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― 引越しのキャンセル ―
引越しにまつわるトラブルの中で意外に知られていないのが、引越しのキャンセルのしくみです。引越しをキャンセルする
場合には、引越業者にいつ連絡してもいいというものではなく、決められた期日までにキャンセルの申し立てをしないと
キャンセル料が発生します。また必ずしもキャンセル料を支払う必要があるわけではありません。引越しをキャンセル
する理由は様々だと思われますが、引越約款という引越業者と申込者の間で交わされる契約についての
取り決めを理解しておく必要があります。
引越しは「引越しサービス」という商品を購入するわけですから、一旦購入契約を結んだ後、
キャンセルする場合には他の商品と同じようにあらかじめ定められたキャンセル料を支払う必要があります。考え方は
代金引換商品の予約販売のようなものです。
どんな商品でも返品や購入のキャンセルができるように、「引越しサービス」も購入のキャンセルができます。残念ながら
「引越しサービス」の返品はできません。このキャンセル料については引越約款で次のように定められて
います。
- 引越前日のキャンセル − 引越料金の10%以内
- 引越当日のキャンセル − 引越料金の20%以内
つまり、引越し日の前々日までに引越業者にキャンセルを申し出ない場合には、上記のキャンセル料が発生します。これには
日程の延期も含まれます。
また引越約款には引越業者は申込者に対して、引越し日の2日前までに見積もり書の記載内容の変更の
有無について確認する、と定められています。もし引越業者がこの確認の連絡を怠った場合で、申込者が引越前日、または
引越当日に引越しをキャンセルした場合には、申込者はキャンセル料を支払う必要はありません。
引越約款というのは引越業者が見積もりをする際に、申込者に対して提示することが義務づけられています。
また、見積もり書や契約書の裏面にびっしりと細かい字で書かれていると思いますので、キャンセル以外のトラブル発生時
にも目を通すといいでしょう。
引越約款に規定されているとはいえ、次につながると思われるキャンセルに対しては、キャンセル料を
とらない良心的な引越業者も多いです。身内の不幸や病気など突発的な事由で引越しどころではなくなってしまった場合
など、その旨を引越業者に伝えてみましょう。後日延期を条件に便宜を図ってくれる場合もあります。
一旦契約した後に引越業者を変更する場合には注意が必要です。配達されてしまったダンボールや梱包資材は基本的に
申込者の負担で返送することになります。すでに使用してしまった場合には、使用した分の料金については支払わなくては
なりません。引越料金の安い引越業者が後から見つかった場合など、引越業者を変更する場合には、こういったことも考慮して慎重に乗り換える必要が
あります。
本来禁止されているはずの「内金」や「手付け」を要求してくる業者、またキャンセルした場合の未使用分の梱包資材の
返却方法や取扱いについて明らかにしない業者は避けたほうが無難です。キャンセルしたら見積もり書の裏に「資材買取」
と記載されていることに気づいた、という悪質な業者の手口も報告されています。引越し前に何らかの作業が必要な場合に
請求される「立替金」を除いて、「内金」や「手付け」の類は絶対に支払ってはいけません。
見積もり時にダンボールなど梱包資材を置いていくのは、優秀な営業マンの証でもありますが、これはダンボールなど梱包資材
を再配達する手間を省くことと、成約の確率を上げる効果を狙ったものです。そういったものを置いていかれると断りづらく
なってしまうという人間の心理を利用しています。冷静に引越業者を選ぶためには余計な心理が働かないよう、契約する
までそういったものをもらわないほうがいいかもしれません。
もし、引越しをキャンセルしなければならなくなった時には、できるだけ早く引越業者に連絡してあげてください。
断る方も断られる方も、早い時期であればお互い気まずい思いをせずに済むものです。これは元引越屋からのお願いです。
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