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| 病院長 重富秀一 |
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「弗爲胡成」(為さずんばなんぞ成らん)
日本のさまざまな地域で医療の崩壊が進んでいると言われながら、具体的な解決策が見つからないまま時が流れています。医師の大都市集中と中山間地域の医師不足が今すぐ解消されるはずもなく、医療レベルの地域間あるいは病院間格差は拡大し、医療訴訟は増加の一途をたどっています。医学部教育の改革と卒後医師研修制度の導入は医師のレベル向上と医療の質の均一化を目指してはじめられたものであり、すでに既成のものとなりましたが、その変革の前でいまだに戸惑う地方の中小病院があります。改革から取り残された地方における医療体制の崩壊を食い止めることはもはや不可能と思われた時期もありましたが、世の中は少しずつ着実に動き始めたようです。
中国の「書経」に「弗慮胡獲 弗爲胡成(慮らずんばなんぞ獲ん、為さずんばなんぞ成らん)」という言葉があります。「何事も十分に思慮をめぐらし、行動に移さなければ良い結果は得られない。考えることも大事だが行動することも大切で、どちらが欠けていても物事はうまくいかない。」という意味だそうです。武田信玄や上杉鷹山など、多くの為政者がその意味を汲み、自分の言葉に置き換えて家臣や家督を継ぐものに伝えています。「なせば成る 為さねば成らぬ何事も成らぬはひとの為さぬなりけり(上杉鷹山)が有名ですね。新しい試みには不安はつきものですが、万に一つの失敗を恐れて行動を起こさなければ何も成就しません。猪突猛進ではいけませんが、困難な問題を解決するには、思慮と勇気をもって前に進むことが必要です。
地域医療とは、「地域住民のために必要な医療」ということですが、「地域の皆様に支えられて成り立つ医療」でもあります。私たちは「地域医療の再生」のために、地域の皆様が安心して暮らす事が出来る医療を提供するために前を向いて歩み続けます。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
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