軍事オンブズマン制度とは
ドイツや北欧で行われている制度で、軍隊内の軍人やその家族などからの苦情、相談を受けて調査し、国会に報告して解決を求める制度です。
1915年、スウェーデンの軍事オンブズマン制度に始まり、フィンランド(1919年)、ノルウェー(1952年)、デンマーク(1953年)にならってドイツでは1956年に設置されました。ドイツでは議会が任命するので、防衛受託官と呼ばれ、任期は5年、60人の職員と調査権をもっています。
調査権は、いつでもどこでにも立ち入ることができ、国防大臣はじめ全ての将兵に報告を求めうるという大きな権限です。ドイツでは設置以来、年間6000件前後の申請があります。特に冷戦終結、東西ドイツの統合でドイツ軍の縮小、軍人の解雇が問題になった1990年は9590件にのぼりました。
日本の自衛隊についてはこのような制度はありません。このためか、年間60人前後の隊員が自殺に追い込まれています。高校を卒業して自衛隊に入ったばかりの19才、20才の若い隊員が上官のいじめなどで自殺しているのです。このような状況を改めるため、強力な調査権をもった軍事オンブズマン制度が日本でも必要です。
関連記事はこちらをクリック!
00・11・16安全保障委員会
自衛隊問題レポート(上)
自衛隊問題レポート(下)
参考資料2
「海自報告書に疑念 社民党調査団佐世保入り」(長崎新聞 2000年5月23日付記事)
海上自衛隊佐世保基地配備の護衛艦「さわぎり」艦内で昨年十一月、乗組員の三曹(21)・・当時・・が自殺した問題で、社民党国会調査団(団長・渕上貞雄同党幹事長、十五人)が二十二日、佐世保入り。同艦内などを視察した後、佐世保市役所で記者会見。
渕上団長は、海自側がまとめた事故調査報告書」への疑問を指摘し、自衛隊の監査体制整備を目指したオンブズマン制度を国家で取り上げる考えを示した。同調査団は、同問題の原因究明のため組織。一行は同市の海自立神桟橋で同艦内を視察後、海自佐世保地方総監部で海自幹部から同問題の経緯や事実関係の説明などを受けた。
渕上団長らは、現地での聞き取り調査の結果や海自側の対応などについて「身内だけで調査した報告書で信頼感は持てない」と指摘。自衛隊以外の人を入れたオンブズマン制度を確立するため、「情報公開システムづくりに向け党内部会で法制化への対応を指示したい」との見解を示した。自殺問題については「事実関係を党として今後も追究していく」と述べた。
参考文献1 水島朝穂著「現代軍事法制の研究・・・脱軍事化への道程」日本評論社 1995年
参考文献2 石村善治著「西ドイツ・・再軍備過程の法的諸問題」法律時報 臨時増刊51巻6号所収(1979年)
▲自衛官の自殺が多発する「さわぎり」 |
