●岩城直美展
●2002.1.30
●サイギャラリー

★★★☆

「京都府新鋭選抜展」でも紹介した岩城直美氏の個展。京都で展示されていたのと同名の『House』をはじめ、『Tree』などの作品がそろえられていた。例によって、グレーが基調である。どこか温かく、懐かしいグレー。『House』では大きな四角の家が、『Tree』ではシンプルな丘陵の風景に小さく木が数本描かれている。具象画とも抽象画とも言えない領域にある。

 

ギャラリーへお邪魔したとき、たまたま岩城氏本人がいらしたので、少し話を聞くことができた。インタビューではなかったので、ここに大きく引用することはできないが、少しだけご紹介しよう。

 

岩城氏によると、このグレーは最初から意図したものではないとのこと。さまざまな色を試して塗り重ねていくうちに、グレーになっていったのだそうだ。たしかに、複数の色を重ねていけばグレーになる。また、四角い大きな家も、丘に立つ木々も、岩城氏にとっては同じだと言う。どういうことかと言えば、彼女が自分の中のイメージを作品として具現化するのに、あるときは家が、またあるときは木が必要となるからで、必ずしも「家」や「木」そのものを描いているつもりはないそうだ。つまり、家や木は、あくまでも自分の絵を構成するための「要素」であり、その点において家も木も同じだということだ。

 

静かな中にも、見る者に何か(私の場合は懐かしい気持ち)を伝えてくるのは、いずれの作品にも共通していた。ただ、この個展で並べられた作品を目にした限り、正直言って、作品間の出来不出来の差がけっこうあるように感じた。それはちょっと意外でもあった。それから、作品とは関係ないが、岩城氏はなかなかの美人だった。