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  遺言書の勧め



  遺産分割で、争いになる家族の姿は見たくありませんよね。
  生きている人同士もそうですが亡くなられた方もそう思っておられる
  はずです。
 
  「争続」・「騒続」はやはりできるだけ避けたいと思うのが人情です。
  この紛争を予防する手立ての一つが「遺言書」をしたためることです。
 
  遺産分割抗争?がこじれて、家裁にやってくる問題の6〜7割は
  「遺言書」さえあれば起こらなかった紛争です。
  財産をお持ちの方は、いま一度「遺言書」を正面から検討される
  ことをおススメいたします。
 
  「遺言書」はイメージ的になんとなく暗いものがあるかもしれません
  が、残された相続人同士にいさかいを起こさせることを考えれば、
  決して先延ばしにするメリットはありません。
 

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   遺言は、どんな場合にするの?


 ■認知
 
  「認知」というのはご存知の通り、なんらかの理由で結婚外で
  産まれた子供を、父親が法律上の親子関係を創るために“自分の
  子です”と認める行為です。これは戸籍届出をすることで成立するの
  ですが、生前にすることは勿論「遺言」によってすることもできます。
 
 ■財産処分
 
  自分の財産は自分のモノですから、誰に何を言われようと好きな
  ように処分しても構いません。
  「遺言」では、自分の財産を家族・親戚等に必ず相続させねばなら
  ないということはありません。
 
 ■後見人・後見監督人の指定
 
  最近は何らかの事情で”片親”である場合も増えてきています。
  それでも親が健在であるかぎりは何ら不自由なことはありません
  が、これが未成年の子を残してこの世を去らねばならぬことになれ
  ば無念です。この場合は未成年後見人(後見監督人)を指定する
  ことができます。
 
 ■廃除
 
  「遺言」による”勘当”といったところでしょうか。相続人となる者が、
  とても悪行三昧でどうしてもこれでは財産を相続させたくないという
  のであれば、家裁に請求して相続人から廃除してもらうことができ
  ます。これは生前にもできます。
 
 ■相続分の指定・指定委託
 
  相続分は、民法に法定された通りに分割しなければならないわけ
  ではありません。
  「遺言」で、自分の思うように指定することだって出来るのです
   (但し、遺留分減殺請求をされた場合は致し方ありません)。
 
 ■遺産分割方法の指定・指定委託
 
  遺産分割協議は“争続”に発展することが少なくありませんが、
  この争いを未然に防ぐ手立ての一つとして、遺言であらかじめ遺産
  を分割する方法を決めておくことが出来ます。
 
 ■遺産分割の禁止
 
  “泣く泣くも良い方を獲る形見分け”・・・、自分が死んだ霊前で、
  相続人たちがさっそく遺産分割の話をし始めるなんて、考えただけ
  でもゾッとする方もいらっしゃるかもしれませんね。
  挙句の果てに言い争いになろうものなら、最悪です。
  こういうことが予想されて嫌な方は、相続人たちの頭を冷やす意味
  もこめて一定期間「遺産分割を禁止」させることも遺言で出来ます。
  最長5年間、禁止することができますから一考されては?
 
 ■相続人相互の担保責任指定
 
  民法の規定では、共同相続人の間では、もらった相続分がもし
  規定どおり又は遺言どおりの遺産としての価値よりも低い場合や
  債権として足りない場合は、互いに補足しあうように定めています。
  しかし、この規定も「遺言」で、変更できることになっています。
 
 ■遺言執行者の指定・指定委託
 
  ひと口に相続といっても、素人の集まりである相続人たちがすべて
  相続手続きができるわけでもありませんよね。
  例えば土地や建物といった大きな特定不動産を遺贈する場合
  には、その引渡し・登記といった事務手続きが必要で、かなり面倒
  なのが現実です。
  この実務をやってもらう為に、“遺言執行者”を指定しておき、
  或いはその指定を第三者に委託しておくのです。
  これらの実務に詳しい信頼できる専門家に遺言執行者になって
  もらえば、自分の死後も安心でしょう。(行政書士、弁護士など)
 
 ■遺贈減殺方法の指定
 
  贈与や遺贈をしても、それが相続人の遺留分を侵害している
  場合は、相続人から”遺留分減殺請求”をされても仕方ありません。
  それで、この贈与・遺贈が複数口ある場合には、それぞれの
  価額の割合に応じて、遺留分を差し引かれることになります。
  しかし、「遺言」でこれとは別の減殺方法(差し引き割合)を指定
  している場合には、その方法に従うということになっています。
 
 

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   遺言書の内容は?

 
  「遺言書」には何を書いてもかまいません。何の制限も設けられて
  はいませんから、自分の持っている財産のうち「誰に何をどのような
  形で」分け与えるのも自由に書いて結構です。
  もちろん相続法に抵触してしまう部分については必ずしも希望通り
  になるとは限りませんが、遺言書に何を書くかは自由です。
 
  そしてできれば、よほど切迫した緊急の場合以外は、ちゃんとした
  紙(便箋など)に書くことをおススメします。
  ノートなんかの切れ端に走り書きしたものも有効ではありますが、
  その信用性からすると若干疑われかねませんので。
 
  財産に関することのほか、その後の家族・兄弟姉妹仲良く暮らす
  ようにとか、農地をみんなで協力して育てていくようにとか、そういう
  ことを遺言してもかまいません。
  それから大事なのは、プラスの財産のことだけではなくてマイナス
  の財産のこともシッカリ書いておくべきです。いわゆる債務・借金
  のことです。
  相続は、ただモノをもらうばかりの”権利”だけを受け継ぐものでは
  なく、借りているものを返すという”義務”も一緒に受け継ぐことも
  含まれています。
 
  案外見落としがちかもしれませんが、良いことばかりでもないの
  です。もちろん被相続人(亡くなられた人)に、何の借り入れ金も
  無いのでしたら幸いですが、そうでない場合も多いでしょう。
  相続人は、その遺言内容から「遺産」を包括的に受け継ぐかどうか
  の意思を決めねばなりませんから、プラス面とマイナス面の両方を、
  残された人のためにシッカリ書いておくべきかと思います。
 


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