■ 本格的な風況観測 ■

 本格的な風況観測

売電目的の大型風力発電機を設置する場合、候補地の風況を長期に渡り観測します(通常1年間)。小型風車の場合風況調査後に風車を設置するような恵まれた環境にあることは非常にまれですが、本格的な風況観測データーの解析結果を見ると、風車にとって風況の善し悪しは大切であることを実感させられます。

ここでは候補地に地上高20mの観測柱を建て、そこからどのような情報が得られるのかをご紹介します(※売電用風車は年々大型化していることもあり、観測条件によって地上高(10)〜40mの観測塔を使用します)。



 観測機器の様子

NRG社の観測機器(風力発電用風況観測機器としては世界標準的なもの)は国内ではインター・ドメインより購入出来ます。据付に必要な全ての機器はキットとして提供されています。設置場所の土壌にもよりますが、慣れた人2〜3人で半日から一日で据付は完了します。設置からデーターの解析までを一括で業者に依頼することも出来ます。

データーロガー及び各センサーは乾電池で長期間動作し、ロガー内のEEPROMへ時刻情報と共に記憶されます。データーは人手によって数ヶ月ごとに回収するか携帯電話回線経由にて自動回収することも出来ます(携帯電話端末及びその契約は別途用意必要)。回収されたデーターは専用のソフトウエアにて解析され、観測依頼者の元へ結果報告されます。

地上20m点の風向風速発信器と避雷針です 塔は地面に倒して組み立て、ウインチで起立させます ここでデーターを回収し記憶します 観測塔の完成です 最後にデーターロガーの設定をします
地上20m点の風向風速発信器と避雷針 塔立ち上げに必要なジンポール データーロガー
地上10m点の風向風速発信器です 塔を起立させる電動ウインチです 車用の12Vバッテリーで動作します 塔を地上に寝かせて組み立てますので、高所作業がなく安全です
地上10m点の風向風速発信器 塔を建てる電動ウインチ 組立の様子(1)
塔の基礎部です 地面への固定にはヒートンとヒートン代わりの接地棒を使います 支線用アンカーには地面へねじ込み式のものを人力でねじ込みます(用途によって色々な種類が用意されています) 地上での組立が完了し、いよいよ起立させるだけです
観測塔の基礎部 塔支線基礎 組立の様子(2) 観測塔の完成




 どんなことが解るか

目的とする発電量を得るにはどの風力発電機をどの高さに設置しなければいけないのか、また、どのくらいの設備利用率が期待出来るのかなど、売電目的では知らなくてはならない自然環境の情報を得ることが出来ます。

小型風力発電機を設置する場合はここまで本格的に風況を調査することはないと思われますが、風車の大小に関わらず風況の大切さを知って頂ければと思い、その内容を紹介させて頂きます。

項目 概要 備考
平均風速 日・月・年別 発電量を予想する最も大切な情報です
瞬間最大風速    風車の耐風速を考える上で必要になります
風向別平均風速 風向別出現百分率 常に一定方向からの風が吹く場所が良いとされています
風速の時間軸変化 日・月・年別 昼夜や季節などによって発電量がどれだけ変動するか解ります
風速出現率分布 各風速階級ごとにその出現率をグラフとして表したものです   
風況曲線 風速出現率を風速の大きい方から風速毎に加算累積したグラフです グラフの形からサイトの善し悪しが解ります
風速の鉛直分布 地上高別風速の分布を表します 風は地表の摩擦を受けて地面に近い地点程風は弱まります
乱れ強度 単位時間(10分)内での風速の乱れ度 乱れの少ないサイト程いいとされています
エネルギー密度 単位面積当たりの風力エネルギーです(kW/u) 数字が大きい程効率良く発電出来ます
その他      

これらの結果と使用する風力発電機の出力特性から、その地点に風車を設置した時の発電量・設備利用率・設備稼働率などを予想します。


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