<光の村のご案内>

1.沿革

 「知的障害児に技術教育を」戦後直後から、知的障害教育に取り組んだ創立者(西谷英雄)は、技能教育を技術教育へと高めることができるという確信を持った。昭和34年に中卒者の卒業訓練所を作って実験教育を続け、昭和44年に実業高校的な私立の高等部養護学校を高知県土佐市に開設した。後に、専攻科・中学部を開き8年生の学校とする。
 光の村養護学校秩父自然学園は、土佐校20年の成果をもとに首都圏で学校設立計画を立て、千葉市で用地を取得した。後に、埼玉県秩父の山村に廃校舎があることを知り、豊かさにかぶれて問題を重くしている今の子どもたちには何よりも野生が必要との考え方により、施設を改修して昭和61年に中学部を開き、年次進行で平成3年に中高一貫教育の寄宿舎を完成した。 平成20年度、専攻科開設。

2.光の村の教育

(1)教育課程の内容
  
 1)暮らしの質を変える−「生活指導」

子どもの心身のおかしさは、そのほとんどが過保護によって作られたもので、いわば栄養過剰による根腐病的現象である。
だから学校を、まず子どもたちが助け合って自立する生活共同体にして、「依存する根っこ」を「自立する根っこ」に育
てなおす。光の村養護学校が全寮制であるのはそのためである。土を作り、作物を育てる篤農家のように、丹念に
育てなおせば、子どもたちは必ず自立の方向へと歩む。全ての教育はここから始まる。

 2)体の質を変える−「体育

身長・体重という形態面の発達は標準並みでも、胸囲となると標準以下の者が多い。肺活量も標準値にとどく者が少なく、
心肺機能の遅れが目立っている。これは過保護のため幼い時から力いっぱい息をはずませるような活動が少なく、何事も
あなた任せの依存生活が作った体質である。だから持久力は極めて弱く、少しの負担でバテる者が多い。
その上に柔軟性が低い。表面的には柔らかそうに見えても、関節の全てが錆びついたように固く、動きが鈍く不器用である。
瞬発力も低く、跳躍力などはほとんど育っていない。だから感覚機能も育っていない。
この鈍重で不器用でひ弱な依存体質を、機敏で器用でたくましい自立体質に作り変えて、健康で能力いっぱいに
働いて長生きをする人間に育てる。

 3)手の質を変える−「作業教育」

子どもたちに手は何に使うかと聞くと、「もらう・食べる・遊ぶ」と答える。依存生活は消費するだけであるから、
強さも器用さも育たない。この子どもたちの手は、発達が大きく遅れている。知的障害児は、労働によって
強く・賢く・豊かな人間に仕上がる。枯れ枝のような手を、たくましく器用な手に変える訓練を徹底し、仕事に
習熟し上達する事で、大脳を活性化し、表情を引き締め、考えて働く人間に育てる。

 4)ことばと生活の質を変える−「教科教育」

「暮らしと体と手の質」が変わり、消費するだけの人間から力強く生産する人間に変われば当然子どもは
全人的に賢く生まれ変わる。植物も根の働きが活発であれば、葉の同化作用も活発で良い花を咲かせるように、
人間も全身で活発に活動すれば頭の働きも活発になる。こうなると、読む学習・書く学習・話す学習・計算する学習も向上し、
言葉の構造が変わる。つまり、依存する言語構造から自立する言語構造へと転換する物である。

(2)学習の内容

 1)教科教育

 各教科を総合単元、あるいは単独のドリル学習によって学習内容を構成する。

領域 ねらい
言語 「良く聞き分けること・はっきりと話すこと・読むこと・書くこと」等、日本語を使い分ける能力は、依存する生活の中では十分育たない。学校のあらゆる場面で、あらゆる時間を特設して指導を徹底する。
数量 実際の活動の中で具体的に活動する。目測能力も向上させる。
生活 あたりまえの暮らし方を徹底して指導し、何事も人に頼らず自力でやり遂げようとする態度と、それを支える技能を確かに身につける。仲間に合わせること、仲間を思いやること、常に相手の立場に立って物事が考えられること、ルールを理解して守ること等、社会人の基礎をしっかりと育てる。「なぜ」・「どうして」・「そうするとどうなるの」という考える習慣も確かに育てたい。
体育 力強くしなやかで、敏捷性があって持久力の高い体作りを徹底し、良い暮らし・良い仕事の基礎を確かに育てる。
情操 特に音楽を中心に日本語を正しく発音して、美しく歌う指導をする。ハーモニカその他の楽器に親しみ、美しい音を出す事、仲間とともに演奏する事の指導をする。
和太鼓では、正確なリズム・力強く曲想豊かな表現の指導を徹底して、我が校の校技といえるものに仕上げる。校外での演奏活動を積極的に行い、文化面からの社会参加する機会を多く持つ。

 2)作業教育

 本校では、作業教育を全人教育の中核に置き、次のような作業を行っている。

作業実習 教育内容
基礎作業  大筋作業を連続して行い、体力・精神面の持久力を養う。
製パン・製菓実習  製パン・製菓に関する基礎的な技能・技術の教育を行う。
木工実習  木工工芸に関する基礎的な技能・技術の教育を行う。

3.組織図