| グループNEXTとは、「京都から、次世代へつなぐ絵画表現を発信することを標榜」して結成されたもの。ただ、その内容は「メンバーを特に固定しない方針」で、「ゆるやかな連合体」として活動を続けてきたという(フライヤーより)。「ゆるやかな連合体」はともかかく、「メンバーが固定しない」とは、妙なグループだなと感じた。憶測だが、活動の実体がさほどないので、やや言い訳めいたこういう言い方になったのではないだろうか。
展示では、何人かは名前を知った人が作品を出していた。いわゆる現代日本画が中心。オーソドックスなものが主体で、多少なりとも前衛を目指したと見られるものが散見されるといった趣で、「次世代へつなぐ絵画表現」を探求し、発信しようとしている姿勢は、あまり伝わってはこなかった。作品の出来も平均的なものが多く、「これはスゴイ!」というものは、ほとんどなかったかと思う。
個人的には、今回はタダ券があったので、ちょっとガッカリ程度ですんだが、もし1000円也の入館料を支払っていたらどうだったかと考えると、これは面白くなかっただろう。また、場所的に不便なところにあるので、貴重な時間を返してくれ、といった気にもなっていたかもしれない。美術館は、やはりすぐれた展覧会を提供する使命がある。お茶を濁すような展覧会しかできないのであれば、常設展だけにして、無理に日程を穴埋めする必要はないのではないだろうか。本展は、ややそのような穴埋め的な印象が残った。
● 下保 昭 『層雲雪渓』 ★★★★
フライヤ裏面の最下段に載っている作品。巨大なもので、タテ1m60ぐらい、ヨコは10m近くあったのではないだろうか。全面にモノトーン調の、具象だけれど茫漠としたとした風景が描かれている。題名からすると、どこかの雪渓みたいだが、まるでモーゼの海渡りのように、地面が裂け割れて大きな地溝が生じている場面にも見える。近くで見たら何が描かれているのかわからない雑駁な筆致でありながら、離れて見れば迫力あるリアルな立体画として映る。印象派の筆触分割の一タッチをもっと大きくした感じとでもいおうか。総じてモノトーンに見えるが、よくよく眺めれば、黒、グレー、青、紫、紅など、さまざまな色が用いられている。雑駁に見えながらも、色やタッチの置き方が周到に計算されている。
作者独特の画法が炸裂といった感じで、なかなか見応えがあった。伝統的な水墨画とも違い、独自の絵画世界を創出しているところがいい。筆遣い自体は緻密というよりは大まかな画法ながら、これほどの大きさで全体の整合性が破綻していない点にも注目しておきたい。とくに何かの意味が込められているとは感じないが、作者の大自然への畏敬、あるいは神々しいものに対するような憧憬といった気持ちは、作品を通して見る者に訴えかけてくる。
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