| これまで、ダイエットの考え方についてお話してきましたが、今回はもう一歩踏みこんだお話をします。 健康や美容のために減量ダイエットに励む方だけでなく、見た目はスリムで減量なんて関係ないわ・・・ というような方でも、体脂肪の付き方によっては注意が必要です。 体脂肪は皮膚のすぐ下(皮下脂肪)か、肝臓や胃腸などが納まっている腹腔内(内臓脂肪)に蓄えられます。 大抵、太る時はまず内臓脂肪がたまり、後から皮下脂肪がたまります。 この内臓脂肪がたまった段階で糖尿病や高脂血症・高血圧症などにかかりやすくなるのです。 ここで問題となるのは、 内臓脂肪は体重や外見上はあまり太っていなくても、たまっているということがある、ということです。 では、内臓脂肪がどれだけついているか簡単にチェックしてみましょう。 ※ 体重は変わらないがベルトがきつくなってきた。 ※ 太ってはいないがおなかだけがポッコリ出ている。 ※ おなかが出ているのにたるみをつまんでもあまり厚みがない。 ※ 下半身より上半身の体型が気になる。(太っている) ※ 「ウエスト÷ヒップ」が0.8以上である。 いかがですか?当てはまる項目がありましたか? あった方は早めの対策が必要です。 内臓脂肪はつきやすい反面落ちやすいので、 食習慣を改善し、運動を心がけることで比較的簡単に減らすことができます。 大切なのは、いつもお話するように、 一気に痩せるのではなく、徐々に時間をかけてゆっくりと体に覚えさせながら体重・体脂肪を落としていくことです。 腹八分のバランスの取れた食事を一日3回、きちんと取り、毎日体をよく動かすこと。 これが生活習慣病予防の王道です。 最近の研究結果で、 1時間継続して運動しても、10分以上の運動を6回に分けて行っても、運動効果は変わらない ということがわかってきました。 また、運動で脂肪を燃やすという考え方よりも、食事を少し控えた上に動きを加えることで エネルギー減の相乗作用を与える・・・と考えた方が良いとも言われています。 今、健康だから将来も必ず健康でいられるという保証はありません。 なんの症状も出ていない「今」こそ、始める時なのです。 参考資料 「栄養と料理1月号」 |
| 「体脂肪率が何%だから・・・」ということを、よくお話してきました。 皆さんもご自分の体脂肪率についてはかなり意識を持っていただけるようになったと思います。 でもはっきりと「体脂肪率がどうだからなんだ」とお分かりでしょうか? お分かりではない方も多いですよね? そこで今回は、体脂肪率とはどういうもので、どのようにコントロールすべきものなのかをお話しましょう。 一言で言うと、「体重に占める脂肪の重さの割合」を「体脂肪率」と言います。 体の中に蓄積された脂肪が「体脂肪」です。 「体脂肪」は使うエネルギーより食べるエネルギーの方が多いと、 余ったエネルギーは全て脂肪に変わり、脂肪細胞の中に蓄積されます。 ことに空腹のあとにドカ食いをしたり早食いをしたりすると、どんどん貯め込まれます。 単純に体重が多い人=肥満とは言えないことは、皆さんよくご存知のことですね。 骨や筋肉がしっかりした人は標準体重より重くても、決して肥満ではありません。 しかし、反対に骨が細く筋肉も少ない人では、体重があまり重くなくても体脂肪率は多いということがあります。 (ちなみに私・アテナはこのタイプです) 万病の元として問題になるのは、この体脂肪なのですね。 皆さんがご家庭で手軽に体脂肪を計ることができるようになって、本当に良い時代だと思います。 実は体脂肪を計るのは非常に大変なことだったのです。 現在では、「インピーダンス法」といって、身体に弱い電流を流し、筋肉・脂肪など身体の各組織の 電気抵抗の差を利用して体脂肪率を推定する方法が普及しています。 この方法で計測した体脂肪は、一日の中で変動しますし、水分の取り方、汗のかき方などによっても変わります。 基準値は、健康な人が一定の条件で測った値をもとにしているので、 皆さんの計測も決まった時間に決まった条件で行い、あくまで目安として下さい。 体脂肪は少なければいいというものでもありません。 特に女性の場合はホルモンの関係で生理とも関連がありますから、適度な体脂肪は必要です。 以下に日本人の体脂肪率の基準値を掲示しておきますから目安にして下さいね。 では、どのようなことに心がければ適度な体脂肪率を保てるのでしょうか? 50年前と比べて現代の日本人は圧倒的に脂肪の摂取量が増えています。 脂肪の割合が高い食事は、カサの割にエネルギー量が高いので太りやすくなります。 また、夕食中心の食べ方・朝、昼、夕の食事量にむらがあるのも損な食べ方です。 更に、運動量の低下・・・これは単なる消費エネルギーの低下だけでなく、基礎代謝エネルギーをも低くしているそうです。 (基礎代謝エネルギー=じっとしていてる状態で使われるエネルギー) だからといって、粗食がいいとも言えません。 動物性たんぱく質の摂取量の増加は、肺炎や結核などの感染症による死亡率を下げ 寿命を長くすることに貢献してきました。 「取り過ぎ」がいけないだけなのです。 取り過ぎを防止するために、主食を食生活の基盤にし、適正量のおかずを取るという 「日本型食生活」を実践するのが最も簡単で望ましいスタイルです。 主食は太るというイメージで、ご飯離れが進んでいますが、 エネルギーはおかずの方が高いので、体に必要な栄養素を取ることができるおかずと、 満腹感を得られる主食(ご飯)を取るようにしましょう。 おかずは肉より魚、肉は脂肪の少ないものを、調理方法も余分に脂を使わない方法を取れば 随分満足できる食事となります。 そして3食きちんと食べ、出来る限り夕食重点主義から朝食しっかり食べ主義に 生活習慣を変えていけたら最高です。 中々現代の生活リズムでは難しいことですが、 食事内容を日本食に変えていくことくらいはやり易いと思います。 できるところから、徐々にやっていきましょう。 |
| 30歳未満 | 30歳以上 | |||
| 正常 | 肥満 | 正常 | 肥満 | |
| 男性 | 15〜21% | 23%以上 | 17〜23% | 25%以上 |
| 女性 | 18〜25% | 28%以上 | 20〜27% | 30%以上 |
| 「中性脂肪が多いと生活習慣病になり易い」「体脂肪は適正値を保つようにしましょう」などと毎回言っていますが、 今回はこれらと混同しやすい「脂肪細胞」について、お話します。 「脂肪細胞」とは、中性脂肪の一時的な貯蔵タンクと考えて下さい。 飢餓や次に起こすべき行動に備えて、余分なエネルギー源を貯めておくのです。 ただ単に余剰エネルギーを貯めておくだけならば、多少体のラインが太目になるだけでさほど問題はないのですが、 実は、脂肪細胞は「多種類の生理活性物質」を分泌し、その分泌物の中には生活習慣病の原因物質もあるのです。 それらは糖尿病や動脈硬化を起こす作用を持ちます。 しかし反面、女性ホルモンの分泌にも作用しています。 「痩せる」ということは脂肪細胞の集合体である「脂肪組織」が減ることです。 極端なダイエットがホルモンバランスを崩すというのはこういう訳だったのです。 ここでもやっぱり、なんでも減らせばいい、無くせばいい、ということではないことがお分かりいただけたでしょうか? 脂肪細胞にはその数が増える場合と、一つ一つの脂肪細胞が脂肪を貯めこみ大きく肥大する場合とがあります。 健康上問題になるのは、後者の方です。 脂肪細胞が肥大すると生活習慣病因子を多く分泌することが分っています。 「皮下脂肪」より「内臓脂肪」の方が危険と言われるのは、内臓脂肪の方が肥大しやすいからなのです。 これらはその色から「白色脂肪細胞」とも呼ばれます。 これに対して、体脂肪を燃焼する作用を持つ、「褐色脂肪細胞」というのがあります。 褐色脂肪細胞は常に脂肪を燃焼しているのではなく、通常は体内に潜み、休止しています。 何かの刺激で、交感神経が活性化し、「アドレナリン」というホルモンが分泌されると、 褐色脂肪細胞が目覚め、脂肪を燃焼しエネルギーを生産するのです。 赤ちゃんが大人よりも体温が高いのは、この褐色脂肪細胞の働きによるものです。 さて、皆さんは気付かれましたよね? 「だったら常に褐色脂肪細胞を起こしておけば、苦労せずに余分な脂肪を燃焼してくれるのね!!」 はい、そうですね。 実際、アドレナリンを分泌させる薬剤などは既に肥満治療で使われています。 でも、現在病気でもない人が薬物を利用するのは嫌ですね。 通常の食材で同じような作用を促すものはないでしょうか??? 「とうがらし」がそれなんです。 唐辛子の辛味成分カプサイシンには「普通の脂肪細胞を分解する作用」と「アドレナリン分泌作用」とがあります。 これは非常に注目すべき点です。 毎日の食事に適度に唐辛子を使い、褐色脂肪細胞を目覚めさせることは、良い方法です。 市販のダイエット食品には「脂肪を分解する」とうたったものがありますが、分解するだけでは意味がありません。 燃やして消費してこそ、意味があるのです。 「食べ過ぎないこと」 「運動により余剰エネルギーを筋肉で燃やすこと」 「カプサイシンを利用して褐色脂肪細胞を働かせること」 の3点で、体の適正脂肪を維持するように努めましょう。 |