| 産経新聞社の全面バックアップがあり、開催期間も異例の長さとなっている大型企画。それだけに、いやがおうにも期待が高まったが、必ずしも期待通りの満足感を得ることはできなかった。
その原因は、展覧会のボリュームにある。展覧会名に、わざわざ「大」という字をつけるぐらいだから、かなりのボリュームだろうと暗黙のうちに思ってしまい、ずらっと並んだ兵馬俑の軍団をイメージしてしまったが、人間の姿をした兵馬俑は10体あるかないかぐらい。そのギャップに、やや肩透かしを食ったような印象をもってしまった。
ただ、それ以外はよかったとは思う。兵馬俑自体は、一つずつ、明らかに個性をもっていて、毅然たる姿で堂々としている。これが2000年以上も昔につくられ、今日まで時代を超えて残ったのかと思うと、その価値は計れないものがあると感じた。また、展示のしかたにおいても、出土時を再現すべく、美術館内に土を運び込んだり、破片を散らしたりするなど、それなりの工夫はあったかと思う。
あるいは、兵馬俑を中国から日本へ運搬するのは、絵画などより、はるかに神経を使う大変な作業のはずで、関係者の苦労は察してあまりある。が、それにもかかわらず物足りなさを否定できないのは、たぶんに展覧会名に「大」の1文字があったがゆえ。もし、「悠久の兵馬俑展」とかいったネーミングであったれば、今回ほどの違和感は感じずにすんだような気がする。
つまり、たった1文字のせいで展覧会の印象がガラッと変わってしまったと思えてならないのである。主催者が、なぜ「大」という字を付したのか、その理由は私なぞ知るよしもないが、単に企画にハクを付けたいがためだけ程度であれば、やはり反省すべきであるだろう。ネーミングを担当したわずかなスタッフのせいで、展覧会の多くがスポイルされたようにも見えて、ちょっと残念な思いも残るものだった。
(10/6)
|