理解を深める講義 単振動のエネルギー     back


運動方程式が

   

と表されるとき,運動は単振動となる。

この運動方程式から,大学入試レベルでは,次のものを読み取る。

  (1) 振動中心(より求める)

  (2) 振動の周期 

  (3) 全位置エネルギー 

なお,単振動の振幅は初期条件を考慮して決まる。

ここでは,(3)に関連して,単振動のエネルギーに関して少し式により説明しよう。

 運動方程式は,加速度を  と書いて,

   

両辺に  を(スカラー的に)かけると,

   

を考慮して,積分すると,

    (は積分定数)

    (一定)

これは,力学的エネルギー保存則を示している。ここで,左辺第2項のは位置エネルギーを表しているが,合力を積分して得られていることに注意しよう。したがって,位置エネルギーは合力の位置エネルギー,すなわち全位置エネルギーを表している。
ここで,
は振動中心であるから,全位置エネルギーは振動中心でとなる。

 なお,この全位置エネルギーの式はばねの弾性力による位置エネルギー(弾性エネルギー)と同じ形をしているが,これはばねの弾性力がと表され,復元力の形になっているからである。すなわち,同じ形の式を積分して得られる式は同じ形になるからである。ただし,ばねの弾性力による位置エネルギー(弾性エネルギー)では,は自然長の位置になり,自然長でなる。

また,入試では,本来減衰振動である摩擦力の働く運動等も単振動と同様に扱える範囲で出題されるので「単振動では必ずしも力学的エネルギーが保存されない」と考える受験生もいるが,厳密な単振動では,上記のように,必ず力学的エネルギーが保存される。