写真はものの見方を どのように変えてきたか 2 「創造」 |
| 東京都写真美術館 |
5.28〜7.18 |
| ★★★★ |
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シリーズ第2部となった本展では、いよいよ写真が芸術として独自の道を歩み始めるところがテーマ。会期残りわずか、というか残り1日というタイミングでのアップ、「いったい、何を考えているんだ!」というもっともなお叱りの声が聞こえてきそうながら、お許しをいただいて(ん、誰も許してない?)、おそまきながらレビューさせてもらいます。m(--)m
いままさに船出しようとしている客船の様子を何の脚色も加えず、そのまま切り取ったもの。いわゆるスナップ撮影だ。瞬間を捉えるという写真の特性が早くも遺憾なく発揮されている。アッパーデッキ(おそらくは一等や二等)の富裕層と、デッキ下の三等船室の貧しい人々の対比が見事に描写されている。絵づくりの感性は、すでにして現在のセンスと何ら変わるところがないように見える。
日本人も思ったよりも早い時期から芸術作品としての写真を残しているのには驚いた。逆光のビルとビルのあいだの狭い路地。雨上がりだろうか、光の加減で黒い影の部分と白い部分がくっきりと際立っている。アメリカの街のようで両サイドのビルには鉄製外階段がいかめしく取り付けられてあり、そのトラスが力強いシルエットで画面を印象づけている。路地にはTフォードぽい車があり、車のかたわらには男が一人、やはりシルエットで写っている。映画『第三の男』の一場面を見ているかのようなクールさがある。光と影を巧みに使った作品で、現在でも通じる高い完成度だ。
顕微鏡写真から街角スナップまで、ありとあらゆる写真を撮っている。それがみなセンスを感じさせるものばかりで、完全にいまでも通用する。サボテンのトゲの部分をクローズアップで見せた作品は、幾何学模様が美しくさえあるし、さびれた街角の表情は今日のストリートフォトそのもの。
一流の写真家として認められるための賞、「木村伊兵衛賞」に名を残す写真家だ。さすがにそのセンスは素晴らしく、単に素材が昔のものというだけで、表現する感覚はコンテンポラリーそのもの。街角や人々の生活風景のなかに、一瞬のフォトジェニックを感じ取り、切り取る感性はさすがというほかない。彼の手によると、タバコ屋のおばあさんも、不良少年たちも、買物にいそしむマダムたちも、みなスターに見えてくる。 マン・レイのように世界的に名の知られる写真家も、そろそろ登場し始める。 (7/17) <今後の予定> ●3 「再生」 ―― 7月23日〜9月11日 |