| 美術館での展覧会やギャラリーでの個展ではないけれど、「番外編」として地下街での催し物についてふれておこう。京都駅前地下街ポルタで実施されていたもので、現代美術の立体作品が5〜6点展示されていた。
まあ、作品自体はまずは平均的(?)だけれど、アート作品が置かれることによって、いつもの見なれた場所の空気が一変したのである。その様子に、改めてアートの力を再認識した。
たとえて言えば、これまで化粧っけのなかった少女が、ルージュをひくことによって、急に大人びた雰囲気を醸し出すよう。あるいは、ふだんはTシャツにジーパンだった青年がタキシードを身にまとって、キリッとしたイメージに変身したかのよう。精神が少し高みへのステップを上がり、文化的な緊張感を増すのである。
アートの作用を表現する言葉で、「異化する」という言い方がよく使われるが、ポルタのこの試みは、まさに地下街空間を異化していたと言えるだろう。異化するとは、同化するの反対語だから、同じようにするのではなく、そこだけ違うものにするということ。アートの力は、そのように一つの時空の中に、際立った別の何かを生み出すことでもある──と、そんなことを思わせてくれるイベントであった。こうした視点は、パブリックアートを見るときにとくに適しているかと思う。
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