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     穂の褐変と不稔モミ

低温障害による穂の褐変が見られます。受精しなかったモミは実が入らず、不稔に。
穂を手に取り指で押してみると、不稔モミはカサカサと空なのが判ります。   穂の垂れてきても穂の何割かは不稔です。また、立ったままの穂も全くの不稔ではなく、何粒かは実が入っています。

        開花の異常
通常は穂の出る順に(先端から)開花し、受精後はカラが閉じ、雄じべが黄化、落下します。冷害時は出穂後なかなか開花せず、少しの晴天時に一斉に開花してしまいます。そのため、花粉が少ないので受精しないモミは閉じずいつまでも雄しべが付いたままです

      穂の白ふ現象
幼穂形成期の低温によって幼穂の先端部分のモミガラ形成が阻害され、白くかれた枝梗やえい花が付いたまま出穂しています。
我が家のゲンさん米、低農薬米も低温期に当たった為、この現象がみられます。

悲観ばかりしていられません。
我が家の田んぼも穂を垂れ始めてきました。

ゲンさんは「稔ってくれてありがとう。ほら、ご褒美の肥料だよ。腹いっぱい食べろ!」と、穂肥を施肥しました。

刈り取ってみないと、不稔の割合は詳しくは判りません。
私達も出来る限りの対策、努力はしたつもりです。我が家の稲達も頑張ってくれました。
平年より減収なのは覚悟しています。  でも、後悔はありません。
これだから、農家は面白くてやめられません!!   (なんちゃって!!)

農家とは天候との戦いです。野菜にしろ、果物にしろ全ての農作物はお天道様のお恵み無しでは収穫できません。
特に、稲は田んぼに植えてからは、ハウスがけやポリがけが出来ません。                                           
 お天気をみながら、いかに稲が生育しやすい条件にしてやるかが農家の仕事です .   冷害の影響を少しでも少なくする為には
              
。苗の状態から耐冷性をつける。
              。根張りを優先させ、気温が低くても強い根が養分を吸い上げ元気な稲にする。
              。時期に応じて、適切な施肥を行なう。
              。低温時には深水にして稲を守る

                         など等、日々対策に走り回っています。

出穂前  −32日     −25日           −15日       −6日            0         〜7日
生育期
穂首
分化期   
 幼穂形成期      減数分開始、 減数分裂終了     出穂      開花終了
        
(えい花分化、枝梗退化)     (えい花退化、枝梗退化)
危険期              前歴期間       冷害危険期               開花期間  
障害
気温
            (20〜17℃以下)     (19〜15℃以下)                 (25℃度以下)
障害の形態           ・生育遅延           ・花粉形成不良、奇形             ・出穂、開花遅延、不良
          
・えい花の減少      ・生育遅延、えい花の退化、発育不良      ・受精不良、不稔発生
          
・枝梗の退化         ・白ふ現象                     ・登熟遅延、不良
                            
・幼鞘褐変病                   ・モミの褐変
かぁちゃんが見た冷害
平成5年の大冷害の時は私は子供が幼かった為、農作業に携わっていませんでした。
また、当時ゲンさんも勤めて(兼業農家)いましたので、米収量のかなりの落ち込みはあったものの
経済的には安定していました。でも専業農家となり、また子供も教育費のかさむ今、事態は深刻です。
母ちゃんが見た冷害、調べた冷害を紹介致します。

(農分協   「冷害に勝つイネつくり」を参考にしています。)

 では、冷夏が稲に及ぼす影響を取り上げてみましょう。

冷害は大きく分けて、
@ 障害型冷害  A 遅延型冷害 があります。
 遅延型冷害は米の登熟に必要な積算温度(日々の気温の積み重ねが登熟に必要な温度に達する)を確保できず冷害になります。
 
      問題は@の障害型冷害です。この、障害型冷害とは、、
    
低温によって花粉などの生殖細胞が障害を受けて受精できなくなり不稔(字のごとく、実にならない)モミが多発するのです。            その割合が多いほど減収が大きくなるわけです。

  稲が最も障害型冷害を受けやすい時期は
 
えい花分化期 (幼穂形成、えい花が作られる。出穂前25〜15日。)
 
減数分裂期  (花粉が形成される。出穂前14〜6日頃)
 ・開花受精期  (出穂後の開花、受精)

      と、言われています。
この3つの危険期が全て低温、日照不足になると不稔モミが多発するのです。

                   まずはじめに、今年(H15年)の天候を振り返ってみましょう。

気象庁の発表によりますと、6月から8月の気候は全国的に平均気温を下回りました。 東北地方では平年比マイナス1・3度と戦後3番目の低さとのことです。  これは太平洋高気圧の北への張り出しが弱かった為と分析しています。
曇りや雨が多く、オホーツク海高気圧から吹き込むヤマセ(冷たい東風)の影響で晴れ間が少なく、気温の低い日が続きました。夏と言えば青森でも寝苦しく、私も三段腹を出して「暑っ〜〜!」と、のた打ち回るのですが、今年の夏は夜には窓をきちんと閉め、タオルケットに薄い羽毛布団で寝ていました。いかに気温が低かったのかお分かりいただけるでしょう!

稲の生長、分けつ、出穂、開花と受精期の最も大切な時期に、低温、日照不足は大きなダメージを与えました。
          まるで平成5年の大冷害を思わせます。「冷害は10年周期でやってくる」と聞きます。 
          その為、ゲンさんも、もちろん米農家の皆さんも出来る限りの対策、努力に奔走しました。
                   
                             でもお天道様に勝るものはありません。