| 8回目となるNiCAF(NIPPON
INTERNATIONAL CONTEMPORARY ART FESTIVAL)が始まった。現代美術系のギャラリーが大集合しての年に1度の祭典である。毎年徐々にパワーダウンしているとかいわれるものの、今年も約70のギャラリーが参加し、展示作品総数約2000点というから、かなりの規模ではある。現代美術のもっともエッジなシーンが紹介されることになる。
訪れたのは、初日の開場直後。ほとんど、いの一番だった。平日の朝のためか、会場はガランとしていて、来客よりスタッフのほうがはるかに多い。通路を歩けばジロジロ眺める視線が自分に集中し、居心地がよくない。会場には文化祭の模擬店よろしくギャラリーごとにブースが区切ってあり、それぞれ自慢の“持ち駒”を展示している。が、どのギャラリーも手持ち無沙汰な様子である。いったい、どうなることやらと、ちょっと心配したが、11時を回るころから少しずつ人が増えてき、出展者ならずとも安堵を覚えた。
さて、肝心の内容についてだが、あまりよくわからなかった。よくわからないなどと超無責任な報告で、われながらどうしようもないなと思うのだけれど、うまく把握できなかったのだ。なので、無理に無責任な批評をするより、わからないものは率直にわからないとするほうが自分としては誠実だと考えたので、こういう言い方となってしまった。どうも、あのようなブースの大集合会場では、「鑑賞」はむずかしい。慣れの問題なのかもしれないが、ギャラリーや美術館で作品と向き合うのとは環境がまったく違うので、まともに作品を見ることができない(なので、★印も対象外)。強いて鑑賞しようとしても、見間違えてしまう気がする。
NiCAFのような祭典は、作品や作家より、ギャラリーを知るための場としてより機能するかと思う。ギャラリーによって、オーソドックスな絵画を好むところもあれば、キッチュな作品に注力しているらしいところもあったりして、それぞれの個性がある程度わかる。また、そもそもこうしたところに出展しようというぐらいだから、意欲的に運営しているギャラリーだと判断してもいいだろう。実際、ユニークな活動で知られるギャラリーが名を連ねているから、そんな見方でもよいと思う。
そんななかで目についたのが、韓国から出展していたギャラリー。6つほどあったが、総じて、シンプルながらも問題提起をはらみ、訴求力のある作品が多くそろえてあった。どちらかといえば、カラフルだけどさほど深みは感じられない作品が多い日本のギャラリーとは、少々異なるベクトルではあった。いずれをよしとするかは、個人の好みに帰するだろうが、私には韓国のギャラリーのほうが一枚上手のように感じられた。現代美術が日本以上に人気が高いかの国で、ふだんから鍛えられているからだろうか。
シンポジウムなどのイベントは2日目以降に実施されるので、それを見ないで最終的な結論めいたことはいえないが、ぽろぽろと指摘されるように、たしかにNiCAFも一つの曲がり角にきているのかもしれないとは感じた。たくさんのギャラリーが集まって、最先端を見せようとはしているけれど、さほど「見応えがある!」という感じはしないし、特別な高揚感もない。買っておきたいという品ともとくに出合えなかった。「祭典」とされるのだが、祭典らしき盛り上がりにも欠ける。
では、どうしたらいいのかは私もよくわからないが、やはり、今後惰性に陥らずにさらなる展開をめざすためには、一工夫、二工夫が必要だろう。シンポジウムやイベントは、どこかで常に開かれているくらいになれば望ましいし、何らかのかたちで来観者が参加できるしくみもあればより刺激的にもなるように思う。ただ単にブースがずらっと並んでいるだけ、では、少々物足りないのである。
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