行こうと考える。
もちろん買うシャンプーは決まっている。あやや(松浦)(http://www.matsuura-aya.org/)がCMに出ていた胸キュンピーチである。前から買おうと思っていたが、ちょっと抵抗があったのも確かである。いい大人があややにつられて。
でもそれ以外にも心配がある。仕事中にO森さんとかに「neko先生、胸キュンピーチ使いましたね」と言われてしまったら言葉の返しようがないではないか。
まして面と向かってはなく、昼休みに密かにこの話題になってしまったとしたら…
考えるだに恐ろしい。
というわけで今度の休日は買ってくることになりました。
■月は幽咽のデバイス 講談社ノベルス
ようやく私も森さんのS&Mシリーズを読み終わり、Vシリーズに突入です。とはいってもたまたま古本屋で入手したのがシリーズ第3弾の本書だったので、いきなり序盤で濃い面々に遭遇し辟易しました。
しかしそうは言っても森さんのキャラクター設定は分かりやすい。少し読んでいくと「ああ、こいつはこういう奴だな」というのが分かってくるので、とても読みやすい。でも逆に物語の展開がある程度読めてしまうという弊害はありますが。
本書ですが全体としてこれまでのS&Mシリーズにくらべても内容的にはあまり変わりはありません。相変わらずの森テイスト、安定した文章、理系関係のマニアックな会話、そして適度な起伏のあるプロットなど安心して読めます。やはり森さんはキャラクター命の人だなと思うのは主人公瀬在丸紅子の性格設定ですね。読んでいていろいろな彼女の側面が垣間見えて飽きさせない。そしてそれがシリーズ全体の謎になっているかのよう。
一方トリックに関してはあまり言うことがありません。謎ときを聞いても「へー、そうなんだ」というさめた感じがしてしまいます。説得力もちょっと足りないような…
■2002/04/16 (火) Vシリーズ 国家試験の合格発表を待つ新人N君。最近N君の教育係として昼休みもろくに本を読む時間が持てない。というわけで読書感想がもたついているが、それでも森博嗣『月は幽咽のデバイス』を読みはじめる。S&Mシリーズはシリーズ最長の『有限と…』は抜かし、いきなりVシリーズの第3巻というわけで、なかなかキャラクターを把握するのに手間取る。まあ普通は前2巻を読んでいるのが基本なのであろうが、やっぱり森さんは性格分けがきわめて明瞭。続々登場するメフィスト賞作家の中でも、登場人物の書き分けはピカイチ。文章も私は好きです。
一方N君は国家試験の結果が気になるようで、何かと言うと「大丈夫ですかね〜」と話を振ってくるが、「大丈夫だよ」としか言えない。「普通は落ちないって」と言ってから、もし落ちてしまったらどうしようとこちらが心配になる。しかも彼とは同じ歳ということが判明。何だかな〜。
今日の『オイディプス症候群』は550ページ。まだまだ。
■2002/04/14 (日) 『それでも君が ドルチェ・ヴィスタ』 ■それでも君が ドルチェ・ヴィスタ 講談社ノベルス
高里椎奈
驚天動地の密室ファンタジーというふれこみだが、内容はほぼ予想した通り。読んでいるうちに何となくトリックが想像出来た。
全部で31人しかいない世界での殺人事件。その容疑者は生まれ落ちてきたばかりのキンカン。ドルチェ・ヴィスタに住む人々はみな疑うことなくキンカンを犯人と目するが…
高里椎奈が描くこの不思議な世界が嫌いじゃなければ、読んでみて損はないでしょう。でも密室本だから本屋で内容を確かめるわけにはいかない。裏表紙のあらすじで想像するしかない。お伽の国のような平穏無事な世界に殺人事件が起きたらどうなるか? そんな風に想像すれば近からず遠からずといったところか。
だから現場検証や死因などはここではほとんど取り沙汰されない。まして31人しかいないのだから警察なんてあるはずがない。
それでもいいなら読んでみて下さい。
ってこんな書き方すると面白くないみたいだが、私は十分楽しめた。ラストのオチはいらないような気がするが。逆に異世界とこの現実を繋ぐ役目を果たそうというのであれば、しようがないか。6点。
■2002/04/14 (日) 本を買い、積読本が増える 先週に引き続き、日曜の今日は札幌へ行き、有名なラーメン横町のとあるラーメン屋に入る。地元民の間ではあまりおいしいとの評判を聞かないラーメン横町であるが、私も過去1度だけ食べてみたが、まずくはないが際立って美味しいというほどでもなかった。今日は適当に入っておばちゃんにオススメは何かと聞き、それに従ってコーンラーメンを食べてみたが、味はまあまあ。
で、食べ終わって店名を見てみると「味の時計台」という市内では超有名店の支店だった。なんだぁ。
次いでに旭屋で(ほんとはこっちがメイン)
笠井潔『哲学者の密室』(創元推理文庫)
ダ・ヴィンチ
を買う。あとブックオフで
北村薫『覆面作家の愛の歌』(角川文庫)
森博嗣『月は幽咽のデバイス』(講談社ノベルス)
『哲学者の密室』はハードカバーで買っているが、やっぱり文庫で買っておこうということ。光文社文庫はたしか2冊で出ていたが、創元版は全1冊で登場。非常識な厚さを想像していたが、それほどでもなく安心。講談社文庫の『鉄鼠の檻』はサイコロみたいだったけど、まだましです。
別の古本屋で
奥泉光『鳥類学者のファンタジア』(集英社)
佐藤友哉『エナメルを塗った魂の比重』(講談社ノベルス)
も買う。『エナメル…』はてっきり高里さんの薬屋さんシリーズだと思っていた。なんとなく表紙が似ているし。
■2002/04/13 (土) やっぱりプジョ−はいいよ 一緒に働いている既婚の先生が食べている弁当に、ハート型の海苔が入っていた。これは愛妻弁当だということを、今日再認識することができた。ハート型の海苔って売ってないよね。やっぱり切って作っているわけで、そこに僕には感じることの出来ない言い様のない幸福感と束縛感があるのだろうか? 彼はなんの感慨もなさそうに早食いしていた。そして奥さんには秘密にしているiモードで秘密のメール友達にメールを送るのであった。現在約7名。ログを残さない周到さ、むなしい。
進まない『オイディプス症候群』は置いといて、高里椎奈『それでも君が』(講談社ノベルス)を読みはじめる。密室本はこれまで出たものは買っているが、読むのは初めて。なんだか開けるのが面倒でね。というわけで何となく高里さんから読んでいるが、これってファンタジィ? そのうち薬屋さんシリーズも読んでみようと思う。
TAXI 2を見ているが、やっぱりプジョ−はいいなぁ。車がパラシュートで降りてくるところはフランス映画独特のセンスなのか?
個人的にはプジョ−のクーペ(http://www.geocities.co.jp/MotorCity-Pit/9124/)を使って欲しいところだが、すごーく予算がかかりそう。セダンはそれほど魅力ある外観ではないのだが、クーペは別もの。かっこよすぎ。
■2002/04/12 (金) 『アクアリウムの夜』読了 また勝っちゃった。今日はNステのスポーツを見て余韻に浸るとしよう。
昨日フリスビーなどを近くのホームセンターで買って、某森林公園で投げたみたのだが、そのせいか今日は右腕が何となく痛い。いや何となくじゃなくて痛い。
■アクアリウムの夜 角川スニーカー文庫
稲生平太郎
ぼくと高橋は土曜日の放課後、お城の公園にある水族館に出掛けた。そこで奇妙な見世物カメラ・オブキュスラと題する催しが行われていた。ぼくと高橋はそこであるはずのない水族館の地下への階段を見てしまった。
それからというものぼくたちの周りには不吉な影が忍び寄ってきて、ついに悲劇の幕が降ろされる。
前半ははっきり言ってとても面白い。春の見世物での出来事から、高橋がホワイト・ノイズを録音し異界からの通信を受信し、次第に狂気にとりつかれる前半のクライマックスまではまぎれもなく傑作である。何が起ころうとしているのか、何が進行しつつあるのか? これがとても漠然としたものから次第に形あるものに変化していく。その描写は何物にもかえがたい。
しかし後半は期待したほど理論だった展開ではなく、ちょっとはずされた感じ。何だか過剰に期待させてくれた割りには、後の展開はもったいない。要するに普通のホラー小説の域をでない結末です。これがもうちょっとすっきりした終わり方だったらな〜。
ちなみにこのスニーカー・ミステリ倶楽部ですがアンソロジーに恩田陸や太田忠司など大御所も寄せていますが、多くは名前を知らない人ばかり。稲生さんもこの作品で初めて知った人ですが、意外と掘り出し物があるかも。でも『アクアリウムの夜』は推理小説じゃないよな。
前半は9点、総合で6.5点。
■2002/04/11 (木) 既成概念の破壊 残念、今日は雨で流れた。何って阪神だよ。
札幌は晴れ。O森さんから水芭蕉が生息している場所を教えてもらい、写真を撮りに行った。あまりいい写真が撮れなかったが、水芭蕉の他にも鴨やカエルなども生息してる。ただ暖かいのだが、薄ら寒い風が吹いていて早々と車に戻った。
最近自分の読書傾向を「オイディプスショック」と名付けている。
読んでいるミステリ(もしくは普通小説)がいずれも短い作品になっているのだ。それというのも大長編を読む気力がなくなってきているので、自然と短かめの作品ばかり手に取ってしまうのである。『屍鬼』『ミステリ・オペラ』『人狼城の恐怖』など読みたい作品はあるのだが、その長大さに耐えきれないような気がしてならない。
というわけで今日の収穫は
清涼院流水『秘密屋 白』(講談社ノベルス)
霧舎巧『四月は霧の00密室』(講談社ノベルス)
の2冊。清涼院さんははじめて。とにかくこの本を選んだのは短いから。
霧舎さんはデビュー作『ドッペルゲンガー宮』が、とにかく私の中ではダメダメだったのでお口直しに。
でも何だか最近講談社ノベルスは壊れてきているような。『00密室』ははっきりいってある読者層を狙い撃ちにしてる。というかメフィスト賞の読者層が、乱歩賞や横溝賞の読者層に較べるとかなり若いのは否めないようだ。
でももはやこれは講談社ノベルスではない。表紙を見る限りは。でも「密室本」です。そのうちゆっくり読みます。
『オイディプス症候群』はようやく半分到達。今月はじめから読みはじめ、予想通り半月から1ヶ月かかるペースである。
■2002/04/10 (水) イラストの必要性 もうこれは習慣になってしまったようだ、というのは帰るなりPowerBookを起ち上げ、ヤフーのスポーツを確認すること。
今日も阪神が無事勝利をおさめる。とりあえず広島との3連戦は勝ち越した。もはや言うことはない。
楽しみにしていた『アクアリウムの夜』を読みはじめる。まだちょっとしか進んでいないがとても面白い。これって厳密には推理小説ではないようだが、この面白さは久しぶり。何かが起こりそうで起こらない、いいかえると水の中に潜って苦しくなり水面へと泳いでいくが、なかなか空気の層に到達できないような逼塞感」ってさらに分かりにくいか。
昼休みに読みはじめたのだが、一緒に働いている新人さんが『アクアリウム』の表紙をみて「エヴァンゲリオンの人じゃないですか?」と聞いてきた。生憎エヴァンゲリオンは知っているが、どんな話かもよく解らない。マンガやアニメに関してはちょっと疎いので、ネットで検索してみるとこのイラストレーターの緒方剛志(http://www.page.sannet.ne.jp/bonoto/)は生憎エヴァンゲリオンとの接点はわからず。でもこの間読んだ『殺意は砂糖の右側に』のイラストを描いていたんだね。
でも個人的にはこんなマンガチックなイラストはいらない。こんなイラストを描かれると、すべて頭の中がマンガチックな想像をしてしまう。でもそれを上回る面白さ、今のところは…
■2002/04/09 (火) 安部公房『箱男』読了 ヤフーのスポーツを見て今日も阪神が広島に8-1で勝利し安堵する。久しぶりに早く帰って来れたので、ゆっくりと弁当を食べながらの更新。
■箱男 新潮文庫
安部公房
全身をダンボールで隠し、街を彷徨する箱男。箱男が見る世界はどのように映っているのだろう。いやそもそも箱男とは何者なのか?
ホームレスとも違う、まして世捨て人とも違う。箱男は箱男なりの哲学を持っており、目的をもって街を彷徨っているようである。とても不思議な物語だが、なかなか作者の意図が理解しにくい。作者は何を箱男に託しているのか? もし箱男が何かの比喩なのだとしたら、この物語を理解するのも楽なのかも知れない。とはいっても私には読了してもよくわからないというのが率直な感想である。
ただこの中でひたすら見ることと見られることに対する哲学的な論議が繰り返される。このことが箱男の存在と深いかかわりがあることが解るのだが。
安部さんというと日常の些細な情景を見事に捉えたような文体が魅力だが、『箱男』でもそれは健在。前半は箱男からの視点でとくに難解ということはないのだが、後半は視点の混乱、記述者の不在(物語の存在そのものを不安にさせる要素)などあえて読者を混乱させるかの手法を用いている。何が真実で何が虚構なのか、もしくは読者は何を見ているのかという問いを『箱男』は投げかけているように見えるのだが…
とにかく実験小説という雰囲気が濃厚な作品。
■2002/04/08 (月) 首が痛い そうか〜、今日はプロ野球ないのか、みなさんいい夢見てますか、私は今朝起きると首から背中がとても痛く、いい夢見たのかどうかわかりませんです、nekoです。
車を車庫に入れる時、ヘッドライトが片方きれているのに気付いた。今度の休みにでもオートバックスに行かなくちゃ。
結局、今家に帰ってこれを書いている時も、背中の痛いのはとれないです。何となく安部公房なんかを本棚から取り出し、未読だった『箱男』を読んでいます。『オイディプス症候群』は寝る前に布団の中で読んでいるせいか、10ページほどで眠くなってしまいます。まだ300ページ。
■2002/04/07 (日) 本買いの日曜 日曜日の午後阪神VSヤクルトの試合をテレビで見ています。6回表、阪神の攻撃、現在1-1の同点。ってここで中継してもしようがない、結果は6時からの「独占スポーツ」でも見てくれい。
午前中に地下鉄に乗り、札幌の旭屋書店で稲生平太郎著『アクアリウムの夜』を買う。角川スニーカー文庫ということで普段見たことのない、ジュニア・ヤングアダルト系の本棚を探す。電撃文庫とかソノラマ文庫など私のテリトリー外の文庫棚の中にスニーカーを発見。表紙は予想した通り高校生が喜びそうなもの。各章の題名を見てみると、それだけで読みたくなってしまって迷わず購入。
この間出た『鮎川哲也名作選』もありましたが、これはまた今度。
他に古本屋で
貫井徳郎『慟哭』(創元推理文庫)
恩田陸『puzzle』(祥伝社文庫)これは400円(税込み)文庫のひとつ。
帰りがけに狸小路商店街のラーメンやに入る。まだ12時前だったが、客はちらほら。そこでとんこつしょうゆラーメンを注文。ラーメンの来る前にお店の人がすり鉢に入ったごまを出してくれる。それを自分ですってラーメンに入れるのだろうが、入れなくても十分旨かった。最近ラーメン横町と化している狸小路6丁目だが、ようやく2軒制覇。
自宅に帰り、寝転んで『オイディプス症候群』の続きを読むが、はっきりいって中だるみ状態。全然進まない。
気分転換にマーラーの交響曲5番を聴く。2年くらい聴いていないCDだが、今日はバーンスタインとウィーン・フィルの演奏。記憶にある演奏にくらべて異様に遅い。冒頭のトランペットを聴いたとたん、いままで自分が好んで聴いていたCDとは違うものと気付いた。バーンスタインってこんなに遅かったっけ?
1楽章は葬送行進曲。途中、数年前某CMに使われていたことを思い出す。
■2002/04/06 (土) 『覆面作家は二人いる』読了 みなさんいい夢見てますか、帰りにいきつけの床屋に寄りました。挨拶のみでおもむろに散髪が始まる。その中で客と床屋の旦那が野球の話をはじめたのです。札幌ドームに西武の開幕戦を見に行った話になり、客がおもむろに「今日も阪神勝ったってねぇ〜」というではないですか。
そう大方は知っていることと思うが、阪神7連勝。もう止まらない。
髪を切っているおばちゃんに悟られない程度に、ニヤリとしてしまったのは言うまでもないことだろう。
■覆面作家は二人いる 角川文庫
北村薫
覆面作家の正体は、一見淑やかなお嬢様。しかし、お家を出るやもう一つの顔が…
そんな新妻千秋とその担当の良介君が活躍する短編集。
なんていうかとても暖かい文章で、これは女性ファンが多いのも頷けます。前に読んだ『盤上の敵』とはまた違った北村薫の顔が見られたような気がします。解説に宮部さんが「本格原理主義者」と言う言葉をつかっていますが、本格も変格もはっきりいって関係ないです。この作品を読むとひたすらキャラクター前面に押し出しているように思います。いやそれが悪いというわけでは決してないです。
作品の中では一応殺人も起こるのですが、お得意の日常に潜む謎を扱ったミステリ。デビュー作の『空飛ぶ馬』もそうでしたが、個人的にはこちらの作品の方が登場人物に感情移入できそう。単に好みの問題だと思いますが。ちなみにお嬢様と良介君の関係は作家と担当編集者の域を出ていませんが、これから発展しそうな感じ。
平行して読んでいた『オイディプス症候群』は200ページをこえたところ。
■2002/04/05 (金) 読まない日 みなさんいい夢見てますか、20分ほど前に仕事を終わり、車に乗ること12分、近所のサンクスでボリューム満点弁当(520円税抜き)というものをPM11ということも顧みず、高カロリーということも承知の上で購入しつつ、部屋の鍵を開け居間に入るなり真っ先にPowerBookの電源を入れ、その間にポットの電源も入れ、まだ起ち上がらないのを横目で見つつ、買ってきたボリューム満点弁当を電子レンジで1分間温め、取り出した時まだ生温いのを構わずにパッケージを開け、同時に起動完了したPowerBookをネットワークに接続し、お友達の掲示板にカキコし、御飯の他に肉しか入っていない高カロリー食をしずしずと口の中に入れ、3回ほど咀嚼した瞬間、「今日の阪神はどうだったのか?」ということを思い出し、すかさずヤフーに接続しスポーツの結果を見ると、なんと阪神6連勝というかつてない偉業を目撃し、口の中に入れた牛カルビの味も忘れてしまう、「星野さんありがとう」と心の中でつぶやいて、自分は夢の中からたった今出てきたような気になってしまったneko@junです。
■2002/04/04 (木) 連勝という事実 鮎さんの掲示板で角川スニーカー文庫のミステリをすすめていただきましたので、本屋に行ったところやはりガンダムとか○○戦記の類いが多いです。
何だか私の知っているスニーカーと違っていて、背表紙に<S>って書いてあるんですがあれってなんですか? やっぱりスニーカーのS?
欲しい本は見当たらず。
代わりに笠井潔『群集の悪魔』(講談社文庫)を購入。唯一読んでいない笠井さんの長編ミステリ。
いや〜強すぎてどうしましょうね。
だって4連勝ですよ。もう今年はペナントで6位は絶対にないと、奇跡を信じてしまったうちの院長。私は冷静に考えて、やっぱり6位になるんじゃないかと予想はしていますが。
もし、6位になってしまったら責任をとってもらいますからね星野さん。
阪神バンザイ。いま1回を終わって1点リード。奇跡が奇跡じゃなくなるときが、今年こそ。
■2002/04/01 (月) 『オイディプス症候群』にとりかかる
ようやくといっては何だが、笠井さんの『オイディプス症候群』を読みはじめる。800ページを超す大作だが、きょうは100ページほど。まだまだ序盤であるが、あの重厚な作風はそのままで安心する。
とりあえず、持ち歩けるような本ではないので家で読むことにするが、はっきり言って一月ぐらいかかりそうな気が…
一方仕事場へは服部まゆみの『黒猫遁走曲』を持って行き読むことにするが、新人さんの教育で昼休みはなかなか優雅に読書とはいかない。
4月なので、保険点数が大幅に変更になり、診療録の記入に間違いが続出。今までと同じ感覚で記入していくと、受付で点数が違うとのクレームがつく。というわけで、疲れた一日になった。
■2002/03/31 (日) 天使の殺人読了
こんなんでいいのでしょうか?
というのは明日4月から、医療保険の仕組みが少し変わるのですが、明らかにこれまでよりも悪くなっています。
我々医療従事者に対する診療報酬の減点はこの国の財政難からすれば、まだしもですが、まったく意味のわからない改定がなされているのも事実です。これまで患者さんにベストと思う方法で治療してきたことが、明日から出来なくなる。
簡単に言えば診療そのものの質の低下は避けられない状況にあるということです。
あ〜この国も長くないのかな。
■天使の殺人(完全版) 創元推理文庫
辻真先
被害者は誰か? 犯人は誰か? 探偵は誰か?
こんな文句が帯に書いてあり、読む前はジャプリゾの『シンデレラの罠』みたいなやつを想像していましたが…
辻さんというととにかく凝ったミステリを書く人という印象が強いのですが、実際に読んだのは今回がはじめて。
とりあえず読み終わった感想としては、趣向としては面白いのですが、思ったほど無理矢理こじつけたようなミステリではなくて安心したというのが正直なところ。ジャプリゾにしても『歯と爪』にしても噂のわりには衝撃が少なかったのですが、今回は少し醒めた目で読んでみたのでそんなに失望もなし。かといって衝撃もあまりありませんでしたが。
とにかく『天使の殺人』ということで天使が登場するのですが、要するに天使とは神、つまり読者の視点なわけです。そこに大きなトリックがあるのですが、なんだか想像がつくでしょ?
さらに入れ子細工や時間の遡行といった手法で読んでいるうちはなんなんだ? と思ってしまうのですが、読み終わった時になるほどと納得。
作風はどちらかというと軽めの筆致で、ところどころにくだらないギャグが混じっております。オーディションに臨む3人の女優が3人とも殺意を抱き、実行しようとする所ははっきりいってリアリティーに欠けますが。
とりあえずミステリ好きは読んでみる価値ありです。
■2002/03/30 (土) 辻真先を読みはじめる
3月ももうすぐ終わり。
ということは、来週から4月になるわけで、この時期が医療関係者にとっては一番厄介になるわけです。
日本では国民皆保険というわけで、どこまでも浸透しているんですが、その仕組みが徐々にバージョンアップ(実際は改悪と言われているが…)しています。
で、その時期が4月なんですよ。
これは愚痴です。
辻真先『天使の殺人』を読みはじめる。辻さんははじめて。もっとも日本推理作家協会賞を受賞した『アリスの国の殺人』(徳間文庫・1990)は途中で投げ出していますが。
実験的なミステリがお得意のようで、前衛ミステリ(?)の先駆者都筑道夫さんとともに苦手意識がとれません。
ちなみに今日はMYSCONの初日。もちろん私は出られません。だって仕事だしここは北海道。
その顔ぶれをみると以外と作家さんが多いのです。びっくり。
http://www.geocities.com/Tokyo/Spa/7953/myscon3/myscon3_meibo.htm
■2002/03/29 (金) 人魚とミノタウロス読了
新人さんいらっしゃい。
というわけで、今週から職場に新しい方が登場。いろいろと覚えなければならないことがあるので、教える方も大変?
■人魚とミノタウロス 講談社ノベルス氷川透
私はまえに読んでいる『最後から二番目の真実』で氷川さんのに入ったのですが、すこぶる印象は悪かったんですよ。というのは文章と人物設定なんだけど。まず文章ははっきりいって読みづらい。回りくどいのは仕方ないとしても、この文章ははっきりいって物語には必要ないんじゃないというところばかり目について、読了までは苦痛でした。あと人物は読者(とくに若い人)の共感を掴もうとしているからなのか、無理に変なキャラクターを創ろうとしているのがミエミエ。なんだか粗ばかりみえてしまって、プロットなどはよくできているのにもったいないな〜と思ったものでした。
で今回の『人魚とミノタウロス』ですが、格段によくなっているのです。相変わらず変なキャラ(ヨッスィーとか)を出していて、それが中途半端なのは残念ですが。文章は回りくどいところがあるにはありますが、それが今回はいい意味で氷川さんの味として感じられました。
氷川透は高校時代の親友生田に会いに彼の勤務する病院へ向かった。しかし氷川が病院に到着するや否や、面接室から何者ともわからぬほど焼けた死体が発見された。その死体は生田なのか? 氷川は衝撃を受けるも一つ一つ可能性を追求していく。
この作品の中でもっとも魅力的に描かれているのは、精神科医生田です。彼と氷川の高校時代のエピソードがところどころに挿入され、次第に生田という人物の輪郭が見えてくる。そんな所にもじつは仕掛けがあるのですが、読んでいる間はもちろん気付くはずはありません(とくに私は)。第五章が終わった時点で読者への挑戦が挿入されますが、私は全然ダメ。全くわからないよ〜。
次作ではヨッスィーが登場するのか? どういう展開を見せるのか? ちょっと気になるキャラクターではあります。
■2002/03/28 (木) 渡辺啓助を読む
■渡辺啓助集 地獄横町 ちくま文庫
渡辺さんの作品というとかなり前に新潮文庫で出た『昭和ミステリー大全集』に収録された「聖悪魔」のみ。今回はじめて渡辺啓助の他の作品を読むことが出来ました。日下さんありがとう。
渡辺さんの新青年に発表された作品を中心に、初期作品をまとめたものです。収録されているのは全て短編で、どの作品にも独特の雰囲気が漂っています。幻想と怪奇といったところですが、同世代の乱歩のエログロとは違った、どこか異国的な雰囲気をもった作風です。例えば乱歩や正史が浅草や信州といった土地を舞台に作品を描いたのに比べ、渡辺啓助の世界はどこかの海辺や別荘地、またフランス(「偽眼のマドンナ」「血笑婦」)やエジプトのミイラといったアイテム(「愛欲埃及学」)などといったように読んでいくと作者の好みやこだわりといったものが伝わってくるようです。
小栗虫太郎のように衒学趣味に走るふうでもなく、かといって乱歩や正史のように長編を得意としてもいない。ただひたすら磨き込まれた珠玉の短編を残している人といった印象が強いです。
また奇想天外さはありませんが、ちょっとお洒落で、ひと皮剥くと以外とグロテスクな一面が見えてくる。そしていま読んでも十分面白い。
題名に「血」という単語が良く出てきますが、帯にある「薔薇と悪魔の詩人」という言葉は言いえて妙。
個人的には「佝僂記」の洋館での事件の描写と、「変身術師」の展開の以外さ、奇妙さが好き。なんだか随分前に読んだポーの短編作品を読んでいるような気分になりました。
■2002/03/28 (木) 初めましてと、読書日記始動。
本家ホームページの容量が心配になってきました。
4月からこちらに日記を移動しようと考えております。
一応、トップページと同じ内容の日記をこちらに記述することになるのですが、本家の方は古い方から順に削除し、さるさるのサーバに保存する形にいたします。
まずはテスト。
■渡辺啓助作品集の感想をアップ。
飛び抜けてものすごい作品と言うものはありませんが、どれも水準以上の作品です。短かめの短編(変ですが)で、読んでいくと次々前に読んだやつを忘れていく。しかも後から思い出そうとすると、いくつもの作品がごちゃごちゃになっていて、わからなくなる。
やっぱり私は長編派だと思いなおしました。いや、面白いんだけどね。
で、つぎの氷川透『人魚とミノタウロス』に挑戦。というかリベンジ。これでダメだったら氷川さんはこれで最後にするつもり。
■午後になりました。
この間ミステリにまつわる100の質問というものをやってみたんです。その第81問「自分でミステリ小説を書くとしたら、どんな作品にしますか?」という答えに「吹雪の山荘もの。
もしくは真っ暗な中で殺人が起きて、真っ暗なまま謎解き。誰が犯人か? 誰が探偵か? 誰が殺されたか? お互いの顔が見えず、声だけが聞こえる中での密室劇。物理的に無理だが…ずーっと構想してるんですが」と書きました。
今日は辻真先『天使の殺人』(創元推理文庫)を買ってきましたが帯に「被害者は誰か? 犯人は誰か? 探偵は誰か?」とあるじゃないですか! もう6、7年前から同じようなことを考えていて、構成がまとまってちゃんと筆力があれば短編でも書いてみようと思っていたのに……
まあ考えていたものと『天使の…』がどう違うのかそのうち確かめてみることに。
■あとほかに
服部まゆみ『一八八八 切り裂きジャック』(角川文庫)
東野圭吾『悪意』(講談社ノベルス)
北村薫『覆面作家は二人いる』(角川文庫)
愛川晶『光る地獄蝶』(光文社文庫)
後ろ3冊はブックオフで。
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