皇帝陛下のステキカット

ロシア皇帝(ロマノフ朝、14代目)アレクサンドル一世陛下
「しかし、いくら漫画だからって、このヘアースタイルはアレンジし過ぎだな」
「ビクトルさん、この漫画にところどころ長谷川先生流の脚色があるのは確かですが、このカットに関しては違います」
「いや、こんな髪型ありえねえって」
「では、これを御覧なさい」

アレクサンドル一世の肖像画
「セットすればほぼ同じになるでしょう。この肖像画からも、あのコメントに困る髪型は長谷川マジックではなく、史実にかなり忠実な描写だと言えます」
「ゲーム(ランペルール)ではこんなだし、他にも髪がフサフサの肖像画とかあるみてえだが……」
「描かれた年代の違い、というのもあるでしょうが、見栄、あるいは画家が気を利かせたという説も考えられますね」


ロシア流死体処理(熊のエサ)
「このように、下手に描けば命にかかわります」
「本当はもっとキツイ髪型だったかもしれないのか……想像がつかねえ」
「ちなみに、アウステルリッツ三帝会戦の時、彼は28歳です。ダヴー元帥
が35歳ですので、元帥以上の有望株と言えるかも知れませんね」
「お前さんも言うことキツイねえ……」
「それでは最後に、他の漫画でどのように描写されているか見てみましょう。いずれもアウステルリッツ時か、その少し後のカットです」
左から『戦争と平和』(岸田恋)、『栄光のナポレオン -エロイカ-』(池田理代子)、『静粛に、天才只今勉強中!』(倉田江美)
「全員女性作家です。花がバックにちりばめられているところからして、長谷川ナポレオンと根底から違いますね」
「真ん中のは間違いなく影武者だな」
「影武者とは似た人物を身代わりにして危険を避けるもので、願望を投影するものではないと思いますが」

平行世界の自分に嫉妬するアレクサンドル陛下