CRIA展とは、京都市芸術文化協会と京都芸術センターが提携して開催している若手アーティスト育成のための展覧会。Cooperation(連携)、Communication(交流)、Rearing(育成)、Information
of Arts(芸術情報の発信)の頭文字をとっている。京都市芸術文化協会に所属する美術・工芸団体と実行委員会から推薦を受けた作家が出品しているとのこと。
全部で21名の若手作家がピックアップされていた。いずれも推薦を受けての参加であるが、レベルが高いと思った人もいれば、どうしてこの人が推薦されたのかと疑問を抱いた人もいた。つまり、クオリティにバラツキがあるように感じた。それも、かなりの幅で。たぶんそれは、推薦元となった各団体のバラツキを反映しているのだろう。
なので、展覧会全体としては、「いいじゃないか!」と「なんだこれ?」が入り混じり、相殺し合ってプラマイゼロといった印象。ま、それでもこの種のイベントの趣旨は、新しい芽の発掘であるので、たとえ1人でもそういう人が見つかったら、よしとするべきなのだろうか。
●森野晋次 「たちあらわれ――AFTER IMAGE(残像)」
本展で、もっとも強い印象を受けた。待ち針のようなカラーピン25000本を白い地に打っていき、ピン(の頭)で絵柄を描いた作品である。白い地は、横3m47cm×縦1m72cmというかなりの大きさ。そこへ、赤、青、黄、緑などのカラフルな頭のカラーピンが並ぶ。絵柄は、びっしりと打ち込まれたピンでつくられた円のなかにキノコのかたちがくりぬかれた(つまり、キノコ型にピンが打たれていない)もので、円は右半分ぐらいからちぎれるように流れ出し、まさに残像的にうっすらとした同じ円の姿を右側に現わす。もう一つの円にもボンヤリとキノコのかたちが浮かんでいる。キノコがかわいらしく、なんともユーモラス。
この作品を見ていると、いろんなことを考えてしまう。円のなかに浮かぶかたちは、なぜキノコなのか? 円は赤なら赤、青なら青一色のピンでもよかったのに、なぜ何色ものピンがごちゃまぜにされているのか? 円は完全なものではなく、右側へとちぎれ、残像をつくっているのはなぜか? などなど。一つひとつの疑問に対する答えは、作者なりのメッセージとして作品のなかにちゃんと込められているような気がする。大変強いインパクトを放っていたと思う。
ただ、危惧を覚えたのは、あまりにもインパクトが強い手法なので、一度、目にした者は、二度目からは最初のときのような驚きは感じられないだろうということ。なので、今後の展開がちょっと難しい面があるような気がした。また、ピンを打ってつくるというスタイルなので、商業ベースに乗りにくい面があるかもしれないとも思われた。が、ぜひ、これからも独創的な活動を続けていってもらいたいものである。
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