作者の三宅氏の手になるキャラクター「スイートさん」が、平敦盛をはじめとした源平合戦の武者たちとなった絵巻シリーズ。スイートさんは横長で平べったい顔をしており、左右にひどく離れた目、小さな胴体にひょろ長い手足というスタイル。直立した姿は、昔のSF映画の火星人のよう。そのスイートさんたちが大勢登場して武士団をつくり戦をするシーンを描いた平面作品のほか、巨大なスイートさんの立体もあった。
系譜的には、当ギャラリーお得意の村上隆系ということになるのだろうか。コミカルで愛らしいといえば愛らしいといえるかもしれないスイートさんたち。合戦という場面であっても、決して深刻には見えず、常にゆるさを漂わせている――と、まじめにレビューするのがアホらしくなるくらいの能天気さではある。アート作品というより、イラスト作品といったほうがしっくりくる。
で、これをどう評価するか。女子高生たちが「カワイー!」と嬌声を上げるのはOK。若いサラリーウーマンたちが、「スイートさんって、だるいときにいいよな〜」なんてかわいがるのもOK。でも、美術評論家が「このスイートさんには、現代アートの閉塞をするりと通り抜けるしなやかなしたたかさがある。既成概念にコリ固まった既存の美術界をそしらぬ顔をしながら追い越し、それでいながら新しい地平を切り裂いていくパワーと瑞々しさもあわせ持つ……」とかいいだしたら、私はNOだ。
時流に乗った傾向の作風だとはいえるかもしれないが、10年後、20年後にも価値を見出すことができるアートとは見えず、必要以上に高く評価することはないと思うのだが、あなたはいかが?
(7/7)
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