
北アルプスを望む広大な敷地に立つ絵本美術館。
(敷地は松川村の村営公園)
ちひろの作品はもちろん、近年まで、芸術作品としての真価を問われることの少なかった、世界の絵本の原画の収集、保存、研究の役割も果たしている。
園内には芝生が敷きつめられ、大きな池をめぐる遊歩道や、色とりどりの花が咲き乱れる大花壇、ちひろがアトリエとして使った黒姫山荘の復元などがある。
美術館はそれらを望む小高い丘の上に建つガラス張りのモダンな建物。 館内はちひろの作品を多数展示しているほか、絵本の歴史に関する資料、国内外の絵本作家の原画やオブジェも多く展示している。
とくに外国作家の原画やオブジェには、色使いや表情に強い個性が感じられて面白い。
約3000冊の絵本を自由に読める図書室や軽食の取れるカフェ、ちひろの絵本や作品をあしらったグッズを売るショップもある。
入館時に貰うバッジを着けていれば、一日中出入りはフリー。 観光バスなどで忙しく訪れる人も多いが、出来るならば半日くらいはかけてゆっくりと絵本の世界を楽しみたいところ。
本格的に絵本を研究したい人のためには、申込制の資料研究室もある。
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いわさきちひろについて
いわさきちひろ(1918〜1974)の絵は教科書や雑誌の挿絵などで見なれた方が多いかと思います。でも、そのわりに彼女がどんな画家であったかを知る人は少ないかもしれません。
恵まれたインテリ家庭で育った、絵のうまい「お嬢さん」にすぎなかった少女が、悲劇的な結末に終わった最初の結婚、そして敗戦後の生家の没落を契機に、職業画家としての自立の道を切り開いていった経緯には画家として、と言うより、一人の女性の生き方として、とても興味深いものがあります。
とかく、芸術としては軽く見られがちだった絵本や挿絵の世界で活躍し、その評価を高めるに至った努力は大変なものだったでしょう。
「鉄の棒を真綿でくるんだような人」というのが、妹さんのちひろ評だそうですが、一見、穏やかで優しげに見えるその表情の下の、志の強靭さのようなものをその作品群からも感じることが出来ます。
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